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思い出のつくりかたも

何やかんやが重なりつつで、特に何処かへ出掛けることもなかった三連休。ゆっくりできたのは良かったのかしら。こんなときこそ備忘が大事であるから、気儘に記していくです。

嵐山文華館の企画展〈ふぁん・ファン・FUN ~扇子いいね〉へ。近代日本の名だたる画家の手掛けた扇面はもとより、扇子を手にした美人画なぞも見応え十分。

菊池契月《京都画壇名家団扇十二幅対》
北野恒冨《花》
竹内栖鳳《野雀》
上村松園《春風》

初夏にでも観ていれば、また気分も違ったのであろう。が、図柄には一概に"夏"というわけでなく、四季それぞれが散りばめられているのが愉しい。何故だろうか、淡い色遣いには心を清められる感がある。

四条烏丸はdddギャラリーの〈ソール・スタインバーグ シニカルな現実世界の変換の試み〉も。その造形と表現の饒舌に、こちらも応えるように作品へとのめり込む。堅苦しくならず、至って軽快なのが好い。

会場
公式サイトより リンク

アップリンクでは『悪魔の追跡(1975)』のデジタルリマスター版を。B級映画の"奇跡"とも称されるそうで、田舎への恐怖が純度100%で表現されていた本作。カルト集団の儀式や人々の不穏さ、気味悪さも結構であるが、本作を奇跡たらしめるのが本格カーアクションであろう。

© 1975 Twentieth Century Fox Film Corporation. Renewed 2003 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
© 1975 Twentieth Century Fox Film Corporation. Renewed 2003 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
© 1975 Twentieth Century Fox Film Corporation. Renewed 2003 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

景気のいいクラッシュ或いは爆破炎上は最早爽快アクション映画と見紛うほど。その辺、『マリグナント(2021)』に似ている。ラストを思い返してみても、絵面への拘りを多分に見せつけられる、そんな作品であった。

それからそれからで五木寛之の『恋歌(1968)』を。男女双方の視点とも、綺麗事に浸らず極端な破滅でもなく、といった緻密でいて血の流れた人物描写。描かれるのは題目のもうひとつ先一一 そう、"愛"に違いないであろう。

戦時中の傷跡や世代間に隔たる壁。その社会の一部分を切り取った描写、その画角の面白さと合理的な連なり。なるほど物語作家である。多少諄い部分があったことは否めないが。

日付、変わってしまった、、、

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