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手を引かれるように、あしたに向かう元気が出てくる『過去の握力 未来の浮力』
『過去の握力 未来の浮力』
この本に脳をぐわんぐわん揺さぶられた。
ずっと大事にしてきた自分の中のルールを疑って、その結果、やめてみることになりそう。
長年の、いわゆる「自分探し」に終わりの端っこを見つけられたかもしれない。
日々なんかうまくいかなくて、いやになったり落ち込んだりしている人。
どーして私はいつもこうなんだ!と思うことがよくあるなって人。
家族や友達と話していて、なんでこの人こんな風に考えるんだろうってモヤってる人。
この本には「そうそう!」と「なるほど!」な文章がたくさん。
自分の考え方のクセを知ったり、違う考えと照らし合わせたりすることで、自分のことをわかってあげるための糸口が見えてくる(相手のことも)。
この本の著者は、ジェーン・スーさんと桜林直子さん。
タイプの違う二人が自分と相手との違いについて語り合い、考えを深めていく様子や自分の内面や考え方を分析するコラムがまとめられたもの。
エネルギー値が高く、世界を信用することのできるスーさん。
そして、エネルギー値が低く、諦めの呪いをとく方法を編み出して自分の道を進めるようになったサクちゃん。
(作中での呼び名、スーさんサクちゃんで書かせていただきます)
二人が、お互いに考え方の違いをはっきり認識しながらも、つっぱねたり批判したりしないので安心してぐんぐん読めた。
ジェーン・スーさんの本は、世の(特に妙齢を生きる世代の)気になりゴトをしゅぱっと気持ちよく切り取ってくれる感じが好きでいろいろと読んでいた。
桜林さんは、スーさんのXでお顔はお見掛けしていたのだけど、どんな方なのかはこの本で初めて知った。全く同じというわけではないけど、私はサクちゃんと似た感覚だなぁと感じることが多かった。
スーさんの本が好きなのは、たぶん、自分ができていない行動をスーさんが展開してくれているところが読んでいて爽快だからかも。
読書中、本に直接書き込んだほうが早かっただろうなと思うほど、「わあ!」と感じたところをぶわーっとノートに抜き書きした。
その下に少し空白を作って、そこに考えたことを書きこんだ。
(この方法、スーさん直伝です。実はスーさんの講演会にも行ってきたのです。その話はまた)
この本のすごいところは、あらゆる読者を、きっと、まるっと抱きしめちゃうだろうというところ。
両極端のような2人がいて、そうなるときっと、読者はどちらかに自分をカテゴライズしながら読み進める。どっちかというと私はこちら派だなって。
私はサクちゃん派だと思いながら読み進めた。
すると、サクちゃんの話にまずとっても癒された。
そうそう、そうなんだよ!私も!!!と自分をわかってもらえたような気持ちになり、結果、すごく心がなぐさめられた。
でも抜き書きしたノートをあとから見たら、意外にもスーさんの言葉のほうが多かった。
え!サクちゃん派なのに?!と自分でもびっくりした。
でも、なるほどな~と思う。
スーさんの文章の中には、自分にはできなかった発想が多かったから。
そういう考え方があるのか、私が考えていることってそう捉えることができるのか、そうなると確かにそっちの考え方をダウンロードしたほうがいいかも…などなど。
びっくりしたり、脳がゆさぶられたりした。
おーーーい、わたし!しっかりして!!!と思った。
いつの間に、ここまでねじれていたの、私の思考!
この本はそんなふうに、読んでいると自分に近いほうの考え方に癒され、自分から遠いほうの考え方にとても刺激を受ける。もしスーさんに近い考え方の人が読んでも、きっとそうなんじゃないかと思う。きっと、どんなタイプの読者にも、「わかるわかる!」と「え!そうなの!??」が入っている本。
スーさんとサクちゃんのどちらも近くない!という人がいたら、その人サイドの話も聞いてみたい。
より考えが深まりそう。
スーさんの本だからという理由で読み始めたけれど、ちょうど、私の思考が何度目かの青春自分探しモードに入っていた矢先だったので、この本にすごく助けられてしまった。
青春っぽく言うと「自分探し」というワードになっちゃって、どーにもムズムズするけれど、自分ってなんだろうなーってことを、それこそ青春時代からずっと考えていた。
人からこういう人だよねって言われる自分にも、100%しっくりこず。
これまで自分で思っていた自分とも、違うような気がしてきたこの頃。
「自分ってどんな人かを純粋に知りたい」っていうよりも「生きづらさを飼い馴らそうプロジェクト」の一環として「自分」をわかっておきたい。
そろそろ青春を終えて、安心して暮らしたいから、「そろそろどんな人なのか教えてくれないか、私よ」という感じが続いていた。
20年近く、同じところをひとりでぐるぐるしていた感があったからこの本を読んで、自分の中でなにか変わる予感がしたのがとってもうれしい。
読み終わり、考えを巡らして、ちょっとくたびれて、持っていた表紙を見たら。
サブタイトルとして「あしたを生きる手引書」と書いてある。
あぁほんとにそのとおりだー!
そうそう、こっちだよって手を引かれるみたいに、あしたに向かうための元気が出てくるような本だった。
具体的に、考えたあれこれはまた今度。
まとめるのに時間がかかりそうだけど、この本よかった!を取り急ぎ語りたかったのでした。青春自分探し組、わたし以外にもきっといるはず。ぜひ。