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「365日の考えるパン」を読んで、レシピの価値を再確認する
「365日の考えるパン」を読んだ。
「365日」には食のワクワクがある
今や東京で1、2位を争う、と言っていいくらい有名なパン屋さん「365日」。私も代々木にはるばる、モーニング兼お買い物に伺ったことがある。
お店の中にはちょっと小ぶりで、ユニークな形のパンがずらっと並んでいて、入った瞬間からワクワクした。あれもこれも、とトレイに並びきらないくらいたくさん買ってしまった記憶。
モーニングも美味しかったし、お店のすみっこに並べられていた調味料や飲み物にも興味を惹かれた。
あんなお店がご近所にあったらさぞかし楽しいだろうなぁ、と東京を離れてしまった今、強く思う。ああいうセンスのお店って地方で見つけるのはすごく難しいし、あっても逆にものすごい田舎の方で(古民家改造的な)日常使いできなかったりする。
「365日の考えるパン」
で、この本は最初「レシピ本なのかな」と思って手に取った。そしたら全然違っていた。
レシピも大まかには書いてあるけど、365日の「あのパン」がどうしてあの形なのか?あのサイズなのか?あの食感なのか?シェフ(杉窪章匡さん)が描く理想のパンと、それを実現するまでのプロセス(食材選びだったり、捏ね方、焼成方法だったり)が詳しく解説されていて、すごく興味深かった。
お客さんがどの方向から食べるか、まで計算されてるとは思わなかった。あんぱんのあんこの位置をどこにするのか、まで明確な理論があった。
レシピの価値を考える
私もパンを焼くけど、一生この領域には辿り着けそうにない。レシピ通りに作れる人、とレシピを考えられる人は、全く違う次元にいる!
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今やネットを探せば簡単に「無料」のレシピが手に入る。なんだかそれが当たり前な気になってるけど、ほんとはもっと「作品」として敬意を払われても良いものだよね。レシピを作るのってすごくクリエイティブで繊細な作業だ。時間や手間も相当かかる。
最近はSNSでレシピを発信してくれる方もたくさんいて、そのレシピに「〇〇は△△でも代用できますか?」とか「電子レンジでも作れますか?」とか、色んな質問がぶら下がってるのをよく見かける。だけど、レシピが完成するまでのプロセスを思うと、それってすごく失礼な行為かも。まずはレシピ通りに作ってみないとね。
「365日のパン」が食べたくなった
そういえば、飽きないために塩味を均一にしていない、という話も面白かった。一見、食べるところによって味が違う(微妙な差であれ)のは、素人っぽい仕上がりな気がするけど、逆でした。
書いていたら改めて365日のパンが食べたくなった。今や全国どこからでもお取り寄せができる。とても便利で嬉しい。
でもやっぱり、あのお店のあの雰囲気を、もう一度味わいたいなぁと思う。