相談支援専門員とは
これまでのコラムでも書いたように、以前の職場では、相談支援専門員でした。この資格は、障害児者のケアプランを作ることができるとされているが、できることは幅広い。
「サービス利用計画」は「障害者ケアプラン」とも呼ばれていますが、どう違うのかという話をすると本題にいけないので、カットします。
この資格は、「試験なし」で「実務経験と研修」で取得できるというのが特徴です。(僕が取得したときですので、今後変わるかもしれません。)
実務経験の条件は色々ありますが、「高齢者・障害者分野での勤務経験が、合計5年以上」となっており、僕の場合は「老人ホームでの介護職員1年半+障害者就労支援施設3年半」で研修受講です。要するに、老人ホームでの介護の経験が「5年以上」でも受講できるということです。
研修は、5日間だったけど、最近は伸びたような・・・。
研修内容は、介護支援専門員実務研修とほぼ同じような内容です。講義とグループワーク、事例演習、社会調査等で進んでいきます。※僕は、ケアマネは取得していません。
研修修了で、本格的に相談支援専門員として仕事ができます。
ただ、この資格も「5年ごとの更新制」で「現任研修」があります。
何をするのか?(制度や住んでいる地域で変わるかもしれません)
高齢者のケアプランと違うことは
①モニタリングの頻度がサービスの利用状況により異なること。
通常では、施設入所だと1年ごと、在宅介護だと毎月・又は3か月ごと、通所サービス利用だと6か月ごと、だったりしますが、市役所の福祉課との協議もしていきます。因みに、市から発行される障害福祉サービス受給者証にも、モニタリング期間は書かれていますが、分かりにくい書き方をしていると、市の担当に確認をしていました。
②障害の範囲が広い。
身体・知的・精神障害だけでなく、障害児、発達障害、難病も含みます。しかも、重複障害もありうる。
相談員さんによっては、得意・不得意、専門分野がありますので、最初の受付のときや計画の依頼を受けた時に、ちょっと拒否や提案をするかもしれません。
③関わる頻度が長くなる。
また、年齢が幅広い。子供から成人まで、です。一度、契約をしたら、本人・事業所からの契約解除や、事業所変更、本人の死亡などがない限り、本人とのつながりは続いていく。65歳を過ぎたら、介護保険の対象になり、介護支援専門員に変更になることが多いです。
こちらのコラムを参考にしてください。
④社会資源の範囲が広い。
と書いたが、サービスの内容のことを言いたいのではなく、相談支援専門員がサービス事業所を調整する際に「周辺市町村のサービスの状況を把握する必要がある」ということです。また、医療機関も、身近なところだけではなく、本人が「昔から診察をしてもらっている遠くの医療機関」ということもありうる。
⑤相談支援専門員1人の担当件数の上限が決まっていない。
このことは、これから改善されていくとは思いますが、僕が相談員だったころ、他の事業所の相談支援専門員では一人で90件くらい担当していることもありました。モニタリングの頻度が人によって違いますから、出来たのかもしれませんが・・・。
そして、人によっての難易度もいろいろ。安定してサービスが利用できていることもあるし、数か月ごとにサービス事業所がコロコロ変わってしまうこともある。
また、担当する相談支援専門員は「支給決定をしている市町村」の相談支援事業所の相談員が行なうことが多い。だから、支給決定をしている市町村から離れているグルーブホームに住んでいる場合でも、遠くから相談員さんはやってくる。その一方、支給決定をしている市町村で相談員が見つからない場合や、信頼している相談員さんが他の市町村の場合は、他の市町村の相談員さんにお願いすることもできる。
計画書を作っていても、本人や社会の状況は変わっていく。支援していけばいくほど、沼にはまっていくようなケースや、相談員が整理したら改善していったケースも様々。色んな可能性を考える中で、利用者も相談員も成長していくはず。
計画書を作る過程は、ケアプランとほとんど同じ。ただ、障害の程度や発達によっては、主治医や保健所との連携も必要になる。ただ、相談支援専門員としても「本人の意向」をもとに計画を立て、支援するのは基本。
「計画なんて必要ない!」と思っている人もいます。
今まで通りにサービスを使えればいい!
そんなのがあったら、管理されているようで嫌だ!
でも、「本人にとっての適切なサービス利用」を「本人と共に考えていく」計画だから、相談員さんはちゃんと判断してくれるはず。
そして、すべてを任せるではなく、『考える事を支援する』計画を立ててくれるはず。
僕は、そこまではできなかったね。
ここに書かれている内容ではちょっともの足りなかったり、もっと知りたかったら、お住いの市町村の障害福祉課(障害支援課)に聞いてみるのが、良いと思います。
まだ、これからの制度の改正などで、変わっていくこともあると思いますね。