『管理ゼロで成果はあがる』アクティブ・ブック・ダイアローグの読書会を開催しました
アクティブ・ブック・ダイアローグとは、チームでおこなう読書法です。
一冊の本をバラして複数人で読む、要約をして、ひとりずつ発表する。最後に内容について話し合うという順番で進めていきます。
インプットとアウトプットを同時にできて、色々な人のアウトプットをリアルタイムで知ることで議論が生まれるのが特長です。
開催することになったのは、『管理ゼロで成果はあがる』の本文ゲラを無償提供してくれると知って、社内で盛り上がったからです。
著者の倉貫義人さんはソニックガーデンという会社の代表をされているのですが、「納品のない受託開発」という働きかたをされていて、個人的にもずっと注目している会社でした。
アクティブ・ブック・ダイアローグの経験者はゼロ。
勢いで進行して、準備期間2週間で開催の運びとなりました。
別のアクティブ・ブック・ダイアローグイベントに参加してくれたメンバーの経験談が参考になったので、この記事もアクティブ・ブック・ダイアローグを開催したい人の助けになればうれしいです。
アクティブ・ブック・ダイアローグ開催の準備とタイムテーブル
タイムテーブルです。休憩はダイアログの前にとりました。
19:30 チェックイン(説明、チーム分け)10分
19:40 コ・サマライズ1(読む、要約作成) 25分
20:05 リレープレゼン1(自分の担当部分を説明、気になったところにレ点つけ)2分×人数
20:20 コ・サマライズ2(読む、要約作成) 25分
20:45 リレープレゼン2(自分の担当部分を説明、気になったところにレ点つけ)2分×人数
21:00 ギャラリーウォーク(すべての要約を見て歩く、気になったところにレ点つけ)10分
21:10 ダイアログ(チームごとに気になったことを話し合って模造紙に書き込んでいく) 20分
21:30 チェックアウト(簡単な感想) 10分
公式サイトのフォームに名前とメールアドレスを送ると、無料のマニュアルをダウンロードできます。そのマニュアルに目を通して、アクティブ・ブック・ダイアローグ経験者の話を聞きながら、タイムテーブルや準備が必要なことを決めていきました。
準備したことです。
・ゲラを節ごとに分けて、番号を振っておく
・コ・サマライズした紙を貼る場所を作る
・タイムテーブルをホワイトボードに書く
・コピー用紙とマジック、テープ(マスキングテープやセロテープ)をテーブルに用意する(ダイアログ用の模造紙も準備しておく)
・お茶とお菓子を買って、テーブルに置いておく
コ・サマライズでのページ割り振りは難しいと感じました。その節の内容や本自体の内容によって調整が必要そうです。今回は25分で14ページがジャストくらいでした。
タイムテーブルは見やすいところに設置するのがいいと思いました。アクティブ・ブック・ダイアローグ経験者がほとんどいない状況(今回は13人中2人が経験者)になると思うので、なるべく迷わないようにするためです。
お菓子は重要です!ぶっ続けでやるとしんどいので、適度にお菓子を食べながらやるぐらいにするといいです。主催者側が率先して食べると、他の参加者も食べやすくなると思います。
アクティブ・ブック・ダイアローグを経験してみて
イベントは2時間強でしたが、とても疲れました(笑)
同僚は終わったあと「ビール飲ませてくれー!」と言っていたくらいです(笑)
でも、それぐらい集中してできる読書法でした。
コ・サマライズでは、時間内に本を読んで要約する必要があります。
時間調整は判断がつきにくいので、とりあえず急いで読みました。
普段は時間をかけて読むほうなのですが、流し読みくらいの速度で読んでも問題はなさそうと感じました。『管理ゼロで成果はあがる』の中で「パレートの法則」が出てきますが、その本の8割くらいの内容は、ザッと読んでも得られる気もしたからです。
「気になったところにレ点」を何回もしていきます。これは地味に重要だなと思いました。
経験から重要だと感じていること、今まで思い至らなかったこと、自分の課題だと思っていることなどが見えるようになるからです。
レ点が多く集まっているところ(みんなが気になったところ)は特に重要ということも分かります。これは一般的な読書では得られない大きなメリットですね。
ダイアログでは気になったところについて全員で意見を出し合います。ここがうまくいくかはファシリテーターがいるかどうかが大きいと思いました。ファシリテーターの人数と参加者数をバランスさせるのがいいと思います。
アクティブ・ブック・ダイアローグのなかで、この意見交換がいちばん個性の出るところで、盛り上がるところだなと思いました。本の内容によってはダイアログに時間を多めにとってみても面白いかもしれません。
『管理ゼロで成果はあがる』をアクティブ・ブック・ダイアローグしてみて
この本は「生産的に働く」「自律的に働く」「独創的に働く」という3つの章から構成されていますが、3つは独立しているのではなく、段階があるのだろうなと感じました。
「現職を続けたまま、お試し期間を1年から1年半つくる」「お客さんを選ぶ」。後半になってくるとこういった内容が出てきます。これは売り上げが見込めていて、利益が出やすい体制になっているなどの余裕がないとできないことではないでしょうか。
そのために「生産的に働く」ことを徹底的にしていくことが大事なのだと思いました。
高い生産性や品質は、能力とやる気のかけ算です。もちろん、やる気に頼らない仕組みは必要ですが、仕組み化できないこともたくさんあります。
ここで必要なのが心理的安全性という考え方。心理的な壁が低いこと、失敗ができる環境、情報が適切に共有されている、といった状態にすること。
過度なストレスがあると身体はぎゅっと固まってしまいます。一部の人だけ生産性が高い状態よりも、チーム全体として生産性を上げていくかを考えたほうが効果は高まるのだと思います。
本の内容全体を通して、できているところもあるなと感じました。
たとえば、「仕組み化できることはする」「フラットなチーム」「評価はせず自分で何をしていくかを決める」「リモートできる環境」。
逆に、忙しすぎてふりかえり(KPT)やフィードバックがおろそかになることもあり、質と量をもっと追求していく必要があるなと感じました。
さいごにみんなで作り上げた今回の成果です。こう見るとけっこう頑張ったな!という気がします(笑)
お疲れ様でした〜🍺
この記事が参加している募集
読んでいただいてありがとうございます! もっと読んでいただけると、もっと嬉しいです。