そうこうしている間に秋が近づいている
お散歩していて子どもが
「空が変わったね。秋の空だ」
と言います。
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
という百人一首の句がありましたが今年も立秋を過ぎました。オリンピックだ高校野球だと言っているうちに。
今朝は幾分涼しくて雨も降っていない過ごしやすいお天気だったので久しぶりにベランダにいすを出して音楽を聴きながら本を開きました。家族がまだ誰も起きてこないこの時間だけの楽しみです。アルバムを整理しようとクローゼットを見たときにいつか時間ができたら読みたいと思っていた珠玉の本たちが10冊ほど出てきたのです。
いつか読みたいと子育て中は諦めていたことが、今ようやくできるようになりました。この秋こそこれらの本にじっくり向き合えます。
秋の空が少し高くなって遠く感じるように子どもたちが少し遠くに感じるようになりました。お腹にいた子が少しずつ少しずつ離れていきます。ハイハイのころは半径1mくらい、歩き始めると半径5mくらい?幼稚園に行って小学校に行くころには1㎞くらいでしょうか。電車通学の中学高校は10㎞?考えるとうまく離れていったものです。新しい家族を見つけて家を構えました。
今は海外での生活も考えているそうです。今度は何千kmです。私たちも海外転勤を経験してきたので何の不思議もないこと。いとも自然に遠くなっていきました。
子どもを支配する親を毒親と呼ぶそうですが支配するつもりはないのです。お腹にいて無力で生まれてきた赤ん坊を命がけで守ろうと頑張っていたその関係からの変化に対応するのにちょっと時間がかかっただけ。子離れこそが愛だと気がつく秋でもあります。
子どもは3歳までに親孝行をすべて終える、とも言われます。遠く離れていてもお互い信じあえる間柄でいられることが子育ての果実。それは私の親から渡されたバトンだったのかもしれません。
「空の色が変わったね。秋の空が好きなの」
と何気ない会話を交わせる今日の幸せを忘れないでいようと思います。
皆様もどうぞよい日曜日をお過ごしください。
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