Shuma Sasaki

栄養やトレーニング科学について学んでいます。文献から得た情報、僕自身の経験や実践してい…

Shuma Sasaki

栄養やトレーニング科学について学んでいます。文献から得た情報、僕自身の経験や実践していることのアウトプットの場としてNOTEを利用しています。

最近の記事

癌に対抗できるEGCG「緑茶の強み」

緑茶に含まれる成分で、カテキンというものが存在していることは世間一般的に認知知られていると思います。カテキンにもさまざま種類があります。中でも緑茶に多く存在するのが、今回のテーマであるEGCG(Epigallocatechin-3-gallate)です。 EGCGと癌細胞の壊死、成長抑制の関係について紹介します。 この記事では詳しく触れませんが、EGCGには今回触れる癌細胞に対抗する力があること以外にもさまざまな健康効果があります。 ・肥満予防 ・糖尿病予防 ・虫歯予防

    • 卵(卵黄)を食べるメリット。黄斑変性や白内障の予防

      卵黄に含まれるカロテノイドに、ゼアキサンチンとルテインというものがあります。これは食材の黄色っぽさや赤っぽさといった色素の理由にもなる化学物質です。卵黄の他にも海老やサーモン、アボカドなどにも含まれます。 ルテインやゼアキサンチンは眼(網膜の黄斑部や水晶体)に多く存在する物質です。このことからこれらのカロテノイドは、黄斑部の変性や水晶体に関わる病気の予防を助けてくれます。特に黄斑部において加齢とともにリスクが高まるAMD:age-related macular degene

      • 中鎖脂肪酸(MCTs:medium chain triglycerides)のBENEFITs & 豊富なもの

        中鎖脂肪酸とは脂肪酸の種類の一つ。そして、結合している炭素の数によってC6、C8、C10、C12に分類されます。それぞれカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸という名前がありますが、中鎖脂肪酸の特徴とはどのようなものなのでしょうか。 まず、中鎖脂肪酸はその結合する炭素の数の少なさから、長鎖脂肪酸に比べて消化吸収の速度が速く、ケトン体が産生されやすいという特徴があります。消化吸収の速さはその過程で胆汁酸やカルニチンが不要であることも理由です。 特にC8:カプリル酸と

        • 「ビタミンB1欠乏症を疑おう」普段から不安や心配事、何かに恐怖するといった感情に駆られる人へ

          生活の中で、何かに対して極端に不安感や恐怖感を抱いたり、必要以上に心配事を持ってしまう人、パラノイヤ、閉所恐怖症といった症状が出てしまう人は、あるビタミンの欠乏が一つの要因になっている可能性があります。 ※パラノイヤ…偏執病とも言い、簡潔にすると常に自分という存在が周りから批判されているのではないかとパニックに陥るような症状。 それはビタミンB1(チアミン)です。 ビタミンB1が欠乏してしまうと体の部分によって正しく機能しなくなってしまうところが存在します。中でも、側頭葉

        癌に対抗できるEGCG「緑茶の強み」

        • 卵(卵黄)を食べるメリット。黄斑変性や白内障の予防

        • 中鎖脂肪酸(MCTs:medium chain triglycerides)のBENEFITs & 豊富なもの

        • 「ビタミンB1欠乏症を疑おう」普段から不安や心配事、何かに恐怖するといった感情に駆られる人へ

          ビタミンの中で、皮膚にとって重要度の高いものは?

           皮膚にとって大切なビタミンは何かと問われた際、多くの人はビタミンC(アスコルビン酸)、※ビタミンE、を思い浮かべるのではないでしょうか。もちろんそれら二つのビタミンは美しく健康な肌の形成に重要ではありますが、より不足してはいけないビタミンがあります。 ※ビタミンEはα-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノールのそ総称です。  それがビタミンB3(ナイア

          ビタミンの中で、皮膚にとって重要度の高いものは?

          細胞内のcAMPを増加させ、脂肪燃焼効率を高める。cAMPを増加させ、体脂肪を落としやすくする成分の紹介

          タイトルにもあるcAMPとはcyclic adenosine monophosphate:環状アデノシン一リン酸のことです。  これは細胞内でセカンドメッセンジャーとして機能します。グルカゴンやアドレナリンといった脂肪燃焼に関わるホルモンはファーストメッセンジャーであり、細胞外から細胞の受容体に対して働きかけます。  これに対してセカンドメッセンジャーは、ファーストメッセンジャーの情報を細胞が受け取った後、その情報を細胞内で伝達し実際に代謝に影響を与えるための二次的に形成さ

          細胞内のcAMPを増加させ、脂肪燃焼効率を高める。cAMPを増加させ、体脂肪を落としやすくする成分の紹介

          痩せたいならリンゴ酢を飲まない手は無い‼︎

          リンゴ酢の摂取により体脂肪が燃焼しやすくなる理由はいくつか考えられますが、今回は二つ紹介したいと思います。 リンゴ酢の酢酸は肝臓においてアセチルCOA(co-enzyme:補酵素A)に変換されます。 ここで重要なのは アセチルCOAではなく、この変換プロセスにエネルギーを多く使うということ。 「摂取エネルギー<消費エネルギー」 という状況を容易に作り出すことが可能なのです。 対外からエネルギーを摂らない場合、貯蔵のエネルギーを使うよう体はシフトします。貯蔵エネルギーとは

          痩せたいならリンゴ酢を飲まない手は無い‼︎

          糖質への感受性を高めるテクニック②ファスティング(断食)

          ①の続き ファスティング(断食)はアディポネクチンを増加させます。アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるタンパク質です。そしてインスリン感受性を高めます。また、インスリン感受性に関わらず糖を細胞に取り込む役割を持つGLUT4(glucose transporter type 4)を発現させ、グルコースの細胞への取り込みを促進します。 さらに脂肪の燃焼の亢進、AMPK(adenosine monophosphate activated protein kinase: AMP

          糖質への感受性を高めるテクニック②ファスティング(断食)

          糖質への感受性を高めるテクニック①ファスティング

          ファスティング ファスティングを定期的に行うことで、TMP3(tropomyosin alpha-3 chain)というタンパク質が増加します。TMP3は筋収縮の調節において重要な役割を担っていますが、インスリン感受性を高める働きも期待できます。なぜならTMP3は血糖値の恒常性維持にも関わっているからです。正常な血糖値を保とうとする機能が適切に働くことで、食べすぎた糖質を出来る限り細胞に取り込み血糖値を元に戻そうとするというわけです。こうして早急に細胞にグルコースを取り込み

          糖質への感受性を高めるテクニック①ファスティング

          サプリメントの組み合わせpart1

          ①ビタミンCと非ヘム鉄 非ヘム鉄は植物に多く存在する鉄ですが、肉や魚に豊富なヘム鉄に比べ吸収率が悪いです。ヘム鉄が10~30%の吸収率に比べ、非ヘム鉄は1~5%。ヘム鉄はポルフィリン環というピロールが4つ結合し環状構造を作った化合物に囲まれるように存在するため吸収されやすいのに対して、非ヘム鉄はむき出し状態。吸収されにくく、胃や腸壁を傷つけるリスクもあります。 また鉄は過剰摂取によって有害となります。特にLDLコレステロールを酸化させ、動脈硬化を引き起こす可能性を高めます

          サプリメントの組み合わせpart1

          暴飲暴食のお供「サプリメンテーション③シナモン」

          シナモン お菓子やカレーにはよく馴染みのあるスパイスの一つですが、食べすぎや後のケアに実は利用できるのです。 シナモンに含まれる成分で、メチルヒドロキシチャルコンポリマーというものがあります。これはインスリンのように体内で働きます。暴飲暴食の後には急激な血糖値上昇、インスリンの大量分泌が促されます。しかし食事と一緒にシナモンを数グラム摂ることでメチルヒドロキシチャルコンポリマーが細胞への糖の取り込みをサポートし、インスリンの急激かつ大量分泌を抑制することができます。 インスリ

          暴飲暴食のお供「サプリメンテーション③シナモン」

          暴飲暴食のお供「サプリメンテーション②アスタキサンチン」

          アスタキサンチン アスタキサンチンとはサーモンやザリガニの様に赤やピンクがかった生体に含まれる色素物質(カロテノイド)の一つです。 アスタキサンチンは細胞の糖の取り込みを担うGLUT4(glucose transporter type 4)を増加させます。暴飲暴食ということは通常の食生活以上に糖質を摂ってしまっているでしょうから、グルコースの細胞への取り込みは増強するべきなのです。 また、アスタキサンチンはPGC1α(Peroxisome proliferator-ac

          暴飲暴食のお供「サプリメンテーション②アスタキサンチン」

          暴飲暴食のお供「サプリメンテーション①クロム」

          クロム(クロミウム) クロムは、糖の取り込み屋GLUT4(glucose transporter type 4)を増加させます。 メカニズムに入る前に要点だけ書くと、 クロムはGLUT4を増やし、血中のブドウ糖を細胞へ取り込む作用を増強する。このことを抑えるだけでいいと思います。 クロムは小腸から吸収され、肝臓に運ばれます。クロムはクロムデュリンというオリゴペプチドになり、インスリンの作用を高め、GLUT4の発現を促します。 インスリンが糖を細胞に取り込むメカニズムを一

          暴飲暴食のお供「サプリメンテーション①クロム」

          健康な目を保つための栄養素

          目の健康を維持する上で欠けてはならない栄養素とは? ・カロテノイド(ルテイン、ゼアチサンチン) ・ビタミンA ・亜鉛 ・ビタミンB1 ・ビタミンB3 ・ビタミンB2 ・ビタミンD3 これらが欠けることにどんなリスクがあるのか、どんな症状が引き起こされるのか。 ビタミンA 暗いところが見えづらくなる、目の渇き、白内障、黄斑の変性等 ビタミンB1 白内障、網膜症等 ビタミンB2 白内障、黄斑の変性等 ビタミンB3 緑内障 亜鉛 ビタミンAが働くために必要。不足すると

          健康な目を保つための栄養素

          安静時のエネルギー消費(特に睡眠中)を高める方法「寝ている時の脂肪燃焼を高める」

          MCTs(中鎖脂肪酸) MCTオイルを摂取(1日を通して15~30ml)することで、安静時のエネルギー消費量が約5%高まったというデータがあります。これはカテコールアミン(アドレナリンやノルアドレナリン)が活性化することや、MCTsの消化吸収がとても早いことによるDIT(食事誘発性熱生産)の高まりが関係しているとのこと。 カイエンペッパー(唐辛子) 唐辛子に含まれるカプサイシンはβアドレナリン受容体とカテコールアミンの結合を促進します。言い換えると、カテコールアミンがよく働

          安静時のエネルギー消費(特に睡眠中)を高める方法「寝ている時の脂肪燃焼を高める」

          イワシの水煮缶を食べよう!「脳、目、骨、筋肉、その他食べるメリットが盛り沢山)

          -オメガ3脂肪(EPA+DHA)- 脳、網膜、神経系、細胞膜、ホルモンの合成、筋タンパク合成活性化、抗炎症、脂肪合成の抑制、筋グリコーゲンの蓄積作用、エイコサノイド等 -ビタミンD3(コレカルシフェロール)- カルシウムの吸収、レプチンの働きを高める他、抗炎症作用、抗ストレス、悪性エストロゲン(16-ヒドロキシエストロゲン)の抑制など -ビタミンB12- ミエリン形成、赤血球の合成 -亜鉛/セレニウム/カルシウム/リン- 骨の強化、甲状腺ホルモンの合成+T4(サイロキシ

          イワシの水煮缶を食べよう!「脳、目、骨、筋肉、その他食べるメリットが盛り沢山)