寝返る世間〜批判文化と称賛文化〜
先日、個人的に面白いと感じたニュースがありました。
迷惑系Youtuberで有名なへずまりゅうさんを取り上げた記事です。
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この記事は、へずまりゅうさんが能登半島地震の被災地に出向き、支援活動を行なったことを取り上げたものです。
支援活動に出向いた先で、現地の警察官からもらった温かい言葉に彼自身が感銘を受け、この日を忘れないとSNSに綴ったんですね。
彼の行動は素晴らしいし、被災地で今も苦労されている方がたくさんいることを考えると、「面白い」という言い方は不適切かもしれません。
ですが、『世間の反応』が面白いんです。
”嫌われ者”だった日々
正直、へずまりゅうさんのこと、僕はよく知りません。
ただ、迷惑系Youtuberとして有名だったこと。
たくさんの迷惑行為で批判を浴びてきたこと。
「悪名は無名に勝る」と言って選挙に出ていたこと。
すんごい数のアンチがいること。
知っているのは、せいぜいこれくらいです。
そして、彼が「被災地に支援に行く」と言った時、多くの批判が集まりました。これまでの行動から考えて、目立ちたいからやっているんだろうと。被災者をネタのように扱うなと。
あなたの周りには、これほど嫌われている人っていますか？
僕の周りにはいません。
彼のこれまでの行為がいいのか、悪いのか、ここについては触れるつもりもありませんが、かなり嫌われていたことは間違いなさそうです。
あなたがもしも、ここまで嫌われて、日本中に悪評が広まってしまったらどうですか？僕なら、結構ダメージを受けそうです・・・笑
自分の身の回りの人から嫌われただけでも、立ち直れないくらい落ち込んでしまう人だって少なくないですよね？
それを考えたら、彼のメンタルの強さはすごい。
たった一つの行動で寝返る世間
ところが、これだけ嫌われていて、やることなすこと批判を浴び続けてきた彼ですが、今回の世間の反応は全くの別物でした。
１ヶ月間、支援活動を本当にやり切った姿を見て、日本中からたくさんの応援と称賛の声が上がったんです。
・へずまさんの助けは被災者の方々を心から救っていると思います。本当にかっこいいです
・僕は受験生ですけどXを見る度にへずまさんを見て元気を貰っています
・最近のへずまさんはとても良いと思う
・いい顔してるわ
・昔のへずまりゅうさんより今のへずまりゅうさんの方がカッコ良いです
・本当に顔つき優しくなったと思いますよ。これからも応援しています
10年間の悪行があっても、1つの本気の善行で、世間は一瞬で寝返る。
もしも人から嫌われることに恐れたり、自分が何かマイナスの出来事を起こしてしまった経験がある方が、今この記事を読んでくださっているとしたら、世間のこの反応は、知っておいて欲しいんです。
世間は、いとも簡単にひっくり返る。
視点を変えれば、世の中は愛に溢れている
日本は、『批判文化』が根付いています。
SNSを開けば、あちこちで批判が飛び交い、日替わりで誰かが炎上しています。
心無い声に、日々誰かが傷つき、命を絶ってしまう方さえいる。
この『批判の声』にフォーカスすると、この日本は冷たい国に思えてくる。世間の全てが敵に見えるかもしれない。
だけど、この批判さえも、いとも簡単に称賛に寝返るものなんです。
へずまさんの過去は切り離し、今の彼の善行を讃えることができる温かい人たちがたくさんいるんです。
もちろん、以前批判をしていた人と、今回称賛の声をあげている人は別の人である可能性が高い。だから、批判していた人は、もしかしたら今日もまた批判を繰り返しているのかもしれない。
そうだとしても、あなたの人生の貴重な時間は、『称賛の声をあげられる温かい人』のために使って欲しいんです。
批判によって、辛い思いをする人が１人でも減って欲しい。
心からそう願っています。
ここから何を学ぶか
そして最後に、ここから１つの学びです。
それは、『償いとは、謝罪と反省ではない』ということ。
償いとは、貢献することです。
多くの人は、何か間違いを犯したとき、謝罪と反省をすることで償います。
その価値観の人は、間違いを犯した相手にも、謝罪と反省を求めます。
もちろん、それはそれで大切だとは思います。
だけど、この時、『過ち』は『プラス』を生んでいないんです。
せいぜい、反省した姿が迷惑を被った人の心を少しだけ成仏させているくらい。
どうせなら、過ちをきっかけに、『プラス』の総量を増やすべきだと思うんです。
つまり、償いとは貢献だと思うんです。
例えば、へずまさんが迷惑系Youtuber時代にたくさんの迷惑をかけていたとします。これはマイナス。
ここで、へずまさんが謝罪と反省をしたとします。これは、嫌っている人からすればスッキリする行為なのかもしれませんが、世の中にとってはプラスでもマイナスでもない。何も変わりません。
ですが、迷惑をかけた過去を改め、世の中に貢献する活動をした。
これは紛れもなく、世の中にプラスを与える行為なんです。
たとえ、ここにどんな下心があるとしても。
迷惑をかけたからこそ、それ以上のプラスを残しに行く。
これができて初めて、『過去の迷惑』に意味が生まれると思う。
長い人生、歩んでいけば、図らずも誰かを傷つけてしまうことはあるかもしれない。
その時、あなたは謝罪と反省だけで終わってはいけないんです。
そんな時こそ、貢献にフォーカスしましょう。
その一生懸命な姿を世間は見ていて、世間は簡単に寝返る。
批判が絶えない世の中で生きていく現代において、このことを心に留めておくと、少しだけ気持ちが楽になるんじゃないかなと思います。
へずまりゅうさんのことは全然知りませんが、今を見るのに過去は全く関係ない。
今回のへずまりゅうさんの行動は素晴らしいし、今後も彼のことは応援したいと思いました。