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10_コンプレックスを「強み」に変える技術②

こんにちは、ナビたろうの「学習相談室」にアクセス頂き、有難うございます。心より、御礼申し上げます。

今回は、このマガジン(コンプレックス)の最終記事になります。全話、フリー(無料)で公開していますので、ぜひご興味がある方は気になる部分だけでもご一読ください。

ステップ③変わる(Change)

弱みを強みに変える3つ目のステップは「変わる(Change)」です。自分の弱みと向き合い(Face)、その弱みを強みへと認識を変える人と出会い(Aware)、その次にやってくるのが、この「変化」のステップです。

このように順々に書いていくと、それは段階的にぽんぽんとやってくるように思いますが、経験的に感じたことでいうと、この「変わる」までのステップに至るまでには「時間」がかかります。数日や数か月単位で、この段階に至ることも稀にあるとは思いますが、通常は数年単位でかかると私は思っています。この「変わる」段階に至ることができずに、弱みを弱みのまま抱えて生き続けていく道を選んでしまう人も多くいます。それほど、「変化」というステップは難しいものなのです。

なぜ、「変化」が難しいのか。これはシンプルな問いですが、答えも非常にシンプルです。なぜなら「人は変わりたくない」からです。いやいや、私は常に自己変革、自己成長を求めています!、という人も中にはいるかもしれません。しかし、そのような人であっても、心の底では、自分を変えることを望んでいません。自分を変えるためには、一旦、今の自分を否定しなければいけないからです。自己否定を受け入れることは簡単ではないのです。

私がお子様のサポートをしていると、たまにですが、非常に素直な子に出会います。こちらの話をよく聞いていて、なんでもうんうんと頷いて答えます。自分の弱みや改善が必要な点も、しっかりと把握しているように見えます。しかし、そのような子に限ってですが、ふたを開けてみると、何も買えようとしないことが意外にも多くあります。言葉ではわかっている風に答えますが、実際に行動に移すことが全くないのです。

なぜそうなるかというと、その子自身「本当は(心の奥では)、自分が変わりたい」と思っていないからだと私は思います。自分はそんなことを思っていないけど、親や先生の手前、ここは適当に答えておこう、という考え方なのです。子どもがこのモードに入ってしまうと、非常に厄介です。まるで柳のように、何をしても何を言ってもしなしなしてしまい、響くことがない子どもになっていきます。実際、この段階になってご相談に来る親御さんもたくさんいます。しかし、正直言って、その段階から子どもを変えることはとても難しいのです。

さて、しかし、自分を変える(Change)は弱みを強みに変えるためには「避けては通れないステップ」です。この道を経ることが、次のステップへと繋がっていきます。

ステップ④認められる・評価される(Evaluated)

4つ目のステップは「認められる・評価される(Evaluated)」です。ステップ③に比べると、この段階は割とスムーズにやってきます。この段階は、ステップ③によって起こった「変化」が、周囲の人(例えば親や先生、友人・同僚・先輩など)に「認めらる・評価される」段階です。人は不思議なもので、人から認められ、評価されると、自然を喜びを感じ、もっとそれをしようと感じるものです。変化が認められ、評価されることで、生じた変化がより「確信的なもの」になります。

例えば、毎日部屋にこもり、昼夜逆転の生活をしていた子どもがいたとします。そのような子どもが、自分の生活リズムを変える必要性を感じ、朝8時に起きることに成功したとします。そのような「成功(変化)」は、親に認められる(例えば、褒められる)ことで、より「強化」されます。心理学の用語では「行動が強くなること・確実なものになること・習慣化すること」を「強化」といいます。逆の現象を「弱化」と言います。周囲が、その行動を認め、褒めることで「良い行動を強化」していくことができます。

思うに、これはなにも子どもに限ったことではありません。私たち大人も、周囲に認められ、評価されることは「とても嬉しいもの」です。例えば会社で一生懸命働き、その働きが「会社で表彰された場合」、ほとんどの人は嬉しく感じます。私が以前働いていた会社では3か月に1回「アワード」という表彰の機会があり、受賞者は壇上に上がり、全社員の前でスピーチをするという文化がありました。この壇上に上がることは、会社内で最も名誉あることだと考えられていました。そして、この壇上に上がるために、必死で3か月間、働くのです。このように、大人であっても、人から褒められるために、認められるためならば、必死になるものなのです。

ステップ⑤気にしなくなる(Don’t care)

弱みを強みへと変える最後のステップは「気にしなくなる(Don’t care)」です。これは、それまで自分の弱みだと感じていたこと、コンプレックスだと考えていたことを「気にしなくなる」「もはや弱みだと感じなくなる」段階です。この段階になれば、もはや弱みは弱みではありません。むしろ、弱みは強みへと変わります。弱みを強みへと変えるステップの、最終ゴールだと言えます。

このマガジンの中で、何度も引き合いに出している「メッシ」の例で考えてみましょう。もはや、メッシは「自分の伸長が小さいこと」「人より身体が成長しないこと」を気にしている訳はありません。不思議なもので、メッシは通常のサッカー選手よりも「大きく」さえ見えます。もちろん、メッシ自身、自分の肉体を強化するためのトレーニングを日々しているのだと思いますが、それでも「幼少期に低成長の病気」だと診断された「人間」だとはとても思えませんよね。

それには、様々な要因があると思いますが、何よりもメッシ自身が「自分の弱みやコンプレックス」を克服(弱みを強みだと考えていること)している点が大きいのではないでしょうか。弱みが弱みのままだと、どうしても人間は心のどこかで引け目みたいなものを感じてしまうものです。その引け目が自分への自信の無さへと繋がってしまいます。しかし、弱みがもはや弱みだと感じ無くなれば、そのようなことも無くなるわけです。


さて、このマガジンはここでおしまいです。別のマガジンも更新していきますので、ぜひともお付き合いくださいませ(^^♪



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