スープ

スープの中に天使がいました。

天使は、

「あとすこし待ったほうがいいわ。まだ熱いから」

と言って、皿の端まで泳いでいき、縁に上がって水気を切って、飛んでいきました。

水面から波紋が消えると、わたしは深呼吸を3回して、スープをスプーンですくって口へ運びました。

スープはあたたかく、ちょうどよく、熱くて舌が飛び跳ねることはありませんでした。


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