この国にはインクルーシブな支援体制が必要なんじゃないの?
障害児保育園について知りたくて、役場とコンタクトをとった時のtweet
tweetの通り、障害児を中心に通える保育園を作るために役場とコンタクトをとったんですが、
認可保育園について聞くには、普段お世話になっている「障害福祉課」ではなく、「こども未来〇〇」というような部署へ尋ねなければなりませんでした。
そこで現状の医療的ケア児や障害児の支援事情などお話ししましたが、なかなか伝わらず。
それは、
保育所等の窓口→「こども未来〇〇」という部署
障害児などが受けるサービスの窓口→「障害福祉課」
とわかれているため、お互いの制度などはあまりわかってないようです。
アメリカの特別支援体制の報告を見たときも、縦割りでは駄目だよな~となんとなく思っていた違和感が今回もありました。
カテゴライズされた支援体制
子どもたちは、定型発達児or障害児という風にカテゴライズされ、その区分によって支援体制が決まってしまいます。
例えば、保育をうけたいというニーズに対し、定型発達児は保育園、障害児は発達支援センターなどの障害福祉サービスのように。
支援を受ける子どもたちをカテゴライズすることで、支援する側もカテゴライズされてしまっています。
支援する・受ける両者がカテゴライズされることで起こるデメリットは、
①両者の連携がとれない(縦割りになってしまう)
そして、このカテゴライズにうまく当てはまらなかった場合
②グレーゾーンという新たなカテゴライズが生まれる
ことかなと思います。
支援する側のインクルーシブが必要
「インクルーシブ」は「包括的な」という意味を指します。
同じ子どものことならば、支援体制を決める側が包括的に判断できる体制を築くことが必要じゃないのかなと思います。
そうすることで、カテゴライズが生むデメリットも解決の方向に向かうのではないかなと。
そもそも連携しないと包括的な支援ができませんし、連携するということ自体もなくります。
グレーゾーンが生まれることなく、子どもたちに必要な支援を適正な分だけ支援することができるのではないかと思います。
そのためには、支援する側の専門性の向上は不可欠になりますが。
そして、どのような支援を受けれるといった多様な選択肢が必要になってきます。
多様性がある支援のために、多様な選択肢を
今、国はインクルシーブ教育を進めていますが、特別支援教育をインクルーシブ教育へと収束させていくのは逆に多様性がない気がしています。
これはアメリカの特別支援教育の体制ですが、保育園なども同様にこれらのような選択肢があっていいんじゃないかと思います。
地域の保育園に障害児が通うことがあったり、定型発達児と障害児が同数で通う統合保育園があったり、障害児中心の保育園があったり、訪問保育があったり。
数項目から選ぶだけでなく、グラデーションのように支援体制を選べるようなオーダーメイドの支援体制もいいかもしれません。
多様性のある支援の実現には、多様性を選べる多様な選択肢が必要です。
保育園不足といわれるなかで
保育園とは、保育の必要性がある人が受けられるサービスというのが基本です。
そのため、子どもの障がいの有無は関係がありません。
定型発達児のお母さんも、障害児のお母さんも働きたい(働かなければならない)ため、保育園を探していると思います。
お母さんが働くということに子どもの障がいの有無は関係ないんです。
確かに今は保育所不足で待機児童問題もあり、定型発達児も保育を受けれなかったりしています。
子ども・子育て支援新制度になり、障害児支援の充実が図られるようになり、優先的に利用を促すとありますが、実情受け入れ施設がないのも現状としてあります。
福岡の認可保育所の公募要項には延長保育や一時保育と同様に障がい児保育も行うよう勧められています(特別保育事業)。
あくまで特別な保育という位置づけでの障がい児保育のため、保育所不足であるなら尚更障害児の通える保育所は少ないのが現状です。
ん?
ん??
特別な保育という位置づけ。。
やっぱり障害児が保育園に通うというのは特別なこととしてされていますよね、これ。
何度も言いますが、保育を受けるのに子どもの障害の有無は関係ありません。
今は先も述べた通り、子ども・子育て支援新制度ができて、特別保育事業というのは国の支援政策から文言は消えているようですが、
福岡だけでなく他の自治体でもこの文言を使用しているのをみかけるので、”特別”という意識までは変わっていないのでしょう。。
障害の最小単位は子どもではなく家族
障害の有無によって、保育園などの預け先がないために働けなくなったりするだけでなく、様々なことが家族には起こります。
この記事にもある通り、障害というのが社会にあると考えるのならば、障害というのは子どもだけでなく家族(両親、きょうだい児、障害児)に起こるものではないでしょうか。
障害児を支援するということは、同時に家族を支援することも考慮しないといけません。
グレーゾーンというカテゴリーに入ってしまった場合、どういう支援を受けたらいいかなど、家族だけできめていかないといけないというケースもあるようです。
様々な障害支援について議論されてきていますが、その障害の最小単位は家族であることを大切にしていきたいです。
まとめ
・子どもに必要な支援を包括的に選定できる支援体制が必要
・そのためにも多様な選択肢を作る
・保育を受けれる条件は障害の有無は関係ない
・障害児支援でなく、障害をもつ家族支援という視点