【読書】AIに駆逐されなくても、怖い社会がやってくるかも~『AIは人類を駆逐するのか? 自律(オートノミー)世界の到来』(太田裕朗)~
見出し画像に使わせて頂いたロボット君と違い、ちょっと怖いAIさんが表紙の本です。
↑kindle版
表紙はちょっと怖いし、途中までは結構脅すようなことが書かれているのですが、太田さんはAIがもたらす未来には、「人が何もしなくても、対価を払わなくても、高度な自律システムや自律ロボットの力で、必要なものが手に入る時代が到来する可能性があります」など、おおむね楽観的なようです。
ただしもちろん、ぼんやり待っていれば理想の社会がやってくるわけではありません。
そう、AIに支配される社会にしないためには、人類が主導権をもってAIに教育しないといけないわけですね。そのためには
しかも、ゆっくりその解答を導きだしている時間はないかもしれません。
まず大事なのは、AIの開発にあたっての基本姿勢を決めること。
もしそこをいい加減にしてしまうと、
になってしまいます。
ただ、そうなることを回避したとしても、太田さんが考える未来は、はたして理想的なのかと、首を傾げてしまいます。
こんな未来がやってきたら、人類は退化するんじゃないでしょうか。
思い出したのは、新井素子の『あたしの中の……』に収録されている、「大きな壁の中と外」です。舞台となっているのは、必要なものは何でも、たしか無料で手に入る理想社会ですが、主人公たちはそこからはみだしていくんですよね。
何だかAIが暴走したとしても人類の管理下にちゃんと置けたとしても、あまり未来は明るくない気がしてきてしまいました。
AIと共存する形での進化、あるいは退化が待っているということでしょうか。何しろ、AIの思考過程がブラックボックス化することだけは、避けたいものです。
最後に、驚いたこと。
↑新書版
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