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【第22回】 "聖書"のマンダラ宇宙

これまで仏教系のお話しが続きましたので、今回は、少し雰囲気を変えて、"聖書"(バイブル)にチャレンジしてみたいと思います。

実は、この「聖書」コトバの宇宙(マンダラ宇宙)とも深い深いつながりがあるんです。

ヨハネによる福音書 1章
1節 初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。
2節 この言は、初めに神と共にあった。
3節 万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。
4節 言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。
5節 光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。

Wikipedia

これは、「はじめに言葉ありき」で有名な新約聖書「ヨハネによる福音書」の第1章です。

また、日本の旧約聖書研究の第一人者であり、牧師でもあった浅野順一氏は著書の中でこう述べてます。

ことばの宗教
旧約はむろんのこと、新約においても、聖書の宗教は「ことばの宗教」であります。聖書においてことばは、非常に大事な意味をもっています。
旧約聖書の「創世記」の一番最初のところに、
「神は『光あれ』と言われた。すると光があった」
とあります。「光あれ」ー命令ですね。つまりことばです。しいていうと、この天地は神のことばによってつくられたということになります。

「旧約聖書を語る」浅野純一(NHKブックス)

前置きはこれくらいにして、今回はこんな感じで、マンダラ宇宙(コトバの宇宙)"聖書"との関係をさぐってみたいと思います。

お約束:コトバの宇宙の法則

と、その前に、いつものお約束、このマンダラ宇宙の法則を、みなさんと一緒に確認しておきましょう。

[ 法則① ]
マンダラ宇宙のコトバは「意味 = 対象 = 事物」を"一体"として表現する。
[ 法則② ]
マンダラ宇宙のコトバは「字音 ∈ 単語 ∈ 文」の構造をもって表現される。

コトバの宇宙の2大法則

1. 題材を選ぶ

一言で"聖書"といっても、いろんな?聖書がありますよね。文量もこれまで扱ってきた題材とは比べものにならないくらい、たくさんありそうだし。

聖書(せいしょ、Holy bible)とは、キリスト教、ユダヤ教で教典、正典とされる書物。イスラム教でも教典とされている。

Wikipedia[聖書]

そこで、今回はこの銀河まんだら村のコンセプトでもある"宇宙""銀河"につながりそうな一節を聖書の中からピックアップしてみたいと思います。

そんな都合の良い一節があるのかなと、思いきや、あるんです。
こちらです。

創世記/Genesis 15章 
5. そして主は彼を外に連れ出して言われた、「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみなさい」。また彼に言われた、「あなたの子孫はあのようになるでしょう」。
Then the LORD took Abram outside and said to him, “Look up into the sky and count the stars if you can. That’s how many descendants you will have!”

旧約聖書 創世記15章5節 Genesis 15:5

今回は、英語のお勉強も一緒にやってみましょう。
以下のサイトには、聖書の各節ごとに英訳のバリエーションがたくさん併記されていますので、それぞれの英文や単語のニュアンスを比較してみるのもよいでしょう。中学校レベルの英語ですが、小学生のおともだちも頑張ってついてきてください!

また、こちらの動画も参考にして、この章で描かれているシーンや情景をイメージしてみてください。

2. "文"を"単語"と"字音"に分けてみる

では、これまでと同様に、以下のコトバの法則に従って、この"文"(節)を"単語""字音"に分けて、さらに、"単語"「動詞」「名詞」(名詞句)の2つに分類してみましょう。

コトバの宇宙の法則②:  コトバがもつ構造
「字音 ∈ 単語 ∈ 文」

[日本語訳]
5. そして主は彼を外に連れ出し言われた、「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみなさい」。また彼に言われた、「あなたの子孫はあのようになるでしょう」。
[New Living Translation]
Then the LORD took Abram outside and said to him, “Look up into the sky and count the stars if you can. That’s how many descendants you will have!” 
[English Standard Version]
And he brought him outside and said, “Look toward heaven, and number the stars, if you are able to number them.” Then he said to him, “So shall your offspring be.”

動詞:[だれが]
[主]外に連れ出した(took … outside / brought … outside)
[主]言われた(said)
[彼]仰いで(look up into / look toword)
[彼]数える(count / number)
[子孫]なるでしょう(will have! / shall be)
名詞: 
主(the LORD / he)
彼/アブラム(he / Abram)
天(the sky / heaven)
星(the stars)
子孫(descendants / offspring)
あの(星の数)ように(that’s how many / So)

"字音"については、先程の参考サイトに日本語、英語ともに音声が入っていますのでそちらをじっくりお聞きください。このくらいの文であれば30回くらい唱えれば暗唱できるはず。頑張って!

3. "文"に示される"行為"の関係を明らかにする

「行為のマンダラ」(Action MANDALA) 要素配置図
コトバの宇宙で遊ぶための道具

では、今回も上図の配置に合わせて「行為のマンダラ」(Action MANDALA)をつくってみましょう。

「だれが」

今回も"動詞"を選ぶ前に、まずは、行為の主体となる「だれが/Who」を決めたほうがよさそうですね。

この"文"(節)に登場する人物は、"主(the LORD )""アブラム(Abram)"のどちらかですね。
まず、この二人のプロファイリング(素性調査)をしてみましょう。

主(the LORD)
これは、いわゆる”神様/God"ことなのですが、この言葉こそ「意味=対象=事物」"一体"として捉えることが最も難しいコトバの一つでしょうね。
今回の題材が、旧約聖書の「創世記/Genesis」なので、まずは、"万物宇宙の創造主"という感じで捉えておきましょう。
ちなみに、この旧約聖書が書かれたのは紀元前なので、まだイエス・キリスト/Jesus Christusは誕生していません(もちろん、キリスト教はまだありません)ので、ここでは、キリスト様の話はなるべく挟まないようにしておきましょう。新約聖書のお話しは、また別の記事で。

アブラム(Abram)
あれ? アブラハム(英語読みでは、Abraham/エイブラハム)なのでは?
いいところに気が付きましたね。
実は、アブラム(Abram)はあるときを境に、アブラム(Abram)からアブラハム(Abraham)に改名しているんです(させられている)。このとき、アブラムに何が起こったのか。

創世記/Genesis 17章 
5. あなたは、もはやアブラムではなく、アブラハムと名乗りなさい。あなたを多くの国民の父とするからである。
No longer will you be called Abram; your name will be Abraham, for I have made you a father of many nations.

旧約聖書 創世記17章5節 Genesis 17:5

この「ハ」一文字/一音が入っただけで、アブラムは大変身するわけですね。
ここにも、コトバの宇宙の法則「字音 ∈ 単語 ∈ 文」「意味=対象=事物」)がしっかりと組み込まれているのがわかります。
さすがは、「ことばの宗教」

さて、この「ハ」(ヘブライ語「へー」( ה ))にはどんな意味が込められているのでしょう。

これはみなさんの宿題にしておきましょう。ヘブライ語はわからないので。

では、この創世記/Genesisに描かれているアブラムとは、どんな人物だったのでしょうか。その特徴をネットの情報からまとめています。

・ユダヤ教・キリスト教・イスラム教を信仰する「啓典の民」の始祖。
・ノアの洪水後、神による人類救済の出発点として選ばれ祝福された最初の預言者。
・「信仰の父」とも呼ばれる。
・ノア(ヌーフ)、モーセ(ムーサー)、イエス(イーサー)、ムハンマドと共に五大預言者のうちの一人とされる。
・旧約聖書冒頭の創世記の12章から25章にかけて、大洪水やノアの箱舟の物語とバベルの塔の話のあとに描かれている。
・アブラハムは伝説と歴史の間に生きている。
・アブラムは父テラの死後、神から啓示を受け、それに従って、妻サライ、甥ロト、およびハランで加えた人々とともに約束の地カナン(現在のパレスチナ)へ旅立った(アブラム75歳)。
・彼は老齢になっても嫡子(ちゃくし)に恵まれなかった。
・その後妻のサライの勧めで彼女の奴隷であったハガルを妾(めかけ)にして76歳にしてイシュマエルを授かる。
・老妻サラ(サライ)との間に100歳になって嫡子イサク(イツハク)を授る。
・ 妻サラは127年の生涯を閉じた(アブラム137歳)。
・アブラハムは175歳で世を去る。

Wikipedia[アブラハム]より抜粋

100歳で子どもをつくって、175歳まで生きた"アブラム"、タダモノじゃないですね。

というわけで、今回の「行為のマンダラ」(Action MANDALA)の主体「だれが/Who」"アブラム/Abram"に決定です!

「なにを」「する」

それでは、"アブラム/Abram"はこの"文"(節)の中で何をしたのでしょうか?

文中に登場する行為の"動詞"は以下の5つですが、
①外に連れ出した(took … outside / brought … outside)
②言われた(said)
③仰いで(look up into / look toword)
④数える(count / number)
⑤なるでしょう(will have! / shall be)
これらのうち、"アブラム/Abram"の行為(動詞)となるのは、
仰いで(look up into / look toword)
数える(count / number)
この2つの"動詞"が鍵になりそうですね。

それでは、"アブラム/Abram"は、何を仰いで(look up into / look toword)、数える(count / number)のでしょうか?
答えは簡単ですね。
(the sky / heaven)を仰いで(look up into / look toword)
(the stars)を数える(count / number)
です。

そうすると、"仰いで数える"となりますので、この文(複文)を「なにを」「する」に分けて、こんな感じで「行為のマンダラ」(Action MANDALA)を構成することにしましょう。

「どうやって」「だれと」

では、どうやって、アブラム(Abram)"天の星を仰ぎ、数えた"のでしょうか?
オリジナルの"文"から少し想像してみましょう。

5. そして主は彼を外に連れ出して言われた、「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみなさい」。また彼に言われた、「あなたの子孫はあのようになるでしょう」。
Then the LORD took Abram outside and said to him, “Look up into the sky and count the stars if you can. That’s how many descendants you will have!”

旧約聖書 創世記15章5節 Genesis 15:5

どうやら、アブラムは自分の意志天を仰いで星を数えたかったわけではないようです。

記述には、アブラムは、主(the LORD)によって"外に連れ出された"と書かれています。
では、アブラムはどこからなぜ連れ出されたのでしょうか?

その経緯はこの節だけでは具体的にイメージができないので、ここで、そこ(この節)までの話しの流れを確認してみましょう。
以下が本題の5節に至るまでの部分(1節~4節)です。

創世記 第5章
1. それらの事の後、主の言葉が幻のうちにアブラムに臨んだ、「アブラムよ恐れてはならない、わたしはあなたの盾である。あなたの受ける報いは、はなはだ大きいであろう」。
After this, the word of the LORD came to Abram in a vision: “Do not be afraid, Abram. I am your shield, your very great reward.”

2アブラムは言った、「主なる神よ、わたしには子がなく、わたしの家を継ぐ者はダマスコのエリエゼルであるのに、あなたはわたしに何をくださろうとするのですか」。
But Abram said, “Sovereign LORD, what can you give me since I remain childless and the one who will inherit my estate is Eliezer of Damascus?”

3. アブラムはまた言った、「あなたはわたしに子を賜わらないので、わたしの家に生れたしもべが、あとつぎとなるでしょう」。
And Abram said, “You have given me no children; so a servant in my household will be my heir.”

4. この時、主の言葉が彼に臨んだ、「この者はあなたのあとつぎとなるべきではありません。あなたの身から出る者があとつぎとなるべきです」。
Then the word of the LORD came to him: “This man will not be your heir, but a son who is your own flesh and blood will be your heir.”

旧約聖書 創世記15章1節~5節 Genesis 15:1-5

これらの節からも「単語」を拾い出して、この一連の場面の"ストーリー""情景"をできるだけ正確かつ克明に捉えてみましょう。
手間を惜しまずやってみよう!

1.
動詞: 臨んだ(came to Abram)、恐れてはならない(Do not be afraid)
名詞: それらの事の後(After this), 主の言葉(the word of the LORD), 幻のうち(in a vision), アブラム(Abram), わたし(the LORD), あなたの盾(your shield), あなたの受ける報い(your reward), はなはだ大きい(very great)
2.

動詞: 言った(Abram said), わたしには子がない(I remain childless
), 何をくださる(what can you give me)
名詞: アブラム(Abram), 主なる神(Sovereign LORD), わたしの家を継ぐ者(the one who will inherit my estate ), ダマスコのエリエゼル(Eliezer of Damascus), あなた(the LORD), わたし(Abram)
3.
動詞: また言った(And Abram said), わたしに子を賜わらない(You have given me no children), あとつぎとなる(will be my heir)
名詞: アブラム(Abram), あなた(the LORD), わたしの家に生れたしもべ(a servant in my household),
4.
動詞: 臨んだ(came to him), あとつぎとなるべきではない(will not be your heir), あとつぎとなるべき(will be your heir)
名詞: この時(Then ), 主の言葉(the word of the LORD), 彼(Abram), この者(This man), あなたのあとつぎ(your heir), あなたの身から出る者(a son who is your own flesh and blood )

旧約聖書 創世記15章1節~5節 Genesis 15:1-5
単語に分解

一連のストーリ情景が見えてきましたね!

どうやら、それ(外へ連れ出される)までアブラム(Abram)一人家の中で静かに"主の言葉"(the word of the LORD)対話(瞑想?)( in a vision)していたようですね。

そして、アブラムは何かを恐れていた(be afraid)ことが読み取れます。では、その恐れていたことは何でしょうか?

 "わたしには子がない"(I remain childless)ですね。

それに対して、主(the LORD)は、

「アブラムよ恐れてはならない、わたしはあなたの盾である。あなたの受ける報いは、はなはだ大きいであろう」
Do not be afraid, Abram. I am your shield, your very great reward.

旧約聖書 創世記15章1節 Genesis 15:1

と言っているにも関わらず、アブラムは主のその言葉が信じきれず、ああでもない、こうでもないと、
"what can you give me?"
"一体あなたが何をしてくれるのか?"
"You have given me no children; so a servant in my household will be my heir."
"あなたが子供を授けてくれないからこんなことになるんだ"
みたいなことを言って思い悩んでいる様子が伺えます。
みなさんのお友だちにもこんな子いますよね。

そこで、主(the LORD)はズバリ予言します。
"直におまえには正妻(サライ)との間に子供ができ、その子がちゃんとお前のあとを継ぐ"
 a son who is your own flesh and blood will be your heir.
と。

それでも、まだアブラムは納得がいっていない様子なので、主は、アブラムを外に連れ出して、こう言ったわけです。

5. そして主は彼を外に連れ出して言われた、「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみなさい」。また彼に言われた、「あなたの子孫はあのようになるでしょう」。
Then the LORD took Abram outside and said to him, “Look up into the sky and count the stars if you can. That’s how many descendants you will have!”

旧約聖書 創世記15章5節 Genesis 15:5

ここで、このお話しの舞台が、屋内="内の世界"(人間/アブラムの世界)から屋外="外の世界"(主の世界)へと切り替わります。

話しがかなり寄り道しましたが、このストーリの展開をイメージしながら、「どうやって」「だれと」の要素を考えてみましょう。

まずは、「どうやって」(行為の手段)については、家の中(心のなかで)で思い悩んでいるアブラムを星空(heaven)が見える屋外(主が司る世界)へ引っ張り出したのは、どんな"力の作用"によるものであったかというふうに考えて、「主の言葉を信じることによって」(By believing in the word of the Lord)としましょう。

次に、「だれと」については、実際にはこの場面にはアブラム一人しかいないのですが、主の存在は重要なので、「はっきりとした主のイメージとともに」(With a clear vision of the Lord)としておきましょう。

以下、ここまでの情報と想像で「行為のマンダラ」(Action MANDALA)を整理してみます。

「いつ」「どこで」

次に、このアブラムの行為が行われている場所/舞台「どこで」と時代「いつ」を想像してみましょう。

まず、「どこで」は、先のWikipediaの情報にある「アブラムは父テラの死後、神から啓示を受け、それに従って、妻サライ、甥ロト、およびハランで加えた人々とともに約束の地カナン(現在のパレスチナ)へ旅立った(アブラム75歳)」とあるので、「約束の地カナンで」(In the promised land of Canaan)としておきましょう。

次に、「いつ」ですが、Wikipediaの情報では年代までは特定できなかったので、イスラエル大使館のサイトを探していたら、ありました!

Jewish history began 4,000 years ago
族長の時代

ユダヤの歴史は、約4,000年前(紀元前17世紀)族長アブラハムとその息子イサク、孫のヤコブによって始まりました。メソポタミアで発掘された紀元前2000~1500年頃の文献は、当時彼らが聖書に描かれたとおりの遊牧生活を送っていたことを裏付けています。「創世紀」には、アブラハムがカルデアのウルからカナンへと導かれ、唯一神を信じる民の祖となったことが描かれています。その後、カナン全土に飢饉が広がったときに、ヤコブ(イスラエル)と12人の息子はその家族とともにエジプトに移住しましたが、その子孫は奴隷にされたり強制労働を強いられたりするなどの憂き目にあいました。

駐日イスラエル大使館> イスラエルについて> 歴史:聖書時代

日本国もこれくらいしっかりと自国の歴史を世界にアピールしてもらいたいですね。

今回は、この情報ソースを採用して、この一節の中でアブラムが"天を仰いで、星を数えた"のは、今から「約4,000年前(紀元前17世紀)」のこととしましょう。

ただ、こんなスケールの長い時間だけではなくて、もう少し"ミクロな時間"も想像してみましょう。

そう、"星を数えた"のだから、"夜"ですよね。
もしその日が新月の晴れた"夜"だったら、それはそれはきれいな夜空で、数え切れないほどの星が見えるはずです。

という想像も加えて「いつ」の要素は、「4000年前の新月の晴れた夜」(A clear night with a new moon 4000 years ago)としましょう。

ではここまでの「行為のマンダラ」(Action MANDALA)の要素をまとめてみます。

「なぜ」「どうなる」

それでは、最後の2つの要素「なぜ」(行為の起点)「どうなる」(行為の着点)を考えてみましょう。

まずは、この行為「アブラムが家の外へ出て(出されて)天を仰ぎ、星空を数える」前のアブラムの状況を想定してみましょう。

この状況はすでに先の1節〜4節の内容に示されていましたね。
アブラム(Abram)は、家の中(心の中)で「子供ができないことを思い悩んでおり、まだ主の言葉を信じきれていない」状況です。
これを「なぜ」(行為の起点)の要素にして、「主の言葉を信じきれずに悩む」(Abram doubted the word of the Lord and struggled)としましょう。

そして、そのアブラム(Abram)が主(the LORD)の言う通り"家の外"(主が司る世界)へ出て、天を仰ぎ(Look up at the sky / heaven)、そこに光り輝く無数の星々を見た/数えた(and count the stars)とき、その星の数の多さに気付かされた(希望を持った)
そして、主(the LORD)「あなたの子孫はあのようになるでしょう」(So shall your offspring be.)とおっしゃった(アブラムの"心の中で")。
という展開がイメージできそうです。

その結果、アブラム(Abram)の心にどのような変化が起こったか。
次の6節を見てみましょう。

6. アブラムは主を信じた。主はこれを彼の義と認められた。
And Abram believed the LORD, and the LORD counted him as righteous because of his faith.

旧約聖書 創世記15章6節 Genesis 15:6

これで、アブラム(Abram)はようやく、主(の言葉)100%信じられたわけですね(And Abram believed the LORD)。そして、主(the LORD )はそのアブラム(Abram)の信じる心(because of his faith)を彼(Abram)の"義"(as righteous)として認めた(counted)わけです。

"義"(righteous)とはなんぞや?
ということで、この節の別の英訳を当たってみると、

Then Abram believed in (affirmed, trusted in, relied on, remained steadfast to) the LORD; and He counted (credited) it to him as righteousness (doing right in regard to God and man).

Amplified Bible Genesis 15:6

righteousness : doing right in regard to God and man
直訳すると「神と人に対して正しいことをすること」
日本語で言う「忠義」「仁義」「正義」みたいな感じかな?
これもコトバの宇宙の法則①「意味=対象=事物」で捉えることが難しいコトバですね。

では、これらの情報をもとに、最後の「どうなる」(行為の着点)の要素を設定してみましょう。
「アブラムは主を完全に信じ、主もそれを認めた」(Abram believed the LORD, and the LORD counted him)としました。

お疲れ様でした。
これで「行為のマンダラ」(Action MANDALA)が完成です!

「行為のマンダラ」(Action MANDALA)完成
旧約聖書「創世記/Genesisi 15:5」

4. アブラムと主はいったい何をしたかったのか?

「行為のマンダラ」(Action MANDALA)アブラム(Abram)主(the Load)の関係がわかってきたところで、さあ、ここからが今回の記事の本題です。

では、この二人はこの世界でいったい何をしたかったんでしょうね?
こんな"スーパーパワー"をもって。

お金持ちになる? 世界征服する? 戦争する? 地球を脱出する?

ここで、みなさんもアブラム(Abram)の気持ちになって、アブラムが見た"夜空の星"を思い浮かべながら想像してみましょう!

今、あなたがアブラム(Abram)だったら、何を悩んでる? 何がしたい?

これを「第20回 "宮沢賢治"のマンダラ宇宙」の記事でも使った、「願望のマンダラ」(Wish MANDALA)を使って、主(the LORD)に伝えてみましょう。
主(the LORD)は、きっとその願いを叶えてくれるはずです。
なぜなら、その主(the LORD)こそ、「コトバの主」(「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」ヨハネによる福音書 1:1)であるから。

「願望のマンダラ」(Wish MANDALA)ワークシート
使い方は下記「第18回 コトバの宇宙で遊ぶための道具」をご覧ください。

AIよ、このマンダラを読み取ってみろ!

では最後に、いつものように、この「行為のマンダラ」(Action MANDALA)をAI(ChatGPT)に読み取らせてみましょう。

今回は、伝説風のお話し英語版も一緒にChatGPTに書いてもらいました。

4000年前の新月の晴れた夜、カナンの約束の地に住むアブラムは、主の言葉を信じきれずに悩んでいました。彼はその地に住むことを約束されたにもかかわらず、不安と疑念が心を侵しました。しかし、ある晩、アブラムは特別な経験をしました。

はっきりとした主のイメージとともに、アブラムは天の星を仰ぎ見ました。星々は夜空を飾り、無限の宇宙を象徴していました。アブラムはその星々を数え始めました。1つ、2つ、3つと、星々の数を数え続けました。

そのとき、主はアブラムに語りかけました。「アブラムよ、あなたが数えた星のように、あなたの子孫もまた多くなるでしょう。私の約束は確かであり、私の言葉は真実です。」

アブラムは主の言葉を信じることによって、疑念と不安から解放されました。彼は主を完全に信じ、主もそれを認めました。その晩、アブラムは主の約束を受け入れ、カナンの約束の地での未来に希望を見ました。

この伝説は、アブラムの星々を数える行為が、彼の信仰を強化し、主の約束を確認する瞬間であったことを讃えるものです。そして、その信仰によって、彼の子孫がカナンの地で栄え、数え切れないほどの星のように繁栄することが予言されました。この物語は、信念と希望があれば、どんな困難な瞬間でも克服できることを示しています。

4000 years ago, on a clear night with a new moon in the promised land of Canaan, Abram wrestled with doubt over the word of the Lord. Despite the promise of dwelling in that land, anxiety and uncertainty had gripped his heart. However, one fateful evening, Abram had a remarkable experience.

With a clear vision of the Lord, Abram looked up into the stars in the sky. The stars adorned the night sky, symbolizing the infinite universe. Abram began to count the stars—one, two, three, and on he counted.

At that moment, the Lord spoke to Abram, saying, "Abram, as numerous as the stars you have counted, so shall your descendants be. My promise is steadfast, and my word is true."

By believing in the word of the Lord, Abram was liberated from his doubts and anxieties. He wholeheartedly trusted the Lord, and the Lord acknowledged his faith. That night, Abram embraced the Lord's promise and glimpsed hope for the future in the promised land of Canaan.

This legend honors Abram's act of counting the stars, which strengthened his faith and affirmed the Lord's promise. Through his faith, it was prophesied that his descendants would flourish in the land of Canaan, as numerous as the countless stars. This story illustrates that with faith and hope, one can overcome any moment of adversity.

ChatGPTが「行為のマンダラ」をもとに創作した作品

今回の題材はいかがでしたか?
さすがは人類が誇る聖典、"バイブル"ですね。奥が深い!
たった"一節"だけで、こんなにコトバの宇宙が楽しめるとは。

次回は、もう少し軽い題材にチャレンジしてみたいと思います。

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