【読書】パラパラ漫画にきゅんとなる~『小犬の生活 ダーシェンカⅡ』(カレル・チャペック)~
*この記事は、2019年9月のブログの記事を再構成したものです。
数日前にご紹介した『ダーシェンカ』の続編です。というか、本来は1冊になっていたもので、今回の『小犬の生活 ダーシェンカⅡ』が、実は第1章です。
他の出版社のものは1冊ですし、新潮社版も愛蔵版は1冊です。でも分冊なのも絵本感があって、悪くない気がします。
↑愛蔵版
『ダーシェンカ』がチャペックの手になる絵と写真が主役だったのに対し、この『小犬の生活 ダーシェンカⅡ』は文章が主役です。とはいえ、例の脱力系の挿絵もふんだんに盛り込まれていますが。
ダーシェンカが生まれてから、もらわれていくまでの彼女の成長と暴れっぷりが克明に描かれています。いや、子犬を育てるのは体力と忍耐がものすごく必要であることが、よく分かります。
個人的にツボだったのは、奇数ページの左隅のダーシェンカの絵。右足を上げているのと左足を上げているのが交互になっているので、パラパラ漫画が楽しめるのです。しかもだんだん小さくなっていくので、ダーシェンカがチャペックの家から離れていくことを暗示しているようで、きゅんとなります。なお愛蔵版にこのパラパラ漫画が付いているのかは、未確認です。
なおこの記事をブログに載せた時、以下のようなコメントを頂きました。
「カレル・チャペック…
ロボットと言う言葉の生みの親、「山椒魚戦争」の作者、「長い長いお医者さんの話」(の中の1篇、ソリマンのお姫様)の作者…
ファンタジー小説家のイメージがあります。しかし単なるファンタジー小説家ではない。。。」
それに対し私は、
「本当に、おっしゃる通りです。作品の時代背景とかも含めて読むと深いなと思い、今更ながら、せっせと読んでいます。」
と、お返事いたしました。
見出し画像には、ダーシェンカ並みに元気そうな、ワイヤーフォックステリアの写真を使わせていただきました。