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そこでは挨拶もそこそこにみなが庭を見せ合いっこする。 ある人はかばんから、ある人は帽子を…
飴の瓶のなかに 三日月があった ほんのすこし考えたけど わたしはそれを口に入れた 三日月を舐…
涙が出るたび わたしは溶ける 泣いて じぶんで じぶんを溶かしてしまう よろこびで泣いても …
聞いたことのない島に着いた この間できたばかりなのだという ほら次はあそこに島が生まれてい…
ブーン!とくるまが走りすぎていき、もぐらの家は揺れました 運転しているのは貝殻でした た…
ばら は ば と ら になりました かぜ は か と ぜ になりました みみ は み と …
胸に手を当てると鼓動がとても速かった わたしは鼓動を 追いかけた 追いつけず 草の上にへたりこんだ 夕焼けが 空を焼き 雲を焼き 小さな星が光り 風が すべての縁を走っていって 鼓動が還ってきたので わたしは両手でつかまえて 胸に戻した その日は 遠回りして帰った
夕焼けが 3日前の日に 忘れ物をした と言って 走っていった
あーあ 部屋のなかに みずうみがほしいなあ みずうみ 毎日そこへ行って もぐったり 寝そべっ…
はさみがこわい わたしが寝てる間に いつ 前髪を切ってしまうかわからない いたずらに わた…
わたしはタネを植えた それが芽を出しいつのまにか伸びて ときどき風に揺れたり日陰を作ったり…
はじっこを見つけた はじっこを見つけたなんて たいへんだ わたしははじっこがあそこにある(…
それは いつまでたっても何にもならない 栄養を与えたり 日光浴をさせたり 散歩に行ったり 風…
スープの中に天使がいました。 天使は、 「あとすこし待ったほうがいいわ。まだ熱いから」 と言って、皿の端まで泳いでいき、縁に上がって水気を切って、飛んでいきました。 水面から波紋が消えると、わたしは深呼吸を3回して、スープをスプーンですくって口へ運びました。 スープはあたたかく、ちょうどよく、熱くて舌が飛び跳ねることはありませんでした。