「すずめの戸締まり」透き通る水色
すずめの戸締まり。見てきました。
実は公開週の日曜日に見にいって、ぼちぼちこれを
書きながら平日にもう一回見に行きました。笑
新海監督の映画は、天気の子が一番好きで、もともと
雨が凄く好きっていうのもあるけど。
内容は一旦置いておいて、何よりも映像がずっと見ていたいくらい
素敵なもので、動く絵画を見ている気持ちになる。
言の葉の庭とかも凄く好き。
だから、たとえすずめの戸締まりの内容が
周りから酷評されるようなものであっても、私的にはあの映像美を
２時間見ていられることの方が幸せだった。
そんな内容だけど、災いをもたらす扉を閉めて回るお話で。
ロードムービーになっていて、今までの作品の感じとは
少し違ったし、ファンタジー感の強いものになっていたけど
個人的には大満足。
地震とか、災害の描写が多くあって、震災のことを
思い出させるような内容だったから、少しみる人は選ぶかもしれない。
少しネタバレになるかもしれないから、これからみるよ、って人は
見てからこれを読んでね。
まずは何よりも絵がすごく綺麗だった。
でも、天気の子とかに比べると、背景が少しぼやけてる感じがして
登場人物がより際立ってる感じがしたし、旅をしてきて東京に
なってからはビルとかがより鮮明だった気がする。
背景が細かすぎないのも、目が疲れなくて良いなって思った。
でも何より水面の輝きとか、太陽の光で地面が揺らめく感じとか
細かいところが相変わらず綺麗で、額縁に入れて飾りたいくらいだった。
草太さんと出会って、すずめが一緒に旅をして。
「死ぬのが怖くないのか」
っていう問いに、なんの躊躇もなく「怖くない」って
答えるすずめのところは、その後のおじいさんからの
問いにも繋がるものがあって。
「怖くない、草太さんがいない世界の方が怖い」
「生きるか死ぬかなんて運みたいなものだと思ってた」
なんだかこれがすごく腑に落ちて。
自分が死ぬのなんて怖くないけど、他の誰かが、大事な人が
いない世界で自分だけ生きている方が怖い。
すずめは小さい頃のあの日から、こんな事を
思って生きてたのかなずっと、って少し考えると胸が痛かった。
でもそれはすずめが生きてるから思える事なんだよな、って。
ラストの草太さんが「かけまくもかしかしこき〜」って
言い出すところ、少しセリフ忘れちゃったんだけど
命が仮初だとは知っています。
死が常に隣にあるとわかっています。
それでも今一年、今一日、今もう一時だけでも
私たちは永らえたい
このセリフが心に残ってて。
それと同時に３月のあの日、行ってきます、と行って
出ていった人の中でどれだけの人が「ただいま」と言えたのだろうか
いってらっしゃいと見送った人はちゃんと「おかえり」を
いうことができたのだろうか。
あの日私は東北じゃない遠くからその光景をテレビで
見ていたけど、もしあれが自分の住んでいる町で起こったなら
私は何ができるんだろうか。
前に進むことも大事だけど、それと同時に起こった出来事を
忘れず覚えている事も大事なんじゃないか。
そんないろんな思いが溢れてきて気づいたら泣いてた。
声優さんに関しては、新海さん人気の声優さんとかほとんど
メインで使わないから今回もどうなんだろう、って
思ってたけど、原さんも北斗くんも、声優初挑戦なのに
ちゃんとキャラが生きてて聞いててすごく心地よかった。
北斗くんSixTONESだから、ってちらほら言われてるの
見たけど、新海さんが大勢の中から子供を見つけるようなものだ
って言ってるの聞いて、見つかるべくして選ばれたんだな
って思うと嬉しかったな。
なんと言っても原さんが本当に上手くて、ちゃんとすずめだったなあ。
神木くんの芹澤くんは正直ずるい、としか言えないくら
はちゃめちゃに良い男だった！！笑
題材が難しいだけに、色々言われるかもしれないけ。
でも、パンフレットでも新海さんが言ってたけど
『起きた出来事を物語の形にして考えて、なんとか整理をして
前だか後ろだかに少しづつ進んで行く』
絶望のお話にするんじゃなくて、少しでも
希望へと向かっていくためにあるんだな、と。
ダイジンに関しては、予告とは打って変わって
物語終盤になればなるほど可愛くて可愛くて仕方ないけど
全てひっくるめて、神の気まぐれだと思うことにした。笑
かわいそうなところもあるけど、無邪気な子のような面もあるけど
それでもやっぱり自然に起こる現象は私たちの思いが
及ばない所なんだな、と思うようにした。
多分、もう少し経ったら、私は３回目を見にいくし
きっと予告を見て４回目を見にいく。
そしてきっとDVDも買うとおもう。
そのくらい心に残ったし、今を過ごせてることを
少しでも大切にしようと思った映画だった。
そういえば、 Spotifyとかサントラ買った人は
どの劇中曲が好きか聴きたいな。
良い場面じゃないけど、個人的に好きなのは
『東京上空』かな、あのシーンと相まって
不気味で、身体の深いとこから怯えがくるような曲が
なんだかソワソワして一番残ってる。
はーーー、もう見に行きたい！