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虫嫌い母、オオカマキリと暮らす

夫と息子がカマキリを連れてかえってきました。
マンションの廊下にいたのを捕まえてきたのだと。

一旦、虫かごに入れて観察したら自然に帰す(いつもの流れ)だろうと思っていたのですが、翌日もまだ虫かごの中にいて「あれ?」と思っていたら「しばらく飼ってみようと思う」と夫と子が言うではありませんか!

カマキリを飼う???
うちで?
カマキリを?

カマキリって飼えるの?


カブトムシやクワガタを飼育するのはなんとなくイメージできるというか
小学生の頃にもそういう家庭があったように思いますが、
人生で虫とろくにふれあってこなかったわたしにはカマキリを飼うことがイメージできませんでした。
(カマキリを飼うのって一般的なの……?)



環境整備

はりきった夫が早速に少し大きめな虫かご(持ち運ぶには不便なくらいのサイズ、天面が透明で観察しやすい)と鉢底ネットを購入してきて、カマキリの家をこしらえました。
むし岡だいき氏のYouTubeを参考にしたそうです。


愛称も「カマきち」に決定。

そしてそして
どうやらカマキリは冬を越すことはできないらしく、10月中には自然に帰す(寒くなる前にパートナーを見つけて子孫を残すチャンスを作る)と決めて飼育スタート!

悩んだ末にリビングのテレビ横に設置

わたしはカマキリに触れない&基本的には飼いたいと言った人が責任を持って面倒をみるべきということで、夫と子が主担当。



エサ問題

カマキリはチョウやバッタといった他の昆虫を食べることは把握していましたが
カマキリは基本的には生きていて動く昆虫しか食べないのだそう
数日に1回はカマきちのためにバッタやらイナゴやらを捕まえてきて虫かごに入れてやる必要がありました。

エサとなる虫は習い事の前後に夫と子で捕まえてくる形でなんとかしていましたが
虫嫌いな母としては、カマきちもエサ用の虫も、とにかく虫かごから出ないようにさえしてくれればよいと(というか目をつぶることに)していました。
(我が子が興味を持ち、楽しそうに図鑑と見比べるなどしているので邪魔をせぬよう見守るのみ! と自身に言い聞かせました)

楽しそうだね!


副次的効果

カマきちはエサの昆虫をきれいにまるごと食べるわけではなく脚や羽の一部を残すので、
それら残骸を片付けて悪臭が出ないように虫かごをきれいにしていました(主に夫が)。

ある日、カマきちが残したエサの残骸に、エサ用に捕まえてきたコオロギ達が群がっているのを夫が発見(わたしも一瞬見たのだけれど、コオロギの姿が苦手な人も多いあの虫に見えてしまい直視できず……)。

残骸をきれいに食べ尽くしてくれていたので、残骸を片付ける手間が省けたと夫は喜んでいました。


副次的効果その2

直視できなかったコオロギですが
虫嫌いな母的によかったと思うこともありました。

捕まえてきたコオロギが時々、鳴くのです。
鳴きつづけるのでなく、いい感じに時間を空けてちょっとだけ。

リィー コロコロ リィー……

0才の下の子の授乳で夜中や早朝に起きた時に涼しげな鳴き声を聞くと(暗闇なので姿は見えない  ←重要)
夜間授乳の孤独感が和らぎ、ちょっと癒されるという効果が!

カマきちがコオロギを食べるまでの間
毎晩、楽しませてもらったのでした。

こうやって虫の鳴き声を楽しむのって、なんかどこかで聞いたような……
そう思って検索したら、これでした↓

駿河竹千筋細工の大和虫籠

以前、仕事で伝統工芸について調べていたときに見つけた大和虫籠。
昔の人も虫の鳴き声を味わっていたのですね。


さようならの後で

さて、じっくり観察したところで
夫と子はカマきちを自然に帰すことに。

達者でな。
虫カゴから飛び出すといった事件などが起きなかったことに安堵しながら見送りました。

およそ1時間後、夫と子が帰宅。

ふと子が肩に掛けている持ち運び用の虫カゴを見ると、何かが入っているではありませんか。
母は即座に虫の気配を感じ取ります(苦手なだけに虫の気配を感じるのは得意)。

聞けばコカマキリの「カマじい」だと言います。
コカマキリのカマじい???

なるほど褐色タイプか、などと図鑑で得た知識をおさらいしたところで
夫が言いにくそうに「今度はコカマキリを飼ってみたいんだって……」と告げたのでした。


虫嫌い母とカマキリの暮らしは続く……


おしまい。

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