あの味をもう一度(金カムご飯番外編)〜キエフさんの「ボルシチ」〜
ボルシチ。
タイのトムヤムクン、中国のフカヒレスープ、フランスのブイヤベースにならぶ知名度を誇る東欧のスープ。
鮮やかな深紅は、ビーツ由来のもの。
そこに牛肉やキャベツ、ニンジンなどの具材を入れてぐつぐつ煮込んだスープは、ビーツのほのかな甘酸っぱさと、肉と野菜のうまみが調和して、一度食べるともう忘れられません。
実際、「レストラン キエフ」さんで本場に忠実(きっとそう)なボルシチを頂いてから、すっかり虜になってしまった筆者。
今プロフィール帳を書くとしたら、「好きな食べ物」の欄には確実に「ボルシチ」と記すでしょう。
さて、枕(落語用語)はこのくらいにして本題に入りましょう。
タイトルの通り、今回は、筆者がボルシチを大量に作ってモグモグした記事を書いていきたいと思います。
では、調理開始!
材料
・牛肉(カレー・シチュー用) 400グラム
・ビーツ水煮缶(あればぜひ生ビーツ) 1個
・トマト缶 1個
・キャベツ 1/4個
・ニンジン 1本
・タマネギ 1個
・ジャガイモ 2つ
・コンソメキューブ 1個
・ローリエ(なくても可。本場はディルを用いるようです)2枚
・サワークリーム 適量
レシピは簡単です。
というか、簡単なレシピを採用しました。本格的に作りたい場合は、先にお肉を弱火で1時間くらい煮込んで天然のブイヨンを取り、そこに別鍋で炒めた具材を入れて煮込むと良いと思います。
筆者もこの方法で作りたかったのですが、IHヒーター1口しかないのでこの方法はちょっと現実的ではなく、断念。
レシピ(簡単ver.)
1.野菜類とビーツを千切りにする。ビーツは最後に切りましょう。まな板がこうなるので。
2.フライパンもしくは鍋に油を引き、牛肉に火を通す
3.牛肉の色が変わってきたら、ジャガイモやニンジンを先に合流させる。(火が通るのにすこし時間がかかりますからね)。
4.ジャガイモとニンジンに火が通ってきたのを確認して、キャベツとタマネギ、ビーツを入れる。
5.トマト缶と水(具材がひたひたに浸かるくらいまで)、コンソメキューブを入れて弱火で1時間煮込む(蓋は適宜)
6.味と水加減を整えて完成!
野菜類から水分が出ると思うので、味見した上で整えてくださいね!
写真から分かる通り、調理道具をミスりました。
いつもの寸胴鍋で作ればいいものの、「いつもあの鍋だとかなりスペースが余るから、このフライパンでもいけるかな~」と甘ちゃんな見立てをしてしまったことが原因です…
本当にギリギリのところで持ちこたえてくれました。
煮込んでいる1時間はフライパンの様子が気になりすぎてずっとそばで見張っていました。どうにか無事(?)完成。
味見でちょこちょこ食べましたが、「ボルシチは二日目が美味しい」とのことなので(カレーみたいですね)、一旦タッパーに詰めて冷蔵庫へ。翌日から私のご飯になります。
実食
さて、一日経って待ちに待った実食。
レンジで温める前に少し水を足し、温めた後にサワークリームを加えると少しそれっぽくなりました。
まあもちろん、キエフさんのボルシチの上品さには遠く及びませんが…
お味は…美味しい!
正直キエフさんのとは98%別物ですね。残りの2%はビーツの風味。
でもこれはこれで美味しい。
ビーツのほのかな甘さ、溶け出した肉と野菜の旨みはなかなか良い。
ジャガイモはほくほく、タマネギは甘みが引き出されている。
牛肉は奮発して国産の煮込み用を使ったのですが、その甲斐があって、噛むとほろっと崩れて、じゅわっと脂が口の中で溶け出します。
でも脂っこいとかもたれるというタイプではなく、ほのかに甘くて繊細な脂。国産牛ってすごい。
そしてなにより、サワークリームを溶かすと少しミルキーでまろやかになります。できれば買って欲しいです!
主食はパン、とくに硬めのバゲットがおすすめです。
少しお行儀悪いですが、スープにバゲットを浸して食べると、バゲットがスープを吸って柔らかくなってくれてこれまた最高なのです。
反省点としては、
・ちゃんと寸胴鍋でつくろう(当たり前)
・生ビーツで作ってみたい
・ハーブはローリエより絶対にディルにすべき。筆者はディルの香りをよく知りませんが、ネットによれば「やや辛みのある爽やかな香り」とのことなので、間違いなくビーツの甘酸っぱさを引き出してくれるでしょう。
こんなところですかね。
「家で食べるボルシチ」としては、そこそこいい線行けた気がします。
栄養面を重視しすぎて具がぱっつんぱっつんになりましたが、まさに「食べるスープ」といった感じでアリだと思います。
ビーツ缶が一つ余ったので、反省点を活かしてまた作りたいですね!
ビーツさえ手に入れば比較的作りやすい(スープを本格的に作ろうとすると大変ですが)と思いますし、なにより栄養満点で身体が温まるので、是非冬の間に一度作ってみて下さい!