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「なりたいもの」より「したいこと」(ヨッピー『明日クビになっても大丈夫!』を読んで)

僕がこの本を読んでいることを友人が知ったら、「もうとっくにクビになっとるやないか!」と突っ込まれること請け合いだが(笑)、ちょっと気になっていたので読んでみた。

結論から言うと、これはオススメ。会社に勤めてるけど「なんだかなー」と思っている人はぜひ読むべし!

ただ、あんまり冗談の通じないカタブツを自覚している人は、絶対読んではいけない(笑)。途中で怒り出して速攻で焚書化することになるだろう。

内容は、「これを読んだら明日クビになっても大丈夫になる」ものではなく、「明日クビになっても大丈夫なようにこんなことしておくといいよー」というものである。念のため。

著者のことはツイッターなんかでちょくちょく見かけていて、やってることはめちゃくちゃだけど「この人絶対賢いやろ」というか、「実はよっぽど常識人やな」と思っていたところだったので、この本が出たのは僕にとっては「待ってました」のタイミングだった。

「『その人にしか出来ない大事な仕事』が社内にあるのなら、それを『誰にでも出来るように仕組みを作り替える』のが組織の論理で、これが『個人のやりがい』と明確に対立する概念になる」

というのは全くそのとおり。ただ、会社と自分を一体化させて、「誰にでも出来る仕事」を嬉々としてこなせる人もいるので、そういう人は組織でもやりがいを感じられるかもしれない。しかし著者は、「あのトヨタだってヤバいかもよ?」と、大企業でさえ決して盤石ではないことを指摘する。

だが、だからといって「今すぐ会社を辞めろ!」と言うのではない。「会社にいながらでもしたいことはできるし、ほんでそっちでいけそうになってから辞めたらええやん」というわけである。

そしてそのプロセスでは、「『なりたいもの』じゃなくて『したい事』を考えて欲しい」と言う。そう、仕事の本体は肩書きではなく、「何をするか」というその内容にほかならない。そしてそれをする毎日が、その人の人生になっていくのだ。

最後に、著者が生きるうえで大事にしているという三つのことが書かれている。

・会いたい人に会う
・行きたい所に行く
・やりたい事をやる

これはもちろん人によって違うだろう。だがいずれにしても、それを実現しようと思ったら「行動しなけりゃ何もはじまらない!」わけである。

この本は仕事論の書でありながら、立派な人生論の書でもあると僕は思う。


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杉原 学
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