【尿トラブルから精神不調のケアまで】手にある全身につながる流れ“膀胱気脈I”
おてて薬師堂 仲尾 まみよです。
今回の手のツボ図鑑は
「膀胱気脈I」
膀胱というと日常の不調では頻尿、膀胱炎ぐらいしか思い浮かばないと思います。普通はそうです。私もそうです
ですが、ツボの世界における膀胱気脈ってすんごい経絡が長いんですよ。頭の先から足の先まで流れがあります。いろんな体の場所を通過するので、いろんなことと関係します。精神ケアの領域にも関連があります
なので、「おしっこをためる場所」という先入観を捨ててちょっと話を聞いて見てくださいね
きっと何かしら膀胱気脈で気になる症状があると思います
ではいってみましょう
膀胱気脈
後頭部から首～背中、腰からお尻、足先まで背面をつかさどっています
重要な「命穴」I37 まずはここから
膀胱の気を調節する命穴でもあり「陽実証」といって大腸が弱く下痢しやすくて椎間板ヘルニアがある方の一撃必殺穴です（言い過ぎかも(笑)）
押し方はいつものように「爪先で30秒」ほど押してみましょう
飛び上がるほど痛い場合はそのまま何度か押して欲しいですが
耐えられないぐらい痛い場合は爪はやめて指の腹でゆっくりと押しもみましょう。指の奥にある固いツボをやわらかくするイメージで。
拡大してみるとわかるかと思います
代表的なツボ（高麗手指鍼講座による）
①I2(後明): 後頭痛の要穴
②I3(脳精):中風、精神疾患、眩暈、後頭痛に効く要穴
中風とは脳梗塞などの脳疾患のことです
③I4 (脳明):後頸部の要穴である
④I8(百風):B19の横1分で、上気・上衝を伴う病と、半身不随、咽喉部の痛、手足の痙攣など
上気・上衡とは冷えのぼせなどの上半身に気が偏ってしかもそれがさらに頭部に突きあがってくるような状態のことです。高血圧や中風の原因のひとつです
＜気兪穴＞それぞれの臓腑につながっている「陽気が集まる穴」
⑤I10(脚勞):肺の陽気が集まる穴で、肺疾患の特効穴である。
⑥I11 (横門):心包の陽気が集まる穴である。
⑦I12 (心風):心臓の陽気が集まる穴である。
⑧I14 (肝鬱):肝の陽気が集まる穴である。
⑨I15 (胆清): 胆の陽気が集まる穴である。
⑩I16 (脾営):脾の陽気が集まる穴である。
⑪I17 (胃海):胃の陽気が集まる穴である。
⑫I18 (焦気):三焦の陽気が集まる穴である。
⑬I19 (水元):腎の陽気が集まる穴である。
⑭I20(腸道):大腸の陽気が集まる穴である。
⑮I21(吸穀):小腸の陽気が集まる穴である。
⑯I22(水通):膀胱の陽気が集まる穴である。
⑰I33(膕背):膀胱気脈の脈気が膀胱に入る合穴である。膀胱機能を調節するには 最適な穴である。特に膝窩部が引きつり膀胱経上が痛む場合に用いる。五行では土の性質を持つ。
⑱I34(臟下):膀胱気脈の脈気が大きく流れる経穴である。五行では火の性質を持 つ。膀胱経上の神経痛と、膀胱の引きつりを調節する。
⑲I35(腓山):膀胱気脈の脈気が入る兪穴である。五行では木の性質を持つ。膀胱に は瀉の作用を持つ穴である。多尿、頭重感(後頭部)、臀部痛に効く。
瀉とは不要なものを除くという意味があり、病の勢いが旺盛な時に瀉を用いて病の勢いを削ぐことで他の臓を助けて体の回復を図ります
⑳I37(陽京):膀胱気脈の命穴である、膀胱の気を調節する要穴である。足関節痛、 膀胱炎や頭痛、神経痛に効く。
㉑I38(通京):膀胱気脈の脈気が旺盛になる榮穴である。五行では水の性質を持つ。
膀胱気脈の効能まとめ（高麗手指鍼講座による）
腎・膀胱疾患
排尿異常 生殖器疾患
からだ後面（背部）に生じる疾患
神経性疾患
神経痛
精神疾患
各臓腑の病
膀胱気脈の使い方
最初にご紹介した膀胱気脈の模型図ではわかりにくいのですが膀胱気脈は
目から始まっているので実は目の不調にもよく、脳を通過するために精神疾患の調節にも良く用いると書いてあります。
私自身は多くの経験はないですが、中指のあたりの膀胱気脈を探っていると頭目がすっきりとしてきます。
また上記のように各臓腑に通じる兪穴があり、下肢にも通じるため坐骨神経痛などの痛みの調節にも用いられます
自分の手で膀胱気脈をたどって体の声を聞いてみてください＾＾
最後までお読みいただきありがとうございます
このｎｏｔｅは「五臓六腑につながる手のツボ」をセルフケアに活かしていただく第一歩としての掌活オンラインカフェで使う資料のひとつにする予定です
色々な情報であふれかえっている中、「良いもの」であっても、
自分にとって必要かどうかを見極めるのはなかなか難しいのではないでしょうか
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