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毎日着たい服

「着心地が良い」の基準は人それぞれ異なり、特にスウェット類は生地の混用率で大きく変わると思う。混用率とは百分率で衣類に含まれる繊維を種類ごとに比率にしたもので、主に洗濯表示とともに内側タグに記載され、私は服を購入する際には必ずチェックしてる。(コンビニで商品の食品表示をチェックしてしまうのと同じ感覚だと思うのは自分だけ?)
ある人はコットン100%、別の人はコットン80%ポリエステル20%、コットン50%ポリ50%など、混用率で人によって心地よいと感じる感覚が違う。私は以前までコットン100%が総合的にベストでした。総合的というのは着心地、洗濯後の縮み、耐久力、生地の毛羽立ちなどのことで、コットン100%のスウェットは何回洗濯しても形崩さず、毛羽立ちやピリングができにくいし裏起毛ならごわつきもなく、好んでよく着ていた。しかしその一方でポリが入っているスウェットは着込んでいくとすぐ毛羽立つし、バッグを背負った日には、バッグのベルト部分との摩擦ですぐにピリングができるので、あまり好んで買っていなかった。しかしここ最近コットン100%ベスト説が覆る服に出会った。それがENNOY(エンノイ)のパーカーだ。

ENNOYというブランドは、1LDKとSO NAKAMEGUROのディレクターを務める三好良さんとスタイリストの山本康一郎さんが手掛けるブランドで、株式会社BROWZEの持つ自社縫製工場で生産を行なっている。基本的に抽選販売なので、なかなか商品が手に入らず、2020年3月に抽選発売され、そこでパーカーとスウェットパンツが当選し購入した。商品が到着し、まず生地に驚いた。カラーはグレーだったけど、「あれ?ところどころ茶色の生地混じっていない?」と思い、他も探すと何か所も見つけた。そもそも一辺倒のグレーでなく、杢グレーのような色味だったので複数の色の糸を織り交ぜているのだろうと思った。そして袖を通してみると、軽くて裏起毛の肌触りが抜群に良く、カシミヤみたいな触感。このパーカーの混用率はコットン62%ポリ38%で、初めて見る混率だった。一の位までこだわってそこまで変わるのだろうか。それは私自身、1%刻みで実験していないのでわからない。しかし、ここまで考えて比率を決めているということは、きっと何度もサンプルで試して行き着いた先がこの比率だったと感動した。
でもちょっと待てと。お前少し前に言ってたよな。ピリングができたり、毛羽立ちするの嫌だって。確かにその通りで、時間の経過とともに毛羽立つし、脇腹の歩くときに手がよく当たる場所はすぐピリングもできる。しかし、それが逆に良いと思えるパーカーだった。
スタイリストの山本康一郎さんも「毛羽立ちやピリングを楽しんでほしい」とインスタグラムの投稿で言っていたように、少し毛玉ができてクタってきた感じが良い味が出てきたなと思った。
最近は絶大な人気で、三好さんと山本さんのプロモーションが多くの人を惹きつけている印象。お互い服が好きで自分の好きなもの・着たいものがしっかり体現されている。三好さんの着こなしやコメントに対する丁寧な対応。さらに、山本さんが購入者に対してコメントで感謝してくれるなど、これら全てが要因となって人気を呼んでいるのかなと感じた。
ただ抽選販売がほとんどなので(たまに受注生産してくれる)、商品を手に取れる機会が非常に少ない。そもそも、混用率が同じ割合の服など見つからない、なぜならオリジナル生地だから。
でも何とかして同じ素材を手に入れたい!と探して見つけたのが、SO ORIGINALとUNIVERSAL PRODUCTS×YAAH(ヤアー)のスウェットだった。混用率が同じで、作ってる工場も同じだと推測してる。YAAHというブランドは、株式会社BROWZEが自社工場の強みを活かして生まれたブランド。企画・パタンナーは家田さん、ブランディングを担当している松本さんが、時間をかけながら自分達が納得できるプロダクトを作ることを目指しているとのことで、商品を手に取ってみるとそのこだわりというか想いが伝わってくる。詳しいことは1LDKのブログをご参考ください。


そしてもう一つがSOのスウェット。サイズ感ゆったり目でラグランスリーブで、服を着てないくらい軽くて、ラグランで肩のはりもゼロ。その上、身幅もゆったりなのでストレスフリーの一枚。グレーは既に完売しているが、ブラックとグリーンはまだサイズ欠けで在庫があるみたい!是非着て感じてほしい。これ着たら他のスウェットが着れなくなるから。

ここまで私のスウェット生地に対するこだわりについて話したが、この価値観を誰かに押し付けることは一切ない。服に対してこだわりがなくて、着れるなら何でもOKな人に「もっとこだわりを持ちなよ」と自分の価値観を押し付ける人が一番嫌いだから。
それと、綿100%がずっと好きだったのに考えが変わって、それをこだわりというのという意見もスルー。だってそれは別に悪いことじゃないなって。だって考えは人との出会いや経験したことで変わるものだし、人(モノ)から影響受けるのってすごく新鮮で刺激的だなって思うから。これを読んで少しでも何か届いてくれたら良いなと思いながら、締めの言葉を考えるけどいつも良い終わり方がわからない。
締めなくていっか。生地は奥が深いから。

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