詩「The Empty Night」
悲惨な過去も惨めな思い出もありません
何もないことが僕を僕たらしめていて
どう咽せいで叫んでもその事実に耐えきれないのです
痛みも歓びも与えてやれません
枯れた花に水をやることすらできません
これを人は甘えと言うのでしょう
幸福だったはずの
何も知らなかった子どもの自分に
もう戻れないこと
昔日の幻影にすがっている
醜い自分が今あること
いつも夜の底で考えている
明日が来ることが怖いんじゃない
この夜をやり過ごせないことがたまらなく不安なのです
どうしても
やりきれない気持ちに耐えかねて
弱さに項垂れてしまうから
せめて僕もここにいることを
変わらずにいることを
どうか忘れないで
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?