人生は、他者との出会いを通して自分自身と出会う旅だ。
人間は他人と出会って、初めて自分を発見する。それは、比喩的なことではない。生まれ落ちた人間は、まず、世界と未分化な状態と意識で生まれる。ということは、客観的な意識などないということだ。
そして、歩き出すようになって、自分とは違う何者かの存在を発見し、その結果、自分自身を自覚していくのだ。これが、最初の他者との出会いだ。この他者は、大概は親、それも母親だ。
そして、その次は親と対立する自分を発見する。これも一種の他者だ。今までの自分ではない、違った自分=他者だからだ。そして、その次に、全く異質な他者と遭遇し、初めて、自分という存在が脅かされる。今までの親的な世界(庇護の世界)から抜け出していくことによって、本当の他者と出会うのだ。
人生は自分自身と出会う旅だ。その出会い方は人それぞれだが、そこには、必ず他者がいる。自分とは違う他者を通して、自分を再発見し続けるのだ。つまり、人生とは自分と出会う旅なのだ。