【読書】しをんさんの博物館愛が爆発~『ぐるぐる♡博物館』(三浦しをん)~
*この記事は、2019年6月のブログの記事を再構成したものです。
三浦しをんが、日本のあちこちの博物館に行って書いたエッセイです。
↑kindle版
行先は、国立科学博物館という超王道の博物館もありますが、他は風俗資料館(どういうものが収蔵されているかは、本文をご参照いただくか、ググってください)とか、めがねミュージアムとか、ちょっとマイナーなものが多いです。
でも冒頭で「旅先で博物館を発見したら、とりあえず入ってみる」と書いているくらい博物館好きのしをんさんなので、どこへ行っても好奇心いっぱいで楽しんでいることが伝わり、読んでいてこちらまで楽しくなります。これを読んでから行けば、マイナーな博物館でも楽しめそうです。
また、それぞれの博物館の案内役の方々が魅力的なんですよね。しをんさんが上手に魅力を引き出しているのもありますが、ご自分が勤める博物館の収蔵品への愛から生まれる魅力なのでしょう。
日本製紙石巻工場の部分では、東日本大震災で大きな被害を被ったため、当時紙(特に書籍用)の確保が難しくなっていたことを、今更ながら知りました。日本製紙の他の工場だけではなく、他の製紙会社の協力もあり、紙は無事に供給され、本も出版されていたのです。
仕事柄、どうしてもたくさん紙を使うので、これからは今まで以上に心して大切に紙を使いたいと思います。
そういえば、先日ご紹介した『未来のだるまちゃんへ』でも、かこさんの『万里の長城』の出版が、東日本大震災による紙不足の結果、遅れたという話が出ていました。
この本を読んで、似たような本の存在を思い出しました。『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』(村上春樹、吉本由美、都築響一)です。
↑kindle版
偶然ながら、どちらの本でも熱海の秘宝館に行っています(^-^; 『東京するめクラブ』も、久しぶりに読み返してみようかな。
見出し画像には、めがねミュージアムの話が出てくるので、めがねの画像を使わせていただきました。
↑文庫版