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【彼はクズ男か運命の相手か】第4話 出会い(後半)
この物語は平凡な30代女子が1人のイギリス人男性との出会いにより人生が一変してしまったノンフィクションストーリーです。
第1話プロローグからぜひ読んでみてください。
前回のお話はこちら。
2021年11月30日
携帯の着信がなった。
Adamさんだ。さっき帰ったばかりなのにどうしたんだろう。
忘れ物でもしたのかな?
私「もしもし、どうされましたか?」
Adam「先生、体験レッスン代払ってません。払うので戻っていいですか?」
律儀に体験レッスン代を払い忘れたことを連絡してくれた。
事前にAdamさんにも伝えていたのだが、
体験レッスン代は入会した場合はいただかない事(又はキャッシュバック)にしているので、その旨を伝えたら、
Adam「それでは申し訳ないのでお茶をご馳走します。カフェに行きませんか?この後お時間ありますか?」
と言われた。1時間程しか時間がなかったのと、そこまで気を使っていただかなくてもと思い丁重にお断りしたら
Adam「ではコンビニでコーヒーを買っていくので、少しお話ししましょう。少し待っていてください。」
そう言って、電話を切った。
数分後、Adamさんは教室に戻って来た。
手にはコーヒー2つと苺がのったショートケーキ。急遽、教室でCafe timeが始まった。
コーヒーを飲みながら30〜40分お互いについて話した。
Adamさんは7年前に日本に来てはじめは英語の先生をやっていたが、数年前からは誰もが知っている一流企業でスポーツ関連の仕事をしているそうだ。詳しくは身バレしてしまうので言えないが、とても技術と頭の良さを必要とするかっこいい仕事だと思った。
また、ピアノを習おうと思ったきっかけや恋愛の話なんかもした。
Adamさんは独身で結婚を考えるような人もいないと言っていた。
私も今までの経歴やこの教室ができるまでの話をした。
教室を開くまでの道のりが結構大変で、自分なりに頑張った事だったので、Adamさんに褒められた事がすごく嬉しかった。Adamさんも自分の英会話教室を開こうと考えていた時期があり、教室を開くまでの苦労をすごく理解していて共感してくれた。だからこそ、私の行動力や努力を高く評価してくれたことは、当時の私にとって最も心を満たしてくれる褒め言葉だった。
「1人でこんな素敵な教室を作ったなんてすごい!尊敬する!」
今でもAdamさんの言葉が心に残り励みになっている。
それから、私が結婚している事も話した。それを聞いてAdamさんは少し残念そうに
「先生のこと、めっちゃかわいいと思ってた」と。
あっ…
私はなんと鈍感なんだろう。そこでやっとAdamさんの下心があることに気づいた。
「鈍感」というより結婚していたこともあり、その辺のスイッチは完全にOFFになっていた。
適当に交わし、その後変な空気になる事もなかった。お互いのことが少しわかり心の距離がまた縮まった。
名残惜しそうだったが、タイムリミットが来た。
「また次のレッスンで会いましょう。お待ちしてます。」
そう言って、Adamさんとさよならした。