不眠症が旅行を乗り切る方法(ホテル編)

薬が必要なレベルの不眠症と自覚して、5年以上。
ふんわり寝つきが悪いなというレベルで言うと、もう15年以上になる。

「夜寝るのが苦手かも」と思い始めたのは中学生のころだ。当時、受験勉強だけで1日を終えるのが耐えきれず、夜布団に入ってから寝るギリギリまで漫画を読むという生活を続けていた。

漫画は面白いので、余計に目が覚める。さすがに遅い時間なので、寝なきゃと思うと眠れない。

そんな負の連鎖から夜更かしが辞められなくなり、授業中あまりに眠いので保健室の先生に相談したこともある。(保健室の先生からは、「櫻井さんでも悩みあるのね〜」と軽く流されて終わってしまった。)

この習慣は高校、大学と進学しても変わらず、いつしか「寝る前になにかしら遊びをしないと眠れない」という自分ルールが強固になってしまった。

俗にいう「リベンジ夜更かし」というやつだ。
昼間、仕事や勉強などで自分の時間を取れなかった人が、睡眠時間を削って自分の時間を取り戻そうと夜更かししてしまう行動を指す言葉で、中国発祥の言葉らしい。はじめて聞いたときは「全国共通!」と謎に嬉しくなった。

社会人になってからは、仕事が忙しくそもそも睡眠時間が取れない中で朝までしっかり眠らなきゃというのがプレッシャーになり、本格的に不眠症が加速してしまう。結果的に、睡眠導入剤に頼らないと全く眠れないほどになってしまった。(今は、フレックスやリモートワークの働き方に変わったことで当時より改善している)

前置きが長くなったが、そんな典型的不眠症の私にとって大敵なのは「旅行」だ。家でもなかなか眠れないのに、いつもと環境が異なるホテルだと睡眠ハードルはますます上がってしまう。

特に、音・光・温度。この3つが気になるとかなり厳しい戦いになる。

音で言えば、ホテルの壁は薄くて隣の部屋の水洗の音がよく聞こえるし、冷蔵庫は電源を入れているとゴトゴトと音が鳴る。

古めのホテルだと謎のミシミシ音も定番だ。ホラー好きの私はすぐに、心霊現象と結びつけてしまうので、興奮と怖さで余計に目が覚める。こうなってしまうと大変だ。

音に関しては自分で解決できないものも多いため、耳栓を持参するのがベストだと思っている。(ちなみに私は耳栓を持っていくが、実際はしないことが多い。耳栓があるという事実で割と満足できる。)

光であるあるなのは、枕元にある電話やカーテンの隙間から漏れてくる明かりが気になって眠れないというもの。これ系は、明かりを遮るものを置くなどして乗り切っている。

あと、ホテルだと特定の明かりのスイッチの場所が分からずてんやわんやしがちだ。(フットライトでよくなる)しかも、どこだどこだと探し回っているうちに、変に目が冴えてしまう。

アイマスクが苦手じゃなければ、アイマスクの持参で一発解決になるかと思う。ただ、光問題は対策でどうにかできる場合が多いため、寝るまでに確認しておければ大丈夫なことが多い。

温度に関して重要なのは、掛け布団とエアコンの温度のバランスだと思う。ホテルの掛け布団が分厚い場合、エアコンの温度をある程度下げないといけない。私は暑いと寝付きが悪くなるタイプなので、布団に入っていないと寒いと感じるくらいの温度設定に調整することが多い。

音・光・温度以外に忘れてはならいのが枕だ。
枕が合わないとこれも辛い。
高くて硬い枕が特に苦手で、そうした枕しかない場合はタオルで枕を自作する。(いつか枕も旅行先に持ち運べるような余裕のある大人になりたいとは思っている。)

他にも睡眠を遮るものの例を挙げれば枚挙がないが、何はともあれ1番大切なのは、事前確認だ。
ホテルについて、みんながダラダラとテレビを見たりお菓子を食べたりしている間に点検する。
寝る直前になってこれをやると、一緒に来た人の睡眠を妨げてしまうかもしれないし、こっちも色々忙しくて全くリラックスできなくなってしまうので、事前にできるのがベストだと思う。


ただ、ここまでいろいろやっても寝れない夜はある。というかその方が多い。
そういう日はもう諦めたと思うことにしている。翌日が最終日ならもう寝不足で駆け抜ければ良いし、まだ旅行が続くなら次の日は眠すぎて多分寝れるはずだ。

経験上、寝れないループに入って落ち込むのが1番残念なので、諦めて外を散歩したり、本を読んだりしてもう寝れない夜を寝なかった夜にしてしまう。(睡眠は努力と正反対なので、諦めると自然な眠気が来る場合もある。そしたらラッキーくらいの気持ちでいる)



ここまで書いて、我ながらめちゃくちゃ神経過敏なやつだなと感じる。
でも、睡眠以外については割とおおらかに人生を歩んできていると思う。本当に睡眠についてだけは気になってしまうことが多いのだ。

いつでもどこでも眠れる人は羨ましいし、自分もそうなりたい。
でも今のところそれは難しそうなので、できることだけして、ダメなら諦めようというスタンスに落ち着いている。
誰かの役に立たないまでも、「あ〜わかる〜」と不眠症の友に共感してもらえたら嬉しい。

睡眠についてちょろっと書こうと思ったら、その熱意からか思いのほか長くなってしまったので、私が旅行において1番警戒している「移動編」はまた別で書こうと思います。(まだ続くんかい)



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