クリッパーズのFA戦記
お久しぶりです。Mameです。
既に開幕を迎えているのに、、、完全に乗り遅れました。笑
3ヶ月前にがーっと書いて下書きに入れたままのオフまとめ記事、最近は仕事が忙しく、中々作業が出来ないままでしたが、このまま破棄するのも悲しいので、後日見返す用に一旦投稿はすることにしました。なのでなんとなく少し前の目線で書かれていたり、終盤戦がかなり雑なのですが、生暖かい目で見守ってくれたら幸いです。。
今季、ちゃんと試合見れるといいな。。。
ということで、今回はクリッパーズの今オフの動きについて書きたいと思います。
去る5月4日、POでマーベリックスとのGame6に敗戦し、クリッパーズのシーズンは終了しました。
POではまたしてもカワイを怪我で欠き、ハーデン・ジョージを中心に奮闘したものの火力不足は否めず、敗戦した4試合では3試合が100点未満、残る1試合も101点に終わるなど、課題が残る結果となりました。
思い返せば、ファンの意見を二分した10/31のハーデントレードで始まったRSでは、ハーデン加入直後の大連敗からカムバックし、OFF RTG 1位の圧倒的な火力でファンを魅了、一時はリーグ1位の勝率を誇り、優勝予想では東のBOSと並んで西の筆頭候補に挙げられるなど、213時代で最も強いクリッパーズだと感じさせる戦いぶりでした。エースガードのP&Rから始まる新しいオフェンスは、213やマン、ノームがSpot UPシチュエーションでボールを持てる機会を増加させオフェンスを効率化しただけでなく、ズバッツをフル活用しスモールボールを卒業する等、多くの新鮮さをもたらしてくれました。
望んだ通りの変化が表れ、期待を募らせる戦いぶりだっただけに、POでBig3を見られなかったことは不完全燃焼な終わり方だったと思います。
そして、来季こそは…と思う私を横目に、オフシーズンが到来後程なくして私の最も好きな選手であるポールジョージの退団という衝撃的なニュースが飛び込み、213時代が唐突に終わりを迎えました。
ただ、悲しみに耽っている暇はありません。ジョージの退団が決まった後、フロントはプランBを遂行し、迅速に補強に動きました。派手さはなくなったものの、堅実で良いチームが出来上がっています。どこかのレポーターが言っていた「二つ星チーム」というのはいい得て妙でした。
とにかく今回はここ数年で最も大きな動きのあったLACのオフを振り返り、主に今後のLACにワクワクすることを目的として、来期以降の戦い方について考察してみたいと思います。
よろしくお願いします!
ポールジョージ退団
まずは彼の退団に簡単に触れておきます。
いや~、びっくりです。5月末時点でフロントからジョージとハーデンの確保が宣言され、てっきりその方向性で進むものと思っていました。。。
契約交渉の話が盛り上がっていましたね。ジョージは自身のポッドキャストで「(10月の)最初のオファーが2年60Mでリスペクトがなかった」と漏らしていましたが、その後フランク社長は会見で「(3年目の)50Mのプレイヤーオプションを付けていた」と言っており、真実は分かりません。いずれにせよLACはサラリー圧縮により、2nd Aplon抗っていたことが伺えます。ジョージの母が足が悪く、近所のLAだからこそ試合を見に来れていたことから、LACはジョージが退団しないだろうとたかをくくっており、その点もジョージをいらだたせたような経緯もあったとも言われています。
最初のオファーが少額すぎたとは思います。他方で、ジョージも過去に「カワイがNo.1で、私はNo.2だ。」と発言しながら、最終的に3年$149.5Mのカワイと同額のオファーに合意せず、それにノントレード条項を付けるか、他チームがオファーできる最大額4年212MのどちらかをとLACに迫り、LAC側がそのどちらも受け入れられなかったのもやむを得ないと思います。
ちなみにジョージのメディアでの発言を好まないファンもいるかとは思いますが、私はそんな不完全さも含めて好きでした。
仮に4年後もBig3がいたとして、38歳のハーデン、37歳のジョージ、36歳のカワイで優勝を目指すのは年齢的にも難しかったでしょう。彼らのトレード価値が下がる中で、2nd Apron下で補強に動けず、かといって指名権は凍結されている、リブランドし新アリーナの下で新たな未来へ向かうLACとしては、そんな閉塞感のある状況はどうしても避けたかったのだと思います。
「スターが30代となればチーム作りの在り方も変わる」フランク社長もそのように述べていました。
GSWとのトレードの噂もあり、「クリスポール、クミンガ、ウィギンス、ムーディーの4人の中でサラリーマッチ+2027年の1巡目指名権1つ」という条件が提示されたと報道されましたが、後にESPNのRamana Shelbourne氏が明かしたところ(※)では、GSWはクミンガを含むことを拒んでいたとのことです。且つ、両チームが2ndAplon下で放出サラリーより高いサラリーを受け取れず、厳密な計算が必要です。また、LAC側から見ればPFのクミンガが欲しいとはいえ、彼のような成長過程の若手を受け取って数年後の優勝を目指すような動きをしたとしても、2nd Apronを超えるリスクに見合っているかは判断が難しいところであり、結果的にLACはサイン&トレードしない決断をしました。
※Inside the Paul George free agency showdown - How the Philadelphia 76ers landed the nine-time All-Star - ESPN
無償で出ていかれたフロントを叩く人たちもいますが、否定しておきたいと思います。2nd Apronの恐ろしさを踏まえれば、もはやサラリーが空くということが大きな対価です。
今後のNBAにおいては、"2nd apronを超えるタイミングでチームが完成している"ことが重要です。また完成しているチームが、今後数年強度を保てることも重要でしょう。
ジョージ放出により2nd Apronを下回ることで、以下のアセットを既に得ています。何れも2nd Apron下ではなしえなかった動きです。
・DJJ(MLEで獲得)
・バトゥム(BAEで獲得)
・クリスダン(受入サラリーの方が多い、サイトレ、Cashを含むトレード)
加えて、今後3年間では以下のようなオプションも得ることが出来ました。
・凍結するはずだった7年後の1巡目
・サラリー状況次第で来年/再来年のミニ/MLEや再来年のBAE
・今後TEで獲得するかもしれない誰か
・柔軟なトレードの権利
曲解かもしれませんが、今後3年で見てこんなトレードだったと振り返れる日が来るかもしれません。そう考えると、少なくともGSWとのトレードに応じなかったところまでは反対する人はいないのではないでしょうか。
選手としてのジョージに話を移すと、今シーズンのジョージは、33歳にしてキャリア最高効率を誇り、シーズン前半ではハーデンにボールを譲りつつも、後半では再びかつての姿を取り戻し(後に、タイルーから疲労分散の目的であえてボールを離していた発言がありました)、やはりLACは213のチームなんだと思わせる戦いぶりでした。今季のEPMランキングでは、名だたるMVP候補に混ざってジョージは8位で、9位のカワイをおさえてチームトップでした。
その効率性をグラフに落とすと緑一色、圧巻です。
思い出を振り返ればきりがないですが、LACのステートメントでも記載されていた2021年のジャズとのゲーム5・ゲーム6は本当に最高で、私はあれ以降、オフシーズンはジャズ戦を見返すことが日課になりました。
「2021年を213時代最高のピークにせず、今期こそ過去最高のプレイオフランを.…!」
私はPOが近づく度にこんな思いでしたが、結果的には怪我に泣き、
18-19:CSF敗退
19-20:CF敗退
21-22:PI敗退
22-23:1回戦敗退
23-24:1回戦敗退
という結果に終わったことは残念ではありました。5年間続いた213時代は、RSを124勝57敗の勝率68.5%で終えた一方で、POの26試合は13勝13敗の勝率50.0%という結果となりました。
ただ、だから213時代が失敗だったという意見には反対です。EPMがリーグTOP10のツーウェイスターがタッグを組み、攻守でフロアを支配しながら、レジーやバトゥム、マン、ズバ、ノームといった素晴らしいロールプレイヤーに囲まれ、5年間優勝を夢見れたのは素晴らしいことだったと思います。個人的にもとても楽しめましし、そんな夢を長いこと見れる機会はそう多くありません。特に、2nd Apronが始まる今後のNBAでは…。
ジョージは、213時代を23.0P/6.0R/4.5A/1.5Sで駆け抜け、得点・アシスト・スティール・3Pでチーム1位、LACを初のWCFに導き、LACのALL TIME最多3PT記録(RS/PO共に)、単シーズン最多3PT記録、POで19試合連続の20得点越え、史上初の40得点13リバウンド6アシストFG75%というPOスタッツライン、213デュオとしても当時5組目となる連続の30点以上達成(30分以下での達成は史上初)等、彼の偉業を忘れることはないでしょう。
いつか見返すために、LACが公式に発表した声明も載せておきます。
視点を変えれば、ビジネス的にも大成功だったことは言うまでもありません。LAの”じゃない方”だったところから、フランチャイズバリューの順位で見れば名門の1つに食い込む勢いで経済的成長を遂げており、これはまさしく213時代が成し遂げた偉業の1つでしょう。もちろんロブシティのおかげでもありますけどね。
新アリーナ建設も踏まえて、今後新たなステージに進めると思います。
話せばきりがないですが、213時代の終わりという大きな転換点を迎えたLACは、ゆっくりかもしれませんが、優勝を目指して新たな方向へ舵取りをすることになりました。
ジョージが退団したことはこの上なく悲しいですが、一方で、新しいロスターの顔ぶれを見て、来期が楽しみな自分もいます。
自分は今後もクリッパーズを応援するつもりなので、来季以降のロスターを見渡して、今後について考えていきたいと思います。
新加入の戦士たち!
今回は詳しく触れませんが、再契約は充実していました。
オフに入ってすぐにハーデンと2年70M、またズバッツとマンという球団に愛されるコアメンバーとそれぞれ58M/3y(19M/1y)、47M/3y(16/1y)とリーズナブルに再契約できたことは喜ばしいことです。今シーズンはのびのびと活躍してくれたら嬉しいです。
再契約以外に、様々な選手たちが新加入してくれたので触れていこうと思います。ハーデンは何の迷いもなく延長してくれて感謝です。
ここ数年のオフ、LACはサラリーの柔軟性と若返りを意識した補強が多く、ジョージとラスという34歳と35歳の2人を放出して、バトゥムを除き30歳以下の選手を4人集めました。一人一人見ていきます。
バトゥム様
感謝感激雨嵐。おそらくマンズバに並んで、ファンから特別愛されている存在ではないでしょうか。私もバトゥムとレジーは特別に好きな選手です。その働きぶりについては、今さら言及するまでもないでしょう。
昨シーズンで引退を宣下していた彼をハーデントレードで放出したにもかかわらず、まさか帰ってきてくれるとは、しかも2年契約。彼に用いたBAE(Bi Annual Exception)は、2年に一度しか使えない例外条項ですが、バトゥムにはその価値があります。ちなみに2年9.6Mで契約しました。
フランス代表として働く最中、インタビューで「17個の選択肢があった」と述べており、その中からLACを選んでくれたことには感謝しかありません。タイルーとの強固な関係性があり、今でも彼が自分の人生を助けてくれたと様々な場所で発言してくれている、情に厚い聖人です。
ジョージはPO敗戦後にポッドキャストで、「バトゥムとロコが放出されたことで泥臭い仕事をしてくれる選手を失った」と半ばフロント批判のような発言をしていましたが、バトゥムは彼が向かったPHIからLACに帰ってくるとはなんとも皮肉なことです。
2人は共通してリーグ最高のVersatilityを誇り、様々なポジションの選手にマッチアップできます。35歳という年齢を踏まえると20分前後の出場時間になりますが、貴重なPF枠であり、KATやバランチュナス(WAS行っちゃったけど)等、昨シーズンのLACでは対応が難しかった選手への1つの回答になりえます。
かつてのような長時間労働はしないとは思いますが、ここぞというときにはスモールボールも見られるかもしれません。いずれにせよ、LACのシステムを熟知し、ジョージと同じクイックリリースのC&Sでオフェンスを円滑化し、チームでおそらくハーデンに次ぐエントリーパス精度でカワイを助け、DFでは柔軟なスイッチ力をもって、LACに貢献してくれるとおもいます。
今度こそLACで引退してくれ!
改めてよろしくお願いします!
(美しいノーディップスリーの様子を置いておきます)
DJJ
昨季DALでスタメンとして活躍した27歳のWing。DALの今夏の最優先事項と言われていたDJJとの再契約ですが、どういうわけかLACが3年30Mで獲得することに成功しました。
もともとDALは3年27Mのオファーをしており、LACの3年30Mと大して変わらず、またダラスは州税がないことから手取りはDALの方が多いはずです。ただ、延長時期になってDJJがクラッチにエージェントを変更、変更後一定期間(15日?)は契約が出来ない状況となるため、彼を待つと他のFA獲得が出来なくなる恐れのあったDALは先んじてナジの獲得に動いたと思われます。クレイをずっと狙っていたのであれば、クレイが来ればDJJが控えとなるため、控えなら彼と似たタイプの他の選手で代替できると考えたかもしれません。
このような動きを察したLACは、ジョージ退団が確定後、優先的にDJJと交渉したようです。
LAC記者団の取材に応じたDJJは、
“Dallas, they moved in a different direction,”
“They signed somebody else, so I was ready to move on.”
と述べており、特に喧嘩別れのような様子はなく、ナジ獲得や、もしかするとクレイへの関心など、方向性の違いから退団を決意したと述べています。
(https://t.co/nnG9dNoUr4)
また同じ会見で、あだ名はAirplane ModeでもDJでもDJ55でもいいけど、DJJはいやだと言ってましたね(ちなみに契約発表時にフランク社長もDJJって呼んでます笑)。散々ここまでDJJと書いてますが、定着してきたらDJにしましょうかね。
選手としては、7年のキャリアでシカゴなど6チームを渡り歩いてきた27歳の苦労人で、その高い身体能力から叩き込むダンクで度々ハイライトリールに載ってきましたが、DALではその堅牢な守備でキャリア最高の評価を得たと思います。
フランク社長は彼について、
“Derrick is an incredible athlete and a versatile defender who excels in transition and attacks the rim.”
“As we experienced firsthand in the playoffs against Dallas, he can change a game with his length and activity. We are going to have a tenacious defense this season and DJJ will be a huge part of it.”
と彼のディフェンスを称賛しており、ジョージ不在のスタメンで相手エースをマークすることになるでしょう。
ちなみに、tenacious defenseとは粘り強い守備という意味で、タナシスみたいな守備ということではありません。
彼は6'6"の身長に対し、7’0"のウィングスパンを持ち、その跳躍力も相まって高さを含めて守備範囲が広いです。また、マンやジョージのような、スピードはない代わりにFG%を落とすタイプのディフェンダーと違い、1歩目が早く、相手にシュートを打たせないディフェンスが出来るタイプで、LACでは非常に珍しいと思います。LACが今まで苦手としてスピード系ガード達、FOXやアント等、西を代表するガードたちをマークする枠割を担ってくれる姿が容易に想像できます。
ちなみに後述するクリスダンも同じディフェンスタイプのイメージです。
後述するクリスダン同様、ポジション別のDEPM(DFの推定プラスマイナス)で、PF枠でTOP10の選手です。
今季、彼は相手のスコアリングハンドラーをマークし続け、出場時間の54%にもなるその割合はリーグ1位です。これまた皮肉なことに、ジョージの言う泥臭い仕事の請負人がLACに来てくれたわけです。
先日のPOでもジョージのマークを担当し、171ポゼッション守りながら、10本しかシュートを決めさせなかったという記録は驚くべきものです(言ってて悲しい)。
他方で、心配な点にも触れておこうと思います。
まず、LACではマン・カワイと並んで4番起用という声が大きいですが、彼は本来3番の選手であると理解しています。
DALでは、シーズン当初はグラント・ウィリアムズと並んで3番起用されていました。怪我人がよく出たシーズンでもあり、その後ダンテ・エグザムやジョシュ・グリーンらと並べて4番起用もされていましたが、結果的にTDLでPFの補強が必要となり、PJワシントンの獲得に動いた経緯があります。
彼の身長は6'6"(198cm)で体重は209lb(95kg)と、サイズだけで見れば2番とも言えます、ウィングスパンやスキルセットを踏まえればWingの扱いは妥当だと思いますが。
テイタムなどに良いディフェンスをしていた記憶もある一方、カワイが避けたいAGのようなパワー系のPFを担当させるのには適していません。
ジョージの退団は、ペリメーターディフェンダーの喪失という単純な大証では言い表せません。彼は先に述べた通りPositional Versatilityでリーグ2位を誇り、LACがスモールボールで勝ち星を上げてきた立役者です。その恵まれた体格で4番までマッチアップし、時にジャレットアレンを守ったりと5番もこなします。彼が3線にいるとき、リムプロテクターとして機能している点は無視できない利点でした。同じメンツがコートにいても、3戦がジョージかノームかでは別チームと思えるほど強度が変わると思います。
最高到達点こそDJJの方が高そうではありますが、ポジション争いに負けず、ファールせずにシュートを妨げる能力は、タイルーにとって当たり前になりつつあった戦術の基盤をなす存在だったと思います。
DJが相手のパワーフォワード相手にどれだけできるかは、カワイをどれだけ休ませられるかということだけでなく、チームディフェンスを高める上で非常に重要な要素であり、注目したいです。
また、昨シーズンのDJはPTS、REB、AST、3PM、3P%でキャリアハイを達成しており、C&S&の3Pで34.8%、ワイドオープンの3Pで35%、POでは37.1%のC&S3Pを成功させ、日々改善していますが、まだ彼をノンシューター扱いするチームは一定数いるようで、そこは注視したいです。
特徴がはっきりした選手であり、相手によって得手不得手はありそうです。スタメンながらRSの平均PTは23.5分とそこまで長くはなく、OKC戦で40分出る試合もあれば、勝利したBOS戦では16分の出場に留まるなど、状況次第では長くコートに置けない可能性のある選手と理解しており、DALと違ってカワイがインサイドにいるLACでどれほど安定したPTをもらえるかは気になるところです。ただきっと、タイルーならうまくやってくれるでしょう!
クリスダン
7/2にFAの彼と契約合意したとのニュースが出てから2週間以上も公式発表がなかったものの、その間にラスを含んだサイン&トレードの道を模索、7/19にラス・2巡目指名権交換権・現金との交換で、3年17Mの契約を持ったダンを獲得することに成功しました。
2巡目交換権を放出してまでサイトレとした理由を考えるに、ラス放出がなければロスターは16名(クリスティー、ミラーは含まない)になってしまうこと、LACが使える例外条項で最も大きな金額はMLEの残り3.3Mでその金額ではダンが長期契約を了承しない、ないし3年目をチームオプションにして2026年夏にサラリーを開ける計画が実行できないこと、などが考えられるでしょうか。
フランク社長は、彼を「point-of-attack defender, a connector on the offensive end」と称しており、DFだけでなく、素晴らしいパサーであると称しています。”connector”とは、ハーデン獲得の記事でも書いたLACがポイントガードに求める要素の一つです。
2nd Unitで安定したプレーメイクと堅牢な守備をもたらしてくれるであろう彼は、ノームとの同時出場がしやすく、同様にKPJとも相性が悪くなさそうであり、重宝するように思います。
オフェンスでの貢献度がどの程度か、気になるところです。
KPJ
24歳という年齢はとても若いです。コビブラと同じで、23歳のカイジョーンズとそう変わりません。マンとズバが27歳であることと比べても非常に若く、その若さでHOUで1st Optionのような立ち位置でプレーし、22-23シーズンで34.3分出場し19.2p/5.3R/5.7A/1.4S/3.2toを44/37/78の効率で記録した経験は、他のLAC選手にはない強みになるでしょう。15.0のFGAでジョージとラスの穴を埋めうる存在です。過去に事件がなければ、ミニマムで獲得できるようなタレントではありません。
ちなみに2年契約には、プレイヤーオプションと、15%のトレードキッカーがついているとのことです。NBAを離れたのち、今年の4月・5月はギリシャでプレーしていましたが、複数のNBAチームからオファーがなされたようで、交渉をものにするためにそのような契約を彼に渡したのだと思います。もっと言えば、ジョージが去りオフェンスでのダメージを負ったチーム事情を踏まえて、ローテーションに組み込むとも囁いているかもしれません。今季活躍して、POを破棄すれば、サラリーが増える可能性がある点は留意が必要かもしれません。
オフェンスでのクリエイト力は、実績だけならLACの3番手になりえるところ、実はディフェンスにも期待できそうです。
彼のディフェンスは決して身体能力頼りなだけではないように見受けられ、手の出し方やジャンプのタイミングなどにセンスが感じられます。このディフェンススタイルで、ファールも2.6なら許容範囲でしょう。
心配な点があるとするならば、若いながら主役としてプレーしたいたこともありショットセレクションがタフであること、当時のHOUのDEF RTGは118.6でリーグ29位、規律あるチームディフェンダーのイメージがないことでしょうか。
オフェンスについては、リムアタックよりプルアップ主体なことも効率が不安定な要因の1つかもしれません。
ですが、彼がプレイタイムをもらえるならば、LACのXファクターになる可能性はあると思っています。
ちなみに、オフェンスのタレント不足から獲得が噂されていたラビーンですが、結局LAC側が流した噂ではない(となると、価値高騰を狙ったCHI側から流れたもの)とのことでした。デローザンやラウリーの話題もありましたね。誘惑に負けず、若さとサラリーの柔軟性を選んだのは正解だと思います。
モーバンバ
タイスと比べれば、年齢は26歳(タイス32歳)、身長は7'0"(タイス6'8')、ウィングスパンは7'10"(タイス7'0")、キャリア3Pは36.1%/2.3FGA(タイス33.1%/1.5FGA)と、数字だけ見ればサイズも3pも上回っています。
バンバはNBAでの6シーズンのうち5シーズン、怪我・病気等で出場時間が1,000分未満であり、健康面では懸念があります。他方で、ORLでの最終シーズンである2021-22年にはスターターとして1,824分プレーし、8.1R、1.7BRKを記録するとともに、3Pを1.5本打ち38.1%、FTを78.1%きめており、天井は相応に高そうです。
ただ、「ポストプレーヤーではなく、ファウルなしのディフェンスに苦労する。彼が最低契約選手であるのには理由がある」といった記事も見受けられ、まだまだ不完全な選手であると思われます。
ロスターにセンターがズバとモーバンバの2人(+カイジョーンズ)というのはやや不安です。ハイランドとタッカーを使ってセンターを獲得することがあるかもしれません。
ちなみに、バンバとカワイとの間には交流があることが明かされています。
バンバがドラフトされるよりも前、少なくともバンバがテキサス大、レナードがスパーズにいた当時も交流があったようで、バンバの兄が強盗で捕まった際、カワイから連絡してバスケの指導役を担った過去があり、ORL時代の2018年にバンバが「兄のような役割を果たしてくれた」とインタビューで語ったことがあります。バンバがドラフトされた際、カワイもインタビューで「彼のシュートとディフェンスは素晴らしい」と語っており、今回のトレードはカワイも喜んでいるのではないかと思います。
ジョージの時代には、ジョージのお友達人事が非常に多かったLACですが、放出された途端、カワイの友達が来るというのは非常に面白いですね。
The story behind Kawhi Leonard and Mo Bamba's special bond (foxla.com)
足元では怪我しちゃったみたいですね。
一刻も早い回復を祈ります。
去り行く選手たち
先程触れた通り、ダンのトレードでラスを放出しました。フランク社長は、加えて、ボーンズ・タッカーの放出についても言及しており、貰い手がいるか引き続き探しているようです。
ボーンズは才能を発揮した試合も少なくなく、今後彼の活躍を見られないのは残念です。ただ、現時点でトレードが成立しないところを見るに、ディフェンスレスでボールを欲しがる小柄なガードには、2巡目1枚を出すことも渋るようなリーグ状況なのかもしれません。50位指名とかでボーンズが来たら普通に喚起しそうだけど、同じ才能ならデカくてディフェンスできるやつ出ないとPTをもらえないリーグになりつつあるのかもしれません。
タッカーはしゃーない。
もうすぐ40歳ですが、一周回って東横キッズみたいなストーリーを上げてます。
オフに加入した選手の紹介は以上です。
このオフの選手集めは、クリスダンは3年目がチームオプションである点にも表れているように、長期契約は避ける形で進められました。
フランク社長は将来のサラリーの柔軟性を重視する旨のコメントを残しており、今期は今後3年を支えてくれそうな選手たちを、なるべく2026年の夏のサラリーを圧迫しない形で集め、FA獲得→残る選手たちを延長(ミニマム選手は最小限に)という絵姿を描いているように思います。結果的にマン、ズバの契約がまとまり、そこまでサラリーの空きはありませんが。
2026年夏の大物FAとしては、カリー、レブロン、ジミー、KD、ラビーン、FVV、ゴベア、カイリー、シェイ、FOX、ミドルトン、ポリチンギス、ランドル、JJJ、ミカル、AG等優秀な選手が数多くいます。POならヤング、ドンチッチ、エンビードもです。
誰が来るかは予想がつきませんが、今期PHIがジョージ獲得のためにコンテンダーにもかかわらずサラリーを大きく開けることに成功したように、各選手の契約期限をそろえることでFA獲得に備えているというわけです。そしてこの動きが長期的にはジョージが残留しミニマムしか補強できない世界戦よりも強くなるというのがフロントの考えだというわけです。
尚、2026年がターゲットなのであれば、ラスもタッカーもカットで放出し、ダンとサイトレにして2巡目交換権を放出せず、それこそバルマー氏の資産でデッドサラリーとして消化してしまう方が良いのではないかと思いましたが、その真意は分かりません。ラスとのトレードではジャズがバイアウトで失うCash以上の金額のCashをトレードアセットとして渡しており、目的のために金銭を明け渡す覚悟はあるのは間違いありません。
いずれにせよ、かなり顔触れが変わったオフですが、かなりワクワクするメンバーになったことは喜ばしく、一刻も早く新シーズンが見てみたいですね(始まりましたね)。
来季どうなる?
まず初めに、ジョージの放出で一時的には弱くなるものの、コンテンダーであり続けるはずです。来シーズンのMBP予想で12位(FanDuel Sportsbook調べ)、ESPNの21世紀最も素晴らしいスポーツ選手で85位に選ばれたカワイがいて、再建に入ることは許されません。また、リーグで最も継続的なWinning Seasonを過ごしており、新アリーナにおいてもその記録を更新し続けることを目指すはずです。
手術で開幕間に合わないのは残念ですが、それまでなんとか勝率5割以上をキープしたいところです。
カワイの相方となるハーデンも、LACに欠かせない選手となっており、彼が出ている時間と出ていない時間ではオフェンスが別物です。個人としてのアイソ効率でリーグトップクラスなだけでなく、サポートメンバーを輝かせ、カワイを助けるには彼の力が必要です。
アイソ以外のオンボール全般に広げれば、カワイは2位、ハーデンが9位、ジョージが10位です。
ハーデンは、プレイオフを21P/5R/8A(2TO)を45/38/61のTS62%と素晴らしいスタッツラインで完走しており、その存在感はチームトップにも思えました。
The Athleticの記事では、「ジョージはハーデンより良い選手だが、ジョージとハーデンは今は同じ序列だ」といった記事を書いております。プレイオフだけ見たらハーデンが上派も多そうですが、EPMなどで未だにリーグトップ10のジョージは侮ることはできません。
同記事では「ジョーンズとバトゥームはクリッパーズのディフェンスを向上させるのが任務で、シューティングガードのテランス・マン、センターのイビチャ・ズバック、シューティングガードのノーマン・パウエルはオフェンス面での役割拡大が期待できる。」
「2023年1月から2月にかけて、ジョージ、レナード、ズバッツ、モリスを含む先発ラインナップのポイントガードとしてマンが短期間出場し、20試合で28.8分の出場で平均11.6得点(フィールドゴールシュート53.0パーセント)、4.1リバウンド、2.9アシスト(ターンオーバー0.9)、1.5スリー(45.5パーセント)を記録した。これらの数字はすべて、2023-24年にフルシーズン先発として出場したマンの成績を上回るものだ。ズバッツは、ハーデンのピック&ロールやポストアップに絡む機会が増えるだろう。また、レナード、ジョージ、ハーデン、ウェストブルックがタッチ数を稼いだチームでは、オフボールでの効率の高い役割に大きく傾いていたパウエルは、オンボールの脅威としてより頻繁に必要とされるだろう。」
と記載されており、ノームやマンのさらなる活躍を期待しています。
Now what? How the Clippers will navigate the post-Paul George era - The Athletic (nytimes.com)
Law Murrey記者も言及していましたが、テレンスマンは、過去にPGとして良い活躍を残しており、オフェンスでの幅を広げていくことが期待されており、また彼次第でチームのオフェンスの安定感も変わりえるかもしれません。
マン・ズバは、(ほぼ)ドラフトからずっとLACにいて、その在籍年数からコアメンバーだとされてきましたが、今期は、戦力としてもLACの中心であると証明するシーズンになるかもしれません。
特にシーズン序盤はカワイが不在であり、アシストを得意とするハーデンがチームを引っ張る中でズバの活躍は間違いないでしょう。213がどちらもいない序盤戦は、マンとDJJが相手のエースを止めることでチームを助けるはずです。
そして、ハーデン不在の時間を誰が支えるのか、マンか、ノームか、はたまたKPJか、その役割を担える者のプレイタイム増加も間違いありません。
本当は今後のLACについて、色々考察してみたかったのですが、時間切れで今回は一旦ここで終わろうと思います(唐突)。
とりあえず、途中までは頑張って書いたので、尻すぼみですが、記事をリリースするだけしようと思います。笑
213時代が終わり、新アリーナで新時代が幕を開ける今季も、頑張って時間を作って応援に臨みたいと思います!
最後に、ズバッツが昨シーズン打ち立てた金字塔スタッツを見て終わりましょう。来シーズンはこんな試合がもっと増えるぞ!
多分今季はNOTEは中々かけないと思いますが、X(旧Twitter)で皆さんの考察を楽しみながら観戦しようと思います!
ではでは!
最後までご覧頂きありがとうございました!
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