相談(17)心をゆるめる、大人のセルフケアとは?
(構成:高田ともみ)
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と:さて、前回の続きです。思ったのですが、子どもは何とか順応できるとして、この季節、問題は大人の方かもしれないですよね。この時期の自分のためのケアってどう考えたらいいでしょうか。
み:私は、どうしてもダメなときは誰かにお願いしています。マッサージや施術を受けて体にメンテナンスをかけますね。こうしなきゃ、ああしなきゃって心でずっと対処しようとしているから、お手あげになるので。
と:心でできないことは体で! なるほど〜!
み:誰かにケアしてもらうのも一つの方法です。また、わが子に対する考え方としては、「案ずるよりも、行ってしまったら、意外と大丈夫かもしれない」と考えるようにしていますね。今までの不安だったことなど振り返ってみても、「結局、その通りになったことってあるかな?」って思いませんか。
せ:ないんですよね!
み:そう、ないんですよ。だから「今回も良くなるかもしれない」って思ってみるんです。「きっと良くなるに違いない」って思って行くのは、気持ちから離れすぎてしまう。なので、私はよく「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」っていう言葉を使いますね。
と:「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」って、頑張りすぎてない感じがすごくいいですね。
ちょっと話が逸れるかもしれないけれど、ちょうど盛香さんが娘さんに「子育ては真剣にしたらあかんで」と言われたというSNS投稿を拝読したところだったんです。「そうじゃないかも」というのは、「真剣にやったらあかん」っていうゆるさともつながる気がしました。
せ:そうそう(笑)、これは、長女が次女(0歳)をあやすとすごい笑うんですよ。でも私がやってもそんなに笑わない。「どうしてだろね」って話したら、「真剣にやるからあかんねん!」って娘に言われて(笑)。楽しまなあかんねん、一緒になって遊ぶといいって。
み:それはすごくいいアドバイスですね。
と:その関西弁の柔らかさもいいなって思ったんです。「あかんで」みたいな。以前、みかさんに「語尾を変える」子どもとの関わり方も教えてもらったことがあって。
み:そうでしたね。子どもに何か言いたいときに、「アレしなさい、これしなさい」って言うと聞いてくれないけど、「ござる」とか突然語尾変えて言うとお互いゆるんで、「しょうがねえな」ってやってくれたりする。
(参考記事はこちら↓)
と:その瞬間、問題からちょっと離れられるんですよね。
せ:それおもしろいですね! 今日は貴婦人で「ちょっとやってくださる?」みたいな(笑)。つまり客観的になれるってことですよね。
み:語尾を変えるのも、遊びと同じ感覚なんでしょうね。娘さんがおっしゃってたような、一緒に楽しむことと似ていると思いますね。
と:春は「楽しんでゆるむ」がキーワードですね。この時期の親子に、みかさんからアドバイスをお願いします!
み:きっと、ストレスを感じてはダメだとか、ストレスは取り除かなければならない、と考えてしまう人が多いと思うんですよ。でも、それだと逆に溜まっていってなかなか解決しない。そうではなくて、「ストレスはしょうがない」「どんなにすごい人でも感じるものなんだ」っていう視点でいるといいのかなと思います。
私は、ストレスを感じたとき自分にかける言葉があるんですけど、「そういう状況だったらしんどいよね」「そりゃあドキドキするよね」って。自分のお友達が同じ状況だったらどう声をかけるか。その言葉を自分にかけるようになってから、私はすごく楽になりましたね。
せ:そう思ってはいても、つい自分に厳しくしてしまうときはどうすればいいでしょうか?
み:私も常に自分を責めていたのでわかります。でもあるとき、しんどすぎて、「もうええやん」ってなりました。今まで頑張ってきたし、誰も息が浅くなるまで頑張れとも言ってないし、そう言ってるのは自分だ、って気づいたとき、やっと自分に優しくできた。
私もいつもできるわけじゃなくて、段々できるようになったということですね。「あ、なんか今自分に冷たいな」って気づけるようになってきたと思います。
と:「あ、いまストレス感じてる」って気づけたら対処もできるし解決まで早いかもしれないですよね。
つまり、今日の結論は、子どもはほっといていいってことで(笑)。
せ:うん、やっぱ「緩む」やな、って思いました。もういいやん、それは大変やね、っていう自分への声かけ含めて、今日聞いたことを実践していこうと思います。
み:せいこさんなんて、乳飲み子を抱えてお引っ越し作業するなんて、それだけでえらいしすごいですよ。もっともっと、自画自賛していっていいと思います。
みかさん、ありがとうございました!