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20代お遍路記 THE LAST DAY

38日目
2013年8月15日
56,000歩 40km

結願!!
足かけ4年3ヶ月、見事 30 歳直前で結願しました。
今日は遍路史上、一番キツくて一番幸せだった。

歩行速度4.5km/h で計算しても、お参りの時間含めると間に合わない計算の中、何とかやりきった。88番大窪寺に到着したのは 16:35。
「屋島寺から一気に結願する人は過去に聞いたことがない」と、迎えに来てくれたおくだやの主人もびっくりしていた。84番屋島寺へは登りの道をだいぶ早く歩いて、7:30に到着。納経できるのが「7 時から」だったことに気づいていなかった(8 時からだと思ってた)。
でもそこから、85番八栗寺、86番志度寺、87番長尾寺とかなりペースを刻んで、長尾寺出たのが 13 時過ぎ。なんと1時間の計算ミスして書いた計画より速いペース!

しかし、そこの時点でもうフラフラだった。無理していたのも有るし、絶対に今日中になんとかしなきゃ!っていう不安で緊張して、長尾寺のときは、お経を上げる事さえままならなかった。
更に昼飯を食べるところがない!!混んで入れないラーメン屋の横で、お接待でいただいたおかしとゼリーをほおばる。明らかにエネルギー不足。そのまま突き進むも、前川ダムの手前くらいでガードレールにもたれかかってしまうくらいヤバかった。この感じでは絶対に無理と思った。
とにかく腹が減った…とお遍路交流サロンに向かう。おばちゃんが良かった。一瞬でお菓子とお茶をたいらげ、11.5kmの上り坂(国道)を2時間半で歩けば着けることが分かった。4.5km/h ペースで行ってギリギリ。
歩く。寝ながら歩く。ほぼ意識失ってる。それでも足を進める。道路標識の「あと◯km」という表示と一進一退の攻防。17 時 on timeくらいのペース。途中、「お遍路さん乗っていきな〜」と何度も声を掛けてくれ断り続けた方の車に乗せてもらおうか本気で悩む。休憩所では、着いた瞬間に崩れ落ちる。身体が熱い。足やばい。呼吸無理矢理。とうに限界は超えていた。
「ドとレとミとファとソとラとシの音が出ない〜」と壊れたクラリネットを歌い続け、「信じる者は救われる!」と連呼したり、大声叫んだり、意味分からず、それでも足を前に進め、なんと 16:35 に88番大窪寺に到着。
11.5km を2hで走破した。ほぼ 6km/h ペース、あり得ん(睡眠不足)。

着くちょい前、少しだけpeacefulな時間があった。
何ともいえない幸せ、 自然と戯れる事。May peace prevail on the earth 英語でなんかしゃべってた。
着く前はラスト1km 登りで、"overcome"じゃなく"波に乗る"感じがあった。しかもいろんな人が「がんばれ!」って後押してくれた。 大窪寺の門が見えたときの感動と言ったらもう、、泣いたし、大声で叫んでしまったよ。

境内でお経を読んで「ありがとう」と声が漏れ出る。お経を唱える足はガタガタ震えていて、太子堂で唱えるだけの体力がほぼ残っていなかった。
奇跡に近い。 自分に負けなかった。(計画どうにかしろ。あるとはいえ)

20 代でお遍路をやりきると誓った大原青年との約束、ちゃんと守ったぞー。運命の一日、ちゃんと乗り越えられたぞー。脚に感謝。親ありがとう。自信ついたよ!お菓子もらった。うまかった。

(お遍路を始めた)25歳のときに想像していたよりもずっとたくましい。 今は自分がすごく誇らしい。本日はここまで歩かせて頂き、ありがとうございました。たくさんの人の応援のおかげでここまで来れました。自分を律し、人のために生きる、多くの人を幸せにする、よろしくお願いします。これをおくだやで書いているということ。いろんな出来事がまるで走馬灯のように甦る。あきらめなくてよかった。よくがんばったね。

88番 大窪寺にて。おくだやの主人に撮ってもらった一枚

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