「4歳です!」
あっという間の一年
3歳検診で発達相談してからリハセンター受診、自閉症スペクトラムの診断を受けたJくん。この一年、あっという間だったなと思う反面、あれはまだ去年のことかとも思う。幼稚園の面接でお断りされて泣きながら家に帰ったあの時の自分に言いたい。お断りされて本当に良かったよ。今では今の保育園以外に通うなんて考えられないくらい、私にもJ君にも合ってる園に通えることになったんだから。あの時、うっかりギリギリ幼稚園に入れちゃったら一斉保育の幼稚園に馴染めずに毎日辛い思いをさせていたかもしれない。退園せざるを得ない状況になっていたかもしれない。断ってくれた幼稚園にも、受け入れてくれた保育園にも、毎日混乱しながらも頑張っているJ君にも、毎日J君との関わりに失敗しながら投げ出さずにいる自分自身にも感謝している。
J君の近況
11月で4歳になり、しばらくの間はいくつ?と聞かれると「3歳です!」と答えていたが何度か教えるとちゃんと「4歳です!」と修正できていた。
保育園生活も半年以上経過し、生活パターンは理解し自立しているようだがやはりルールがある遊びはルールを守れなかったり、お友達のおもちゃを奪ってケンカになって手が出てしまうことは多いそうだ。お迎えに行くと他のお子さんが「J君のお迎え?」と私のところへ来て「J君嫌なことばっかりするんだよ」と言われたり、先生と話している最中に少し離れたところで他のお子さんたちが遊んでいる声が聞こえて「J君の順番なんて100番目でいいんだよ!」と言われているのが聞こえたりして結構精神的にダメージを食らうこともある。ルールを守れない、自分の思う通りにできないと泣き喚いて輪を乱す常習犯なのだから、「なんて嫌なやつだろう」と思われても仕方ない行動をしているのだから当然のリアクションだが、これから先成長すればするほどこうした批判を受けることが増えるのだろうなと思うとやはり気が重くなる。
自宅ではとにかく「J君やる!」と自分でやらないと気が済まない→うまく出来なくてかんしゃく…という2〜3歳の"魔"モードが継続(むしろ増強)している。ここ数週間は私が着替えを用意するとかんしゃくを起こし、「J君"好きなの"選ぶの!」とタンスから取り出す作業をしないと気が済まないが外気3℃の朝に半袖を取り出してきたりする。着たい柄が目につかないようにしまっても無駄、彼の中で着たい服は決まっているので隠したところで見つかるまで泣き喚いてタンスの中身を引っ張り出し続けるだけである。かと思えば私が一度用意して(それは嫌だ、"好きなの"選ぶ!と拒否されて)タンスに戻した衣類を寸分違わず出してきたりもする。"自分でタンスから取り出す"という儀式がしたいだけで物は何でも良い時も多く、こちらはルーティンに合わせたいがルーティンのパターンが多すぎて混乱する(そしてイラつく)。
J君の能力
前述の着替えのエピソードはほとんど毎日起きているが、イラつきながらも一瞬見た衣類を寸分違わず持ってこられる彼の記憶力に感心している。視覚優位であることは発達支援の先生からもお墨付き?をもらっているが自宅でもよく感じる。最近はテレビで英単語と発音が出てくる番組を見ているとスペルを何となく読み、正しい発音が流れると復唱し次の瞬間にはしっかりとスペルを読めていたりした。またおもちゃで遊んでいると突然日本語でも英語でもない言語でおもちゃの数を数え始め、なになになに!と慌てて調べたらスペイン語。たぶん、YouTubeで英語のついでにスペイン語も出てくる動画を見ていたのだと思うが、数えていた個数と単語は正しかった。視覚優位だが視覚と同時に入ってくる聴覚情報も得意なのかな?大人になるまでの間に、こうした得意なことをたくさん把握してどう活かせば社会に適応できるか本人と一緒に考えていけるといいと思う。
もう4歳。まだ4歳。これからも進級、就学と心配ごとは尽きないが、私が余裕を持って彼に合わせた対応をすればするほど素敵な笑顔で笑ってくれることが日々の救いであり力になっていく。
明日も適度に、がんばろう。
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