しばしば悪者扱いされるココナッツオイル、果たして本当にそうなのか?
ココナッツオイルはしばしば、飽和脂肪酸の割合が多いことからCHD(冠状脈性心疾患)と関連づけされることがあります。
しかし研究のデータによるとココナッツオイルに含まれる飽和脂肪酸は、CHD(冠状脈性心疾患)を引き起こすリスクに直接的な関係はないとしています。
飽和脂肪酸の摂取がCHDを引き起こすとすれば、高糖質と高脂質の組み合わせや、過剰なオメガ6系脂肪酸、トランス脂肪酸、酸化した油脂といった悪性脂質を多く含む食生活を送っている場合です。
ですのでココナッツオイルそのものは身体に悪くない、むしろいいのです。
むしろ良い、と言う理由は主に二つ。
ラウリン酸
ココナッツオイルの70%がMCT(中鎖脂肪酸)で、その50%をランリン酸という脂肪酸が占めています。ラウリン酸は体内でモノラウリンに変化し、抗菌作用(特にブドウ球菌を殺す)やウイルスの排除、免疫力の向上といった働きが期待できます。
またHDLコレステロールの増加、抗酸化作用、がん予防(特に乳癌、結腸癌)といった健康効果も確認されています。
残りの20%は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸ですが、簡単に言うとこれらは急速なエネルギー供給源になります。
これらのMCTは他の脂肪酸とは代謝過程が異なり、吸収されたのち肝臓へ運ばれ代謝されます。そのときにケトン体(アセトン、アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸の総称)が産生されるのですがケトン体は筋肉や脳のエネルギーになります。※アセトンは除く
中でも、βヒドロキシ酪酸の力はエネルギー源であることにとどまりません。アルツハイマーやパーキンソン病の予防改善も確認されています。さらに炎症を抑えたり、酸化ストレスから細胞を守ったり、DNAを修復したりと細胞、遺伝子レベルで後天的に健康な細胞へシフトしてくれるのです。
MCTの摂取以外でも体脂肪が燃焼した時や低糖質食、ファスティングを行ったときなどケトン体は日常的に作られてはいます。ですがMCTを摂取することによってケトン体の生成を促進することができるわけです。そのMCTが多く含まれているのがココナッツオイル、というわけでココナッツオイルが体に良いとされる大きな理由はケトン体を産生しやすいということが大きいでしょう。
まとめ
・ココナッツオイルの飽和脂肪酸そのものは悪ではない。
・ラウリン酸
・急速なケトン体供給(カプロン酸、カプリン酸、カプリル酸)