【読書】天明泥流のすさまじさ~『遺跡発掘師は笑わない 榛名山の荒ぶる神』(桑原水菜)~
「遺跡発掘師は笑わない」シリーズの第15弾です。今回の舞台は、群馬県です。
↑kindle版
相変わらず、登場人物が多すぎ+話がごちゃつく傾向はあるものの、まぁ読みやすい方だと思います。
今巻は前巻の和歌山編をきっかけに「鬼の手」の力を失い、かつ海外の発掘派遣事務所からヘッドハンティングされた無量と、自分の歩むべき道に迷いが出てきた萌絵が、それぞれ真剣に自分の将来を考え始めます。まぁ萌絵については、どうも今巻のうちに、ある意味結論は出たっぽいですが。
今巻とても印象的だったのは、天明3年に起きた浅間山の天明泥流。
浅間山の噴火の影響が、こういう形で江戸、ましてや銚子にまで及んだとは、想像を超えていました。
他に印象に残った所。
尊皇開国は、初めて聞きました。
あと、小栗上野介が造船所だけではなく、日本初の製鉄所を作ろうとしていたことも知りませんでした。
上野公園についての描写には、歴史に対する水菜さんのメッセージを感じました。
次巻で、この事件がどういう結末を迎えるのか、そして無量の決断はどうなるのかが楽しみです。
見出し画像は、柴又の帝釈天の山門です。本文中、思いがけない形で出てくるので。
↑文庫版
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