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読書「ISSUE DRIVEN④」~スピーディーに結果を出す仕事術~

新人の頃は上司から振られた仕事に対して成果を出すことに努めてきました。最近、この仕事ってホントにやるべきこと?と自問することが増えてきました。そんななか、ネットニュースで紹介されていたのが安宅和人さんの本書となります。安宅さんはシン・ニホンを書かれた方であり、最近ではコロナ関連の討論会などでも発言されており注目されております。

※以下、本書に書かれていることに関して私が学んだと思う内容を抜粋しております。感想を「終わりに」に書きます。

・ワークにおける優先順位のつけかた

イシューを設定し、ストーリーラインと絵コンテづくりが終わったら、ようやく分析に取り掛かりますが、ここではいきなり分析を始めることは避けるべきです。それぞれのイシューの軽重を見極めてもっともバリューのあるサブイシュー(必ず最終的な結論や話の骨格に大きな影響力をもつ部分)を見極める必要があります。重要なサブイシューから取り掛かることでストーリーラインのなかで崩れたときにストーリーの組み換えが早く対応できます。それが終わったらバリューが同じくらいであれば早く終わるものから手をつけるようにします。これがアウトプットを出す段階における優先順位の付け方となります。

・都合のいい解釈をしないことが大切

実際にワークをおこなう際に注意すべきことは「答えありき」の検討を勧めないこと。様々な情報をフェアな姿勢で見て検証を進めていくことが必要です。都合のよいものばかり見てしまいがちですが、ストーリーの論理的に誤ってしまうことも多いため、注意が必要です。

・トラブルに備えて手を打っておく

次に重要なことは正しくトラブルをさばくことです。実際にワークをしているときに生じるトラブルに対して予防策を立てていく必要があります。予防策の方法は重大なことに関してできる限りのリスクヘッジをかけていくことです。二重三重に仕掛けを仕込んでおき、ひとつふたつと転んでもなんとか全体のイシューを検証できるようにしておくことが大切です。

・欲しい値が出ないときの対処法

典型的なトラブルに「ほしい数字や証明がでない」ことがあります。これに対するアプローチは以下の3つが挙げられます。
構造化して推定する:その値をいくつかの構造に分解し、組み合わせによって値を算出すること
足で稼ぐ:大体どの程度の規模感かわかれば答えがわかるという場合はフットワークで情報を稼ぐ
複数のアプローチから推定:重要な値の規模感が分からない場合は複数のアプローチから計算してそれぞれの値を比較して値のレベルを知る

・自分では解決できないときの対処法

典型的なトラブルの2つ目は自分の知識や技では埒が明かなくなることです。この対処法は人に効きまくることが有効です。それなりの経験者に派内を聞き、アイディアをもらうことが良い策です。そのため普段から多様な人脈をつくっておくことが大切です。
人に尋ねようがない問題や聞いても上手くいかなかった場合は、期限を決めて手法に見切りをつけることが良策です。期限は数日~数週間とモノに応じて決めて愛着のあるやり方にこだわらずにスピーディに対処していく必要があります。どんな方法であっても最終的にイシューに答えを出せればよいと考え、その視点で手法の見切りが必要かどうかこまめに考えることが大切です。

・仕事をスピードアップさせる方法

正しくアウトプットを理解して注力し、トラブルを回避すれば最後は軽快に答えを出すのみとなります。ここで大切なのは停滞しないこと。停滞を引き起こす原因としてまず挙げられるのが丁寧にやりすぎてしまうことです。著者の経験では60%の完成度を70%にするには0から60%までにかかる時間と同じだけかかり、更に80%まで高めるにはその倍の時間がかかると言われています。そこで1回で完成度の高いものを生み出そうとせず、何度も繰り返すことでレベルを上げていくことが良い方法です。数字をこねくり回さずに手早くまとめること、1回ごとの完成度よりも取り組む回数を大切にすることを念頭におき、受け手にとっての十分なレベルを理解してアウトプットを迅速に出すことが必要です。

・天才の条件とは?

本章では人工知能研究者のマービン・ミンスキーがリチャード・ファインマンを評した言葉が紹介されています。
いわゆる天才とは次のような資質を持った人間のことだと考える。
①仲間の圧力に左右されない。
②問題の本質が何であるかをいつも見失わず、希望的観測に頼ることが少ない。
③ものごとを表すのに多くのやり方を持つ。一つの方法がうまく行かなければ、さっと他の方法に切り替える。
要は固執しないことである。成功させようとまず決め込んでかかるから多くの人は失敗してしまう。ファインマンは一つのものに固執しない人間なのである。

~終わりに~

「すぐに取り掛かろう!」と意気込んでしまう私にとって、重要なイシューを見極めることの大切さなど学ぶことが多くありました。ただし、ここで書かれていることを実践してみて始めてわかることもあると思います。明日からのワークに活用していけたらと思います。

様々な場所で働いた人に共通することは、多くの視点からの考えを持っていることだなと感じていました。これまでいろいろな人に関わったり状況を経験し、アプローチの仕方を多く学んでいるからなのだと気づきました。またいろいろなものを見ているため、ずっと同じところにいる人よりも固執されないことも理由かなと感じました。一つの考え方、やり方に執着せずいろんなアプローチを早く考えていくことも大切だと思いました。

これまではどうしても完成度を上げることに躍起になってしまっていました。本章を読み、完成度を上げるためには繰り返しのサイクルをまわすやり方もあるんだということを学ぶことが出来ました。これからは60%の完成度で迅速にサブイシューを仕上げることを念頭において仕事をしていきたいと思います。

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