福祉領域での目標設定
計画を立てることは、利用者にとってはやる気を起こすものであり、支援者にとっても方向性をしめすものであり、重要です。福祉サービスを利用する中で、計画は絶対あります。
重要だからこそ、あやふやだったり、中途半端なものにしてしまうと、後で困ります。
そうはいっても、目標を「立てる」、もしくは「見る」時のポイントを僕なりに考えてみました。
どこを基準に目標設定するのか
サービスごとの内容によっても変わりますが、自分にできることを設定するのか、やりたいこと(希望)を設定するのか、直したいところを解決するように設定するのか、実現可能なことに焦点を当てるか、など。
「本人の大きな目標を目指す中での、小さな目標(スモールステップ)を達成することに重点を置く」と言われています。ただ、人によっては「すぐにでも成果を出したい」と思っているので、「大きな目標を見せることでやる気を高める」こともありました。
やる気だけはあるのも困りますが・・・。
期間 長期目標、短期目標
長期というと「6~12ヶ月」、短期というと「1~3ヶ月」と考える事が多い。リハビリやADLに関係するものだと3ヶ月が多く、生活訓練や就労訓練だと6ヶ月が多いかな。ただ、期間を決めるということは、そこに見合った、期間内で達成できるであろうサービス内容を決めているはずです。ダラダラと何をしているのか分からないようなサービスでは、本人も支援員も目標が分からなくなることがあります。
そして、期間だけに気を取られてはいけない。だって、通所する日数が少ないと目標に達成するのに時間がかかる。
支援内容
社会活動面、ADL(日常生活動作)面、就職スキル面、生活習慣、医療との関わり、などから本人とのアセスメントをしたうえで「具体的に」設定していく。多くとも6つくらい。基本は、本人の様子を見たり、相談をして決めているので、多すぎても、少なすぎてもいけないと言われていて、本人のやる気や頑張りで変わる。要するに、目標に対して着実に成果を出している場合は、目標が少なくなり、成果を出せていないと、どこがいけないのかを考えているうちに目標が多くなる。
支援の頻度、回数も気をつけていないと忘れてしまう。
達成したら、どうなるの?
目標は達成出来たら、おしまい!ではない。次の目標があるさ。
でも、一度達成したとしても「継続支援」となることがある。それは、「不十分だから」ということも考えられるが、「確実にできるようにする」ために「継続支援」にする。ただ、達成って誰が決めるのかが気になります。本人が「できた!」と思っても、支援員は「まだだよ!」ということもある。とすると「見える化」で数値にした方がいいのかな。そうしないと、いつまでも達成できないかもしれない?
ゴールを設定しても、達成したくない人もいるのかな?今のままのサービスや支援内容が居心地が良くてやめたくない。最初は「できます!」と言ったものの進めていくと、やる気をなくすというか、次に進む自信がなくなってくる。
気になること
「計画」は、本人と計画作成担当者だけのものではない。家族も、他の職員も、関わっている人のものである。内容を関係者間で、ある程度共有する必要があり、計画の内容は少しは把握して、支援することが求められる。また、本人も計画作成に参画しているので、自分の要望をどんどん出していいと思う。たまに、計画について「できる」「できない」という判断で、あーだこーだ余計なことを言う職員はいますが、そこを気にしすぎると、混乱するのは本人です。
その一方で、「目標」を立てたけれど、利用者が、全く「計画」「目標」を信じていないこともある。支援内容が理解できていなかったり、先に進めないことへの苛立ちからだと思う。計画も目標も、何度でも作り変えることはできる(書類を作る方や支援していく方としては大変だけど)から、本人の変化に柔軟に対応することができることを教えたり、分かっておきたいね。
また、計画作成ソフトを使用していると、すでに「テンプレート」(見本)があったり、ネットで調べると引用できそうな文例があるので使うこともありました。ただ、引用するには、何だか物足りなかったり、本人の状態と合わないことがあるので、あくまでも「参考にする」程度にしていました。
最後に
目標は「こうなったらいいな」が現れているので、否定はしない!ただ、「何も言ってくれない」のも困る。これでいいのかも分からないことで、支援する方も、本人に対する態度が変わってくる。
また、支援員も、利用者の希望を踏まえたうえで「こうなってほしい」と思いながら、支援をしている。だから、お互いのやる気を落とさないように本人に向き合うことで、目標以上の評価が出てくると思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?