とりとめなき22
この間、風鈴を買ったのだけれど、この気温であるから冷房はつけっぱなしで、外から風が入ってくる余地はある筈もなく。そんな具合でなかなか綺麗な音を拝む機会がござらん。月夜の提灯とはこのことであろう。
とまあ、文明と伝統文化の両立の難しきを実感するのであるが、斯くの如き麗しの一品を「無用の長物」と一刀に伏すのは誰しも気が引けよう。かといって身体と家計への負担も慎みたい。殊に今日のような好い風が吹いている日には、そんな苦悩に苛まれるものである。
岡崎は〈KYOTO COLLECTION〉なるイベントでいつもとはまた違った盛況具合。野外ステージのミュージックに合わせ、自ずと足がリズムを刻む。少し調べてみるとシアター内では〈和装美人コンテスト〉が催されているらしい。和装美人万歳!!!
ロビーに熱視線を飛ばしてみるが硝子の反射がどうにも凄まじい。つれないなぁ。意地悪い風に小突かれて、煙草の灰が舞い上がった。こんなことなら美人の本でも持ってくりゃよかったと、自宅に眠る装丁を思い浮かべつつ。取り敢えずいつものソファに身を委ねて一一一
井伏鱒二の作品を幾つか読んだ。中でも『川』という作品。その語りになんだか掴み辛く、それでいて馴染み深い手触りと独特の旨味をも感じた。とにかく人がよく死んでいた。J-Stageで見付けた、当該作品に関する熊谷孝氏の資料も面白かった。それくらい。
そう、昨夜観ていた『チャーリング・クロス街84番地(1986)』という映画、途中で寝てしまったけれど、個人的に好みの類いであったから、備忘程度に。基本的にズボラな私、中断した映画を翌日なぞに見直す例は割と稀なのだ...
ニューヨークの脚本家とロンドンの古書店員の文通のお話で、後者を演じるアンソニー・ホプキンスが、若い(なんやそれ)。古本に前の持ち主の痕跡があると嬉しいの、分かる。アナログなやり取りに体温が籠るのもまた然り。
こんなところで、あとは週末の断片を。
明日から数日働けばお盆休みである。片付けナイトが沢山だ...
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?