会食恐怖を徐々に乗り越える方法:私の4年間の戦いと克服のプロセス
今回は会食恐怖に悩んでる方向けに、会食恐怖経験者の私が徐々に外食を慣らしていき、
満腹の7〜8割程度は外でご飯を食べられるようになった方法をお伝えしたいと思います。
⚠️「はじめに」で、私が会食恐怖(と同時に広場恐怖)を発症したきっかけについて記載しておりますが、症状についても軽く触れておりますので、苦手な方(誘発の可能性が不安な方など)は下記の目次より段階①にお進みください。
はじめに 〜会食恐怖症と広場恐怖症 発現のきっかけ〜
私は大学院1回生の就活中に、会食恐怖と広場恐怖がはっきりと自覚される形で出始めました。
特に電車に乗ったり説明会で出られない空間に閉じ込められる度に、
動悸や冷や汗が出て気分が悪くなり、その場にいることが耐えられなくなり途中下車や途中退室する ということが積み重なり、
結局就活を続けられなくなって1年先に見送ったという経験があります。
また、この時同時に会食恐怖も発現しており、
会食のある懇親会に参加しなければいけない会社は、諦めてエントリーを避けるようにしていました。
就職後も研修施設に泊まり込みでの新入社員研修が1ヶ月間あったのですが、
集合での昼ごはんがほぼ喉を通らず、
夜に個室に帰ってきてからスーパーで買ったお弁当を食べて
一日の栄養を何とか取って1ヶ月を乗り切った、という経験もあります。
段階① 本当に外食が一口も入らない時期の対処法
飲みの付き合いは無理をしない。とにかく一人の空間で栄養を確保する。
本当に飲み物すらも喉を通らない時期は、とにかくどこかで栄養を取らないと生命の維持に関わるので、
出先でも一人部屋を確保してその中で弁当などを買って食べるしかありません。
その際、できれば同行人に事情を説明して、夕飯は別行動にさせてもらうことが出来れば良いのですが、
仕事の出張などで付き合いの飲み会がある場合、なかなか会社の人に事情を説明しにくいことも多いと思います。
このような時、私の場合は次のような方法で難を逃れていました。
・人数が多い飲み会
→自分一人が食べてなくてもバレないので、顔だけ出してほぼ一口も食べずにやり過ごす
・人数が少ない飲み会
→食べてないことがバレやすいので、前もって「体調が少し悪いので大事を取って今回の飲み会は欠席します」と伝えておく
コロナ禍以降、心配されない程度の体調の悪さ(喉の不調など)を伝えれば、さほど違和感なく飲み会を欠席することができるようになったと思います。
少人数の飲み会で、食べられないのに無理をしてその場に居続けるのは苦行でしかないので、事前に断ってしまうのが一番慌てなくて良いです。
断ることに罪悪感を覚える方もいるかもしれませんが、(私もそうでした)
無理をして辛い経験が残っても克服のプラスにはならないので、多少嘘をついてでも断ることで自分を守って良いと思います。
段階② カフェでお茶をしてみる
気楽に約束できる”お茶”から始めて、成功体験を積んでいく
外食が全く喉を通らない時期から、少しくらいなら外食に挑戦してみたいな…!と思い始めたら、まずはカフェでお茶から始めてみるのがオススメです。
克服の道のりには、“外食を成功させた…!”という経験を少しずつ積んでいくことが大事なので、負担に感じない程度の少量の食べ物から試してみると良いです。
私の場合、友人とのお出かけの時はランチとディナーの時間を避けて
「14時くらいからお茶しない?」という風に提案をして、外食経験を積んでいくようにしました。
カフェや喫茶店なら、その日の体調に合わせて飲み物だけを頼んだり、ケーキも追加してみたりと量が調整できるので、
友人と約束をした後に、"もしかしたらまた食べられなくなるかもしれない…" というような、予期不安を極力感じずに当日を迎えることができます。
段階③ バイキング・シェア形式の食事をしてみる
お食事は”定食”ではなく、”バイキング”から始めてみる
カフェでお茶することに慣れてきて、そろそろお食事に挑戦したいなと思ったら、まずはバイキング形式のお店に行ってみることをオススメします!
バイキング形式なら、自分の食べやすいものを自分が食べられると思った量だけ取ることができるので、完食体験につながります。
次は、”居酒屋”や”お洒落なイタリアン”など料理をシェアできるお店に行ってみる
バイキングの次のステップとしては、居酒屋やお洒落なイタリアンなど、
少量ずつ盛られたメニューを複数頼んでシェアしながら食べることが出来るお店がオススメです。
このような食事スタイルは、自分の取り分が明確に決められていないので、
“これを全部食べなければならない…!”というプレッシャーを感じにくく、
単品料理や定食、コース料理などに挑戦する前のステップに向いています。
料理をシェアするお店に行く時は、会食恐怖の事情を説明できる相手とまずは一緒に行った方が安心です。
相手に何も言わずに食事に行くと、気の利く人は全ての料理を均等に取り分けてくれるため、結局自分の取り分が発生してしまい、周りに比べて食べられてないのがバレるかも…と不安になる可能性があります。
(ただし、取り分けてもらって食べきれなかったとしても、次の料理はお腹いっぱいだから、と断れば良いだけなので、気にしすぎなくて大丈夫です!^^)
段階④ 気心の知れた人と単品料理や定食を食べてみる
気を遣わない相手と、一人一品ずつ頼む料理に挑戦してみる
段階③で外食にかなり慣れてきたら、単品料理や定食など、一人一品ずつ頼む料理に挑戦してみましょう!
ここからは、“自分が特に好きで食べやすいと思う料理” から試し、徐々に食べられる量を増やしていきます。
出された料理は完食しないといけないと思ってしまいがちですが、無理をする必要は決してありません。最初の頃は、食べきれなかった分を食べてくれるような家族や友人と一緒に行くと心強いですが、残すことに罪悪感を抱く必要はありません。
段階④まで来たら、あとは様々なシチュエーションでの外食経験を積み、家にいる時の食事量に近づけられるよう徐々に慣らしていきましょう。
この段階はそれなりに年数がかかりますし、その日の体調によって、食べられた日とダメだった日があったりと、一進一退で心が折れかけるかもしれません。
なるべく諦めずに外食の機会を持つようにしていると、気を許せる良い人との出会いや、美味しい食事、リラックス出来るお店との出会いで道が開けたりしますので、焦らず、考えすぎずに日々生活するのが良いと思います。
おわりに
"思った以上に他人は自分のことに興味がない" ので、他人の目を極力気にしないことが大事。
ここまで、会食恐怖症だった私が、段階を踏んで外食をほぼ克服した話をお伝えしてきました。
実は正直な所、現在も外食に苦手意識は残っており、未だに外より家の方が気楽に沢山食べることが出来ます。
それでも、家族や友人との外食をそれなりに楽しめており、出された量の7~8割は食べられるようになりました。
ですので、そこは完璧を目指さず、人とのコミュニケーションの場として外食が問題なく出来るレベルまで克服出来たら十分だと考えています。
会食恐怖症に悩んでいる方は、私含め、他人の目が気になってしまう方が多いと思いますが、
案外、”思った以上に他人は自分のことに興味がない” ものです。
このことを意識して、食事中はなるべく他人の目を気にせず、(物理的に目の前の人を見ないようにするのも有効です)こんな美味しいものを食べられるなんて幸せだ…!という気持ちで、
食べることへのテンションを上げることも、食欲を高める上で大事だと思っています。
今回は克服までの大まかな流れを書きましたが、外食が食べやすくなるための細かいコツなど、引き続き、会食恐怖の克服に関する記事を書いていきたいと思っています。
この記事が、会食恐怖に悩む方の参考に少しでもなりましたら幸いです。