「観察するということ」
花々を眺めていると、同じ種類の花でも「どれ一つとして全く同じ花はない」と思うわけです。
花弁の大きさ傾きや並び。
所々で欠けていたり、あるいは花弁同士が重なっていたり。
桜の咲き誇る様、散りゆく様にそれぞれ異なる美しさがある中で、総体としての美しさ、そして花一つひとつの美しさもある。
共通項と共通項以外を区別し、共通項を軸として分類していくことは、物事を束ねる力がある一方、「共通項以外に内在する個性」を捨象することでもある。
最初から「一般的にこういうもの」だと最初から決めつけるのではなく、具に観察してゆく中で「らしさ」を見出していくことの大切さを忘れないようにしたいものです。
「一般性」は真空状態から生じるのではなく、「相異なる個」から始まるという原点に立ち返るということ。