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「大きな嘘の木の下で」を読んで。

言わずと知れたOWNDAYS田中社長の書籍第2弾、「大きな嘘の木の下で」を読んで、心に残ったことを書き残してみる。


「幸せ」という言葉は「状態」ではなく「感情」

「〇〇さんを幸せにしたい」というのは、そもそも日本語の使い方が間違っている。「おいしいご飯を食べた。おいしい。幸せ・・・」。この幸せという感情は、その前に「お腹が減った」という苦痛がないと感じることはできない。

ここで言いたいのは「幸せ」というのは状態ではなく感情であるから、同じ感情がずっと続くようなことなど無理、ということ。

運命の人でも、親友でも、ずっと同じ感情を保つのは無理なので、どこかで憤りや悲しみの気持ちにとらわれることがある。

そして感情とは相対的なものだから、「比較対象」が必要となる。例えば、「1時間前までの自分」だったり「同僚のいま」だったりする。「絶対的な幸せな定義」というのは存在しない。

そう考えると、「幸せになりたい・(誰かを)幸せにさせる」と考えることそのものがあまりにも不確定で、不明瞭なものなんだな、と感じた。

本書では「幸せ」ではなく「豊かさ」を追求しよう、と言い換えている。豊かさは感情ではなく状態を表す言葉だと思うので、常に一定の「豊かさ」を追求するのはいいかもしれない。


モノ消費→コト消費→ヒト消費へ

時代はモノ消費からコト消費へと移り変わり、今は「ヒト消費」の時代に突入したのだ。ヒト消費は学習塾でもレストランでも、メガネ屋でも、靴屋でもどんな業界でも起きてくる。

「〇〇先生から教わりたい」「〇〇さんの作った料理が食べたい」「〇〇さんがいるから、靴はこのお店で買う」そんな社会になっていく。

良く言われている話だけど、商品・サービスのクオリティがどんどん上がってきて、コモディティ化した結果、最後の決め手となるのは「誰からモノを買うのか?」というヒト消費になる。

ヒト消費とは上記の通り、〇〇の役に立ちたい・応援したい!という感情。

↓のアンケートでも「約60%の人が、お金は誰かのためや共感できるモノに使いたい」と回答している。

もう1つ、今日読んで記事で一気にファンになったお店がある。

フレンチレストラン「sio」のオーナーシェフ・鳥羽周作さんの記事。フランス料理店であるsioが、twitterで家庭向けにレシピを公開しはじめたのだが、その理由が「幸せの母数を広げるため」とのこと。

普通のレストランなら、美味しい料理を提供してたくさんの来店を増やす、という言葉が出てくると思うんだけど、鳥羽さんのミッション(=幸せの母数を広げる)には「大義」を感じられて、その大義のために「料理」があるんだなぁと思った。料理によって大義が表現できる。より大義を表現できるものがあれば別のモノに変化できるはず。

完全なマーケット・イン発想。素敵。


出世とは「人から必要とされている」ということ

出世とは「人から必要とされている」ということだ。社長や医者や弁護士という肩書きがあるだけでは「出世した」とは言えない。「出世した」と言うためには、肩書き以外に、人から必要とされていなくてはいけない。

まず目指すべきことは、人から必要とされることだ。必要とされた結果、社長になれたに過ぎない。順番が逆なのだ。そこがみんなすっぽり抜けてしまっているから本質を見誤る。

社内外どちらにおいても、話しているときに「偉くなりたい・昇給したい」という人に会うことがある。志は大いに結構なんだけど、個人的に感じるのは「役職というのは実力がついた後から付いてくるもの」だということ。

田中社長は出世=「人から必要とされている」と定義付けている。もし現在、管理職に就いている人で人から必要とされていない人は、きっとその職を降りた方がいい。

ほんの少しでも「上を見て仕事をしている」「すがっている」姿を見せようもんなら、それはもう実質降格していると言えよう。

役職など関係ない。役職なんて会社にいる他人が決めた枠組み・評価制度であって、それに縛られる必要などない。

人から必要とされることを続けて、その母数を増やす。それを続ければ肩書きなんて勝手についてくるんだと思う。


「労働」と「仕事」は違う

「労働」イコール「仕事」という捉え方は一度捨てて、「自分の使命としてやっているかどうか」「自分のやりたいことかどうか」で、自分の仕事をもう一度振り返ってみてほしい。

たとえば、消防士や警察官、自衛官や医者などはおそらく自分の仕事を「労働」だとは思っていないだろう。「人の命を救いたい」「人の役に立って笑顔を見たい」「社会を良くしたい」という使命感があるからやっている人たちばかりだ。

ここでいう労働と仕事の違いとは「使命感」を持ってできるかどうかだと思っている。

使命感とは「与えられた(もしくは自分で生み出した)仕事に命を懸けられるかどうか」。消防士だって、飲食店の接客業だって、トラックの運ちゃんだって、みんな同じ。その仕事に自分のすべてを注ぎ、努力をし続け、最高のアウトプットを出すことにコミットする、ということ。

いまの仕事は「労働」?それとも「仕事」?これを自問したとき、自信を持って「仕事」と答えられる生き方をしていきたいと思う。


どん底の時に自分を支えてくれるのは「嫌いな奴」

自分を最後の最後に踏ん張られてくれたのは、「思い出すだけでも胸がムカつくほど、嫌いな人たちの存在だった」という事実だ。

OWNDAYSの再建に僕が失敗したと知ったら、あいつらは「ほらな!やっぱりあの生意気なガキには無理だったんだよ!ザマーミロ!」「有志しなくて良かったよ!」「一緒にリスク取って商品作らないで良かったよ!」と祝杯をあげ、僕の失敗をおいしい酒の肴にして居酒屋で語り合うだろう。

これには共感しかなかった(笑)。

好きな人・信頼できる人には勇気をもらうけど、最後の踏ん張る力というか、もう1歩努力しよう、と思えるのは「負の感情」だと思っている。

自分をバカにしたあいつに負けたくない、もっと努力しないとあいつに勝てない、と思えるのは、「悔しさ・悲しさ・寂しさ」などの沸々とした負の感情をためておくことが大事だ。

名作「プラネテス」の星野八郎太(通称「ハチマキ」)もこんな名台詞を残している。

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※画像は以下サイトよりお借りしました。


「説明」から逃げるな

全社員の毎日のスケジュールを公開し、店長の決め方から、管理職の選ばれ方、社員みんなの給料の額、経営陣の役員報酬の額に経費の内訳、出店場所を決めた理由、広告宣伝費の使い方、投資の基準まで、なにかく、なんでもかんでも会社にまつわる全ての事柄をできる限りオープンにし、ブラックボックスを破壊し、みんなが納得して働けるような環境作りを意識し続けている。

みんな「理由」をきちんと知りたいのだ。だから社長はその「知りたい」に真摯に向き合って全てにおいて逃げずに説明する義務がある。これこそが社内の空気を良くする唯一の方法だと僕は思っている。

昨年末に読んだ北野唯我さんのOPENNESS(オープネス)でも同様に、

・①経営開放性(経営者が社員にどれだけ情報を開示しているか?)
・②情報開放性(従業員が自分の仕事を意思決定する上での十分な情報が容易にアクセスできる状態にあるか)
・③自己開示性(従業員が、ありのまま自分の才能を自由に表現しても、他者から意図的な攻撃を受けないと信じているか)

の3つが肝要であるとまとめてあった。
※桜井的まとめは以下noteを参照

不平不満は情報の開放性・開示性によって8割方解消されると思っている。だから、経営者をはじめ独自の情報を持っている人はすべて、ありったけの情報を開示すべき。

これはあくまで個人的な見解だけど、情報を開示しないというのは何か「やましいこと」「不安なこと」があるということだ。突っ込まれたくない、面倒くさいから情報を出さない。でもそれって自己都合の怠慢でしょ?

私は情報を隠さない。やましいことはないし、もし独自情報を持つ必要があるなら、そのための説明責任があると思っている。「私はこれこれこういう理由で独自情報を持っています」と開示すべき。

だから、裏でこそこそやっている管理職以上を見るとシンプルに軽蔑してる。だせーな、と思ってる。


夢中には勝てない

仕事というものは、どんなものでも一人では完結できず、周囲のスタッフや関係者など、沢山の人の協力が必要不可欠だ。この「情熱・やる気」という力は、仕事を成功に導く為に、とても大切な要素なのだ。

夢中は、どんな努力や才能にも勝るのである。

静岡県で広告代理業(主にマーケティングアドバイザー)事業に携わっているけど、なぜか根拠のない自信がある。ま、考えれば根拠はあるかもしれないんだけど、、

なぜ自信があるかというと、私は今の仕事に夢中になっているからだ。

仕事が好きだし、クライアントが好きだし、クライアントの商品・サービスが好きだ。そして一緒に仕事を進める仲間のこともそれなりに好きだ(中には嫌いな人もいるけど・・・)。

私は夢中になっている。だから朝から夜まで働くことは苦痛ではないし、休日だって仕事するし、土日にインプットした内容を企画書に落とし込む、ということも日常的に行っている。それは誰かに強制されたり、恐怖心から行動しているわけではない。単に楽しいからやっているだけ。

そしてそれは子どもにも共通するものがあると感じる。子どもを見ていると1つのことに「没頭する力」があるな、と感じるときがある。食べることや寝ることを忘れて夢中になっている。

そこに時間軸もなければ、努力(本人は努力とは思っていないだろうけど)の限度もない。すると大人顔負けの、大人以上のアウトプットを出すときがある。成長を目の前で見せつけられる。

夢中になれる大人は強い。だから私も夢中のまま、走り続けようと思う。


以上。

オンデーズの田中社長には多くの言葉をもらいました。これからの人生、糧にさせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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