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最後には絶対に泣いている「汝、星のごとく」

こんにちは!まもるです。
今日は僕が以前読んで感動した本「汝、星のごとく」「星を編む」をご紹介します。良かったらぜひ最後まで読んでみてください!


「汝、星のごとく」ってどんな本?

「汝、星のごとく」は映画になり話題となった「流浪の月」の作者凪良ゆうさんの著書であり、2022年発刊当初から反響の大きかった本作。刊行後一週間経たずに重版が決まったとのことで当時からかなりの人気があったことが伺えます。

またその続編となるのが「星を編む」。個人的には2冊目まで読んで初めて物語が完結するように思います。2冊読み終わった時の感動と読了感は他に味わうことはなかなかできないと思います。

この2冊はどちらも主人公たちの人生を長く描いたものになっており、一作目の「汝、星のごとく」では17歳の主人公たちはラストシーンでは32歳になっており、15年にわたる男女二人の人生が描かれています。

あらすじ

主人公は父親が不倫相手のもとに走り、少しずつ心を壊していく母と暮らす高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され、暁海の通う高校に転校してきた櫂(かい)の二人。

主人公たちは親に振り回され、自分たちの恋愛に振り回され、ある時には社会からも振り回されてしまいます。そんな中で生きる中で二人は自分の思いを貫きます。

この人生の一部を一人の読者として共に追体験することができ、美しく抒情的な文章で鮮やかに描かれるとともに、一言で言い表すことが難しい人間関係の機微や、ままならない切実な感情を味わうことができます。

ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

「汝、星のごとく」あらすじより

綺麗な描写が多い凪良さん

僕は本書で初めて凪良さんの著書を読みましたが、まず最初に感じたのが「情景描写の美しさ」とそれでいて「想像しにくい表現がなくスッと情景や登場人物の感情が入ってくる」ということでした。

事細かに情報が書かれていると一見その情景を鮮明に想像することができそうなものですが、案外知らない情報や情報の多さに押し流されてイマイチピンとこないことも僕はよくありました。

ただこの本ではそれがありません。登場人物の女の子、井上暁海(いのうえあきみ)が登場するシーンの一部を抜粋してみます。

海岸線を自転車で走っていく。なににも遮られず島に届いた海風に髪が逆巻いて、額や頬を軽く叩かれる。一年を通して穏やかで明るいエメラルド色の海。ほのかに温かな日差しとまだ少し冷たい潮風。このままどこまでも走って行きたくなる。

「汝、星のごとく」P26 第一章 潮騒 (井上暁海 17歳 春)

海の心地よさが鮮明に伝わってきますよね。

この文章はほんの一部ですがこういった綺麗な文章が散りばめられています。

花の描写

季節がうつろいでいく描写もオシャレです。

4月ごろなんだなと感じる描写にモッコウバラやユキヤナギが咲いているのを見つけるシーンがあります。

4月ごろから咲き始めるユキヤナギ (柳が庭にあると家庭が崩れると言われているとか…)
4~5月に咲くモッコウバラ (花言葉は「純潔」「初恋」「素朴な美」)

先ほど引用したシーンのしばらくした後。暁海ちゃんはお父さんが不倫している相手の家の近くまで行きます。

大通りを山へと上がっていき、突き当たりのほぼ山の裾野に林瞳子さんの家はあった。古い平屋で、奥へ続くアプローチに黄色いモッコウバラが植えられている。

「汝、星のごとく」P31 第一章 潮騒 (井上暁海 17歳 春)

この描写一つで「季節感」とお父さんの浮気相手である「林瞳子さんがどんな人なのか」たくさんの特徴を感じ取ることができます。(僕は以前結婚式場で働いていた時、花言葉をフラワーコーディネーターの方に教えてもらったことがあり、こんなところで興味が活かされました)

人生経験の多い人ほど刺さるであろう重厚なストーリー

綺麗な描写で描かれるストーリーには「初々しい恋愛」もあれば他者への「怨念」のような感情もあります。読み進めていくと現代社会の「不条理さ」や「正しいこととはなんだ」という苦悩も描かれます。

そんな中で主人公の二人は「自分の人生を生きるという覚悟」を持ち、エンディングに向かいます。

まだ読んでない方はぜひご自身でどのような結末を迎えるのか読み進めてみてください。

最後に

ここまで読んでくださりありがとうございました。

この本は僕が初めて電車で読んでいるにも関わらず涙が出た本でした。
(自分もうつ病になった経験があったため尚人くんのストーリーは涙を堪えきれませんでした)

ラストシーンも涙なしには読めないものになっており、正直「ここまで泣くことになるとは」と驚いています。

ぜひ読んでみてください!

それでは!

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