【展覧会】東京国立博物館特別展「古代メキシコ マヤ、アステカ、テオティワカン」に行ってきた
先日、東京国立博物館の特別展「古代メキシコ マヤ、アステカ、テオティワカン」に行ってきました。
何せこの猛暑なので、もう少し後にしようか、ためらいました。上野駅の公園口改札から東博まで、意外とあるし、門に入ってからも平成館まで、これまた意外とあるし。
でも日傘をさして林の中の道を歩けば、意外と暑くありませんでした。かつ、会場内の混雑も思ったほどではなかったので、結果的には思い切って行って、正解でした。
以下、備忘録代わりに見たものをまとめておきます。ちなみに展示物は、写真撮り放題です。でも、間違っても展示物を傷つけないよう、節度を守りましょうね。
青の色が、素敵でした。
香炉台を飾ったマスクで、神官か戦士を表しているそうです。
チコメコアトル神は、熟したトウモロコシの女神です。まさか、熟していないトウモロコシの神もいるんでしょうか。トウモロコシをめっちゃ持ってますが、これは笏(しゃく)だそうです。
ちなみに植物としてのトウモロコシの面白い話を、以下の記事でご紹介しています。
ゴムのボール(全体がゴムなので、とても重いらしい)を使った球技を、マヤの人たちはしていたそうです。
基本は球技ですが、場合によっては都市同士の戦争の代わりであり、負けた人は生贄になることもあったとか……。
土偶で相撲のまわしのように見えるのは、石でできたユーゴという球技用の防具。
これにボールを当てて、壁面の的に当てたそうです。ただ、実際にこの石製のものを使ったかは不明で、これは祭祀用で、実際には木か革で出来たものが使われたのでは、という説もあるとか。これを付けたら動けなそうなので、木か革というのが正しいんじゃないでしょうか。
「ぶらぶら美術・博物館」では、的の中心の穴にボールを通す、と言っていたけど、どう考えても不可能なような……。
NHKの「生と死、古代メキシコの世界へ!」では、単に「的に当てた」という言い方をしていたので、それが正しい気がします。ただ、そうすると的に穴が開いている意味が分からないので、もし穴を通すことができたらボーナスポイントがもらえる、という感じだったのかなと思いました。
なお、マヤでもテオティワカンでもアステカでも人を生贄にする人身供儀が行われたわけですが、それについて興味深い解説がありました。
ちょっとキモカワな感じ?
西の地平線に沈み、死んだ状態の太陽だそうです。朝になると、また復活するという世界観。
貝で出来ています。糸を通すために穴をあける技術がすごい。
生贄12体が出土した墓の中心部から発見されたとか。何とも独特の迫力がありますね。
胡坐は高貴な人物のみに許可されたので、生贄にかかわる王族を表すものかもしれないそうです。何か、誰かに似ている気が……。
確か香炉だったと思うのですが、この丸めた背中が気になって写真を撮ったら、キャプションを撮り忘れました。
マヤ文明でいうククルカン、アステカ文明でいうケツァルコアトルにあたる神の像ですが、テオティワカンの文字が解読されていないため、何と呼ばれていたかは分からないので、「羽毛の蛇神」としか言いようがないようです。
ユーモラスです。これ、入れ物になっているのです。
トウモロコシを持って、トウモロコシを背負っています。人にトウモロコシを与えようとしているところらしいです。
マヤとの交流があったというのは、初耳でした。
頭部はトウモロコシに似せて矯正(頭蓋変形)されたそうです。まだ頭骨が柔らかい赤ちゃんの時、板を当ててトウモロコシ型にするらしい。
ゆるキャラのような鹿が沢山描かれています。
好物であるカカオの実を首にかけている、猿の神です。カカオは飲料になるだけでなく、通貨にもなったそうです。
マヤでは翡翠がとても大事にされたそうですが、これは貝と緑色岩製です。翡翠ははるばるグアテマラから運ばれたとか。交易活動が活発だった証ですね。
二人の王が球技をする場面。中央のボールの上に、マヤ文字で西暦727年にあたる年が記されています。
頭頂部で結び、前に垂らした髪型は、トウモロコシ神の姿を真似たものと考えられるとか。
マヤ文字の一例として写真を撮っておきました。しかしマヤ文字、複雑すぎ。
発掘時、棺の中が辰砂の赤で覆われていたので、「赤の女王」と呼ばれます。マスク、頭飾り、冠、首飾り、胸飾り、ベルト飾り、腕飾り、足首飾りをつけており、横に小マスクと、貝に入った小像(赤の女王自身を表すらしい)が置かれています。
冠、マスク、首飾り、胸飾りが写っています。
頭飾り、冠、マスク、首飾り、胸飾りが写っています。
私が以前から気になっている、「重そうな人」です。王座の支えで、防具を付けた戦士の姿だそうです。
一見可愛いけど、お腹の上は神に捧げる供物の台になっており、ということは……。
テオティワカンの仮面に、メシーカ人(アステカ人)が目や歯、耳飾りをつけるなど、手を加えたものです。メシーカ人は過去の文明の遺物を、魔術的な力を宿す聖なるものとみなしたそうです。アステカやインカの黄金製品の価値を理解せず、溶かして延べ棒にしてしまったスペイン人とは大違い。
これ、高さが170センチもあるのです。鷲は強さや勇気のシンボルで、今のメキシコの国旗にも使われています。
トラロク神は丸い目と牙が特徴の嵐の神。水を貯える壺で、雨や豊穣の願いが込められたものと考えられるそうです。
風を意味し、生と豊穣を司る神です。猿っぽいですが、ペリカンなどの嘴の形に似た、赤い口が特徴だそうです。体育座りが可愛い。
アステカでは、黄金は貴重で、「神の排泄物」と呼ばれたそうです。貴重なのに、排泄物とは……。
顔に皺をよせ、目をつむり、下の歯を2本突き出す特徴が、火の神ウェウェテオトルの特徴と一致するそうです。
観覧料一般2,200円とは高いなーと思いましたが、まぁこれだけ見られれば満足かな。
観覧料に文句を言っている割に、散財もしてしまいました。
3,520円なり。一軍のTシャツが無くなってきていたので、気に入ったものがあれば買います(言い訳)。
300円のガチャで入手。マヤ文字の見本として買いました(言い訳その2)。
お昼は例のごとく、敷地内の「ゆりの木」へ。平成館から、お庭経由で行きました。何せホテルオークラなので、基本的にお味に間違いはありません。
これで1,650円は、お得だと思います。エビも2匹入っているし、野菜もいろいろ入っているし、何より揚げたてだし。
お腹がいっぱいになり、ちょっと元気を回復したので、本館の1階の11室(仏像の部屋)だけ行きました。ケースに入っているので写真は撮りませんでしたが、阿弥陀如来立像が良かったです。ちょっと前のめりで、お迎えに来てくださるところな感じ。
平安末期の定朝様。
何しろ、大満足でございました。