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【文学フリマで買った本】文学フリマ 東京39

1ヶ月近くたち、ようやく読み始めています(遅いぞ)。

今回初めてイベントに行ったのですが、来年は出展側になるかもしれないということで、様々な勉強を兼ねまして。
中身もそうだし装丁も気になったものはどんどん購入しました。

一応事前にブースのチェックはしていったのですが、吟味よりも感覚に頼った方が、結果一期一会の作品の出会いもあって良かったです。
とはいえゆっくり目に行ったのであまり時間を掛けて回れず、出会えなかった作品もあるだろうな~と思っています。
思った以上に人もすごくて、もみくちゃになることもありましたしね。


※各作家さんへのリンクは画像のキャプション内に張りました。noteがあればそちらを優先に、なければXその他わかるものをリンクさせていただきました。

小説系

津森七さん 『孕む』

タイトルのインパクトに惹かれました。四方を山に囲まれた村が舞台。この閉塞感から起こる出来事にワクワクしながら読みました。
情景も、村の階級的な世界観も、幻想的な人物描写もとても美しくツンとしていて良かったです。私の好みのお耽美感がありました。

津森七さん 『孕む』

まくら文庫さん 『蒼い森』

装丁がすごく好みで良くて手に取りました。伊豆の修善寺で本屋さんを営んでいるそうです。
男ともちもぐら・・・・・が穴の中で冬を越していると、そこに女の子が現れて…というお話。

まくら文庫さん 『蒼い森』

深川夜(ひつじラボラリー)さん 『掌編の小箱』

こちらも装丁に惹かれて手に取りました。

"少しさみしいお話や、少しやさしいお話を書いています"
"ハッピーエンドにはならない、何か"

頂いたネームカードと帯言葉より

これらの言葉にも惹かれました。
本当に短い短いお話が27篇収められています。

深川夜(ひつじラボラトリー)さん 『掌編の小箱』

自称純愛さん 『初恋の煮凝り 上』

R-18作品。お兄ちゃんの湊ことが大好きな菫ちゃん、そんな菫のことが大好きな弟、宵くん。という三角関係のお話。
下巻は執筆予定…とのことで、お待ちしております。

自称純愛さん 『初恋の煮凝り 上』

峯本つづきさん 『川の声』

小学生って残酷なところがありますよね。日常なんだけど非日常が日常に中に瞬時組み込まれる時があるというか。
私にも小学生の主人公が書けるようになりたいな、と奮い立った作品でした。

峯本つづきさん 『川の声』

夢虫みりさん 『ねがい』

こちらのブースは事前チェックで気にかけていたところです。デザインがとても好みで。
御本人とお話が出来まして、こちらの作品の思い入れがある、とのことでしたので購入。

歪な日常を描きます

家族に見捨てられ、やや投げやりな人生を送っている男の前に現れた、翼を欲しがる少女が出てくる『残照』と、芥川の「蜘蛛の糸」を少々彷彿させる、亡き妻を想う『ねがい』が収録されています。
人間が求めるものとは、うつくしいものばかりというわけでもないけれど、うつくしいか否かなんて、本人しかわからないだろうな、と。

ネームカードもすごく凝っていて、素敵だなと思いました。

夢虫みりさん 『ねがい』

利根川風太さん 『胎内の雪』

文フリの小説コーナーを歩き始めて一番最初に出会った作品。装丁をご自身でされていると言います。ダブルクリップで止めたものや、こちらの紐での装丁など、シンプルですがとても丁寧なものでした。ご本人は席を外しているとのことだったので、説明してくださった方は別の方だったのですが。
本当にしっかりした、文庫って感じの。むしろ一般的な文庫よりもしっかりしています。
プロフを拝見したら製本家、紙雑貨も作られているとのことで、プロ作品でした!

擬音が随所に出てくる。宮沢賢治みたいな感じ。

今読んでいる最中です。

利根川風太さん 『胎内の雪』と、フリー冊子の『会えない人』

本多司さん(虎ノ門駅前商店街振興組合) 『ふわふわのにぎり拳』

「嘘のエッセイです!」と紹介されていました。
そうか、エッセイって嘘でもいいんだ、と衝撃を受けて購入しました。ともすると掌編小説集のような感じにもなりますが、嘘なのにさもあったかのように書くエッセイ、という観点からの創作ってすごいヒントになるな…ととにかく衝撃的でした。
創作って嘘の固まりでいいんですもんね。

本多司さん(虎ノ門駅前商店街振興組合) 『ふわふわのにぎり拳』

零井あだむさん 『怪獣がいた夏の日』

大学生さんだったのかな? 帰り際の通りすがりに目に止まり、手に取ってめくった時に自分の誕生日が物語の出来事の日として書かれていたので「これもご縁ですね」と購入。

古生物、怪獣、UMAは自分とは全く無縁な題材でしたが、それにまつわる若者たちの切ないひとときが印象的でした。
『青き夏空のプテラノドン』『怪獣がいた夏の日』『さよなら、モーケレ・ムベンベ』の三作品収録。

零井あだむさん 『怪獣がいた夏の日』

旅本系

スギモトマユさん 『イケオジの本』『イケオバの本』

装丁、使用している紙そしてインクにもこだわりがある、とのことで、そういうこだわり大好きですし、旅が好きだったら響かないわけがないタイトル。
とくにおじさんの方はね、何でしょうね、海外に行くとやたらとおじさんがそこここにいて、昼間っから何してるんだろうって思うようなこともあって、その魅力がめちゃくちゃわかるんですわ。

あとはやたらとおせっかいしてくれるスラブ系のおばあちゃんたちとか(実体験の話です)

日本って若く見られる方が美徳なところありますけど、海外はむしろ逆だったりしますし、いい感じの歳の重ね方をお手本にしたいです。

TABIMARLタビマールという、タビがテーマの雑貨屋さんもやられているそうです。

スギモトマユさん イケオジの本
イケオバの本

青木弘之(Plava Stablo)さん 旅豆本

ハンドメイド作家の青木弘之さんの作品。
装丁も全てご自分で、しかも表紙の布はその国で買ったものというこだわりです。

行った国ほとんど買い占めたかったですがそうもいかないので、今度行く予定のセルビアと、表紙の布がとにかく美しかったヴェトナムのホイアンの2冊を購入。
内部もご自身で撮られたスナップショットが盛り沢山。

装丁は叶いませんが、私も旅冊子作りたいと思いました。

青木弘之(Plava Stablo)さん 旅豆本


総評

文学に限らず好き嫌いが激しすぎて、全く本を読まない人でした(それでよく書くな)。
今年は色々思うこともあり…ってもしかしたらこの文フリもきっかけの一つだったかもしれませんが、あまり選り好みしないで読むべきだよ、書くのなら、と思い、図書館に通う日々を11月から送っています。

まずどうしたら作家・作品の予備知識なしで手に取ってもらえるか、となると、やはり装丁だろうな…と思いました。当たり前か。
特に私は "顔" で選びがちなのもあるのですが、装丁は手を抜いてはいけないな、と感じました。
ここは自腹がかかっても妥協はなるべきしないでいきたいと思います。

と言いますのも。

次々回くらい、文フリに出展するかもしれません。
名だたる方々とのアンソロジーを出す、かもしれません。

自分の拙い作品でお金取るなんてとんでもないと思ってる輩なので半分便乗、力んでしまいそうなのですが。
であれば、個人の作品を本にするなら装丁に凝って見かけだけはどうにかこうにかして誤魔化そうかなとか(本でもお酒でも "顔" で選びがちなので)。

「旅小説なんてのもいいんじゃない」なんてアドバイスも頂き、旅行記が苦手な私はむしろ、異国の地を舞台にお話にするのもいいかもな、なんて。
三浦春馬さん主演ドラマ「tourist」みたいな感じ。
よしこれだ。もう決めた。書く(がんばる)。


今回、ある程度ジャンルは絞ってブースを回りましたが、今までだったら読むことがなかったと思う文体にも出会いました。私の視野も広がっているといいな、なんて思います。


こうしておびただしい数の "小説" という命が生まれ、お金を払って色んな人の手に渡っていく、ということに、自分も参加していいんじゃない? と勇気を持つことが出来ました。




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