自己啓発:今までと、これから。
今までの自己啓発は、「努力すればなりたいものになれる」という世界観でした。 でも、これが進化心理学や行動遺伝学の発展によって徐々に嘘だとわかってきた。 マイケル・サンデルの『実力も運のうち』とか、橘玲や安藤寿康の書籍とか、 それから「境界知能」を扱った本などによって、人生の成功・失敗には「遺伝の影響があるよ」ということが広く知られるようになりました。
ただ、人間社会では綺麗事が優勢ですので、一般に受け入れられるかといえば、そうではないんですね。やっぱり人は「何にでもなれる」って思いたいんですね。そうしないと自分を保てないからです。
これまでの教育は、遺伝的なものを認めずに環境決定論(環境次第で人は変わる)でした。教育・環境を整えれば誰しもプロになれる、世界で戦える人になれるみたいな世界観だったんですよ。 今の自己啓発業界も9割これです。環境決定論が優勢です。「やればできる」っていう発想です。この考えが多くの人の人生を食いつぶしているんですね。
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