深く悲しむ人ほど強く喜ぶことができる。たくさん涙を流した人ほど大いに笑うことができるのです。(五木 寛之)
【考えるヒント】
人間の心は、どこにあるか分からない。脳内にあると脳科学者は言うだろうが、何か悲しいことを想像するだけで胸が痛くなるし、何か心配事があると、動機が激しくなって、息づかいが荒くなる。体全体に心のような機能があるようにも思う。また、人間の心は、どうすれば、どうなるかは中々わからない。心の処方箋は中々一つには絞れないものだ。
しかし、一つだけ言えることがある。楽しい思いや悲しい思いをすれば、必ず心が反応し、その繰り返しで、心はどんどん反応力が高くなり、心の動きが敏感になる。しかし、その心の動きを他人に見せるかどうかは、別なのだ。だから、心の動きの敏感な人でも、他人から見えると無反応に見えたり、反応過剰に見えたりと、色々な態度をするのだ。
私たちは、私たちのあり方で心の反応を表現しよう。他人に見せても良い心の動きなら、見せれば良いし、他人に見せたくない心の動きなら、見せなければ良いのだ。しかし、心はしっかり受け止めることだ。悲しいことが心を強くする。楽しいことが心を活性化する。心の動きだけは、素直に動かすことだ。
【考えるヒント・今日の言霊】
2021年11月19日(金)
VOL.5333
作者:中土井鉄信(合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表)