雀よ

電線を止まり木にして
ぎりぎりの五線紙の空
休止しているのに
雀よ進めと
ミニマムに揺らされる
G線上でおどけたつもりが
B戦場から踊らされてる
進めよ進め
繰り返される過ちよ
同じ振り付け共鳴しあい
同調圧力招集されるぞ
知らないうちに濁点落とし
舌きり進めと言われる前に
それならもっと高く
雲雀になって逃げてやる

螺旋上に逃げてやる
退行と成長の間を
前進と後退の揺らぎ
防衛と闘争を経て
曖昧な線上のアリア
あやふやの上をゆく雲雀になる
ぶれてビブラートで囀る
グラデーションを感じて

その土地に根付いている
大木を寝床路として
あちらを啄み
こちらを啄み
一体何をしたいのだか
空高く彷徨うことがしんどくなります
降りたいのに定まらない
疾風怒濤の時の流れに流されながら
定めなくてはなりません
決めなくてはなりません
雀の哲学鳴らすため
雲雀になれない雀の人生
全うするため