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9_コンプレックスを「強み」に変える技術①

こんにちは、ナビたろうの「学習相談室」にアクセス頂き、有難うございます。心より、御礼申し上げます。

前回までの記事を読まれていない方はぜひサクッと流し読み頂けると幸いです。

コンプレックスを「強み」に変える

さて、このマガジンも終盤にさしかかってきました。このマガジンの中で、繰り返し、お伝えしてきたことは、たったひとつです。それは、「弱み」や「コンプレックス」は、その人の人生を成功に導くための「チカラ」を持っているということです。

第1回では「メッシ」のお話をしました。メッシは「身体的なビハインド」を持っていながらも、世界イチのサッカー選手になりました。メッシが世界イチのサッカー選手になれたのは、幼いころに「自分の弱み」を知ったからだと私は思います。

自分の弱みを知り、それでもサッカー選手になりたいという夢を叶えるためにどうすればいいのか、それを必死に考え、努力をした結果、サッカーの歴史上最も「ドリブルが上手」な選手が出来上がったのです。幼いころのメッシが、何不自由ない恵まれた体格だったとしたら、今のようなメッシは存在しないと思います。

同じような例はたくさんあります。思うに、自分の弱みを強烈に感じとるからこそ、自分は「何で生きていくのか・何を武器にするのか」を本気で考えるようになるんだと思います。学習でいえば、すべての科目が平均的に出来る子は、ほとんどいません。難関といわれる学校に合格する子どもは、自分が「得意な科目」と「不得意な科目」を明確に認識しています。そして、得意な科目で不得意な科目をカバーできるように緻密に計算しています。そうすることで、総合的な点数を最高にもっていくことができます。

では、弱点やコンプレックスを「強み」に変えるためにはどうすればよいのでしょうか。私は、それには5つのステップがあると考えています。

ステップ①向き合う(Face)

まず、最初のステップは「自分の弱み・コンプレックスと向き合う」ことです。もちろん、弱みやコンププレックスは、その人にとって「とても嫌なもの」です。その部分を直視することは、無意識的に避けている場合がほとんどです。それを「真正面から見つめること」は、ある意味で危険なことでもあります。

無理矢理に自分の弱みを見つめなさい、と言っているのではありません。あくまでも、自然なタイミングで、それを知り、受け入れることが大事だと私は思っています。そして、どんなに自然なタイミングであっても、自分の弱みやコンプレックスに直面したとき、人は「絶望」します。中には、もう生きていけないと感じる人もいます。しかし、多くの人は、それが自然なタイミングで、そしてある程度、受け入れる状況が整っている中で、自分の弱みやコンプレックスに直面した場合、今までのもやもやした霧が晴れていくように「頭がクリア」になります。

話が非常に抽象的ですが、少し具体的にお話します。私は不登校訪問支援カウンセラーとして、ご自宅に伺い、訪問支援を行っています。支援の現場では、お子様や親御さんとお話をします。その中で、子ども自身が「なぜ不登校になったのか(なぜ学校に行きたくないのか)」について話すことはとても大事だと思っています。なぜならば、その理由を少しずつ明らかにしていく(言語化していく)ことが、不登校のお子様が次のステップに進むためにはとても必要だと考えているからです。

最初の面談から「不登校になった理由」を明確に、理路整然と説明できる子どもはほとんどいません。それが説明できるのであれば、不登校にはなっていないと私は思います。理由が分かれば、対処法が分かるからです。やはり、多くのお子様は「なぜ不登校になったのか、自分でも分からない」と答えます。その状態から、支援が始まる場合がほとんどです。そして、支援の場を重ね、話を重ねるなかで、なぜ学校に行きたくないのか、その部分が少しずつ明らかになっていきます。

学校に行きたくない理由は多くの場合、その子の「弱みやコンプレックス」と結びついています。不登校というと真っ先に「いじめ」が思い浮かぶ人もいると思いますが、そうではない子も多くいます。いじめにあっていない子でも、苦手やことや不愉快な経験が、学校に行かない理由に結びついています。そこをゆっくりと時間をかけて、紐解いていくことが大事です。

逆に言えば、このステップ(学校に行きたくない理由を知る)を経ない限り、その子の課題は克服されないかもしれません。なんとなく学校に行きたくなりくなり、なんとかく学校に行きはじめ、なんとなくまた行かなくなtってしまう。その繰り返しになってしまう子もいます。やはり、根本的な支援を行うためには、行きたくない理由を明らかにするという課題に取り組む必要があります。

さて、長々とお話しましたが、ステップ①で大事なことは、自分の弱みやコンプレックスと向き合うことです。そこには「辛さ」「厳しさ」が付きまといますが、やはり、ここは一番大事な部分です。


ステップ②出会う、気づく(Aware)

弱みを強みに変える次のステップは「出会う、気づく」です。これは、私の持論になるかもしれませんが、弱みを強みに変えるためには「人」との出会いが欠かせません。

その人とは、自分が「弱み」だと考えていたことへの「認識」を変えてくれる存在です。そのような人は、メンターやアドバイザー、カウンセラー、コーチ、ティーチャー、さまざまな名前で呼ばれています。呼称はともかくとして、大事なことは、そのような人と出会うことによって、それまで「弱み」だと感じていたことが、「意外とそうでもないのかもしれない」「こんな自分でも受け入れてもよいかもしれない」と認識の枠組みが変わることです。自分の弱みに対する「認識の枠組み」が変化する、といってもよいかもしれません。

何度も例に出して恐縮ですが、メッシの場合も同じだったと思います。幼いメッシが「絶望」したとき、その絶望を「希望」に変えた誰かがメッシの傍にはいたはずです。その人は、メッシに対して、サッカー選手になるための別の手段を提示し、なによりもメッシを勇気づけたに違いありません。

そのような人に「出会い」、自分の弱みやコンプレックスが「ネガティブなもの」ではないかもしれないと「気づく」こと、それが第2のステップです。

(続く)

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