3歳6ヵ月男児 アイコンタクトの強化について/Neo発達外来 #011
発達専門の小児科医ママ友ドクター®にしむらゆみがこれまで担当してきたオンライン子育て相談の内容を匿名化し、ママたちに話しかけるような形で解決策や成功エピソードを紹介していきます。
Question.
アイコンタクトの強化に取り組んだら、怪訝な顔をされました。家族にも協力してもらって進めるべきでしょうか?
→アイコンタクトを合わせる練習の第一歩は
・本人から要求があったとき
・本人からのリアクションがあったとき
に親が目線を合わせ、反応することからスタートします。
子どもが遊んでる時の介入は、嫌がらない範囲を見極めつつ積極的にして構いません。遊びながら少しこちらを見てくれた時におおきめにリアクションをするとか、ちょっとだけふざけてみるとか、変な顔してみるとか、タイミングをみつつ、大人に目線を合わせてくるように日々遊びに取り組んでみてほしいです。
お子さんが眉間にシワを寄せるのは、今までと違うママの反応を見て「急にどうしたの?」と不思議でしょうがないのかもしれません。
「今まで目なんか見なくても、僕の言うことを何でも聞いてくれたじゃない? 分かってくれたじゃない?」という気持ちなのかなと想像しています。
まだアイコンタクトを強化して1週間なので、「ママの目をいっぱい見て欲しいから、これからはリアクションすることに決めたの」と毎回伝えてみてください。
お子さんはおそらく目を見る(見られる)ことが苦手だと考えられます。ママの行動の変化に驚いて、普段は行かないパパを求めていますから。
とはいえ、アイコンタクトはコミュニケーションの初歩ですから、苦手意識があることを念頭におきながら少しずつトレーニングした方が良いと思います。もちろんパパにも協力してもらいましょう。
「本人が要求がをしたら、目を合わせてから応える」と家族で対応を統一しておくことが大切です。
続けることでお子さんは目線合わせが得意にはならないけど、大人とのやり取りする時は仕方がないから目を見てやるか・・・くらいに習慣づけることは出来ます。習慣づいてくると目を合わせることへのハードルが少しずつ下がって、楽しいなと思いながら目を合わせたコミュニケーション力が上がっていくと思います。
気をつけたいことは、子どもからの要求が無いのに親が目を合わせにいったり、目を見て!とアピールしすぎると逆効果になってしまいます。
子供が親の目を見て反応してくれるようになると嬉しくて、ついつい名前を読んで「こっちを見て」と言ってしまいがちなのですが、それを繰り返されると子どもは段々と嫌になってしまいます。
子どもからすると、自ら要求を出していないのに頻繁に名前を呼ばれてそっちを見てみたところで、特に面白いことも良いことがない、という状態です。
最初にも書きましたが、アイコンタクトの第一歩は「子どもから要求が出たとき」ですから、くれぐれもその匙加減には気をつけてください。
わかりやすくアイコンタクトと表現していますが、
厳密にはアイコンタクトの習慣を通じ、
専門用語で共同注意(joint attention):
他者と何かに注意をむけ共有や共感をするちこと、の獲得を目指していきます!
続く…
ママ友ドクター®にしむらゆみ
小児科専門医・子どものこころ専門医
子育てと療育の専門家
乳幼児メディアアドバイザー
KidsDevelopReach代表
子ども発達相談アカデミーVARY主宰
子ども発達相談アカデミーVARY(西村佑美事務局公式LINE)
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