買ってよかった本
『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬氏
言わずと知れた、直木賞ノミネート&本屋大賞受賞作。
発売時のポスターに並ぶ、そうそうたる顔ぶれによる推薦コメントに興味を引かれたのですが(特に桐野夏生氏のコメント)、https://twitter.com/NAKAMAshinbun/status/1461277626111184898/photo/1
いや、実際素晴らしかったです。もう私ごときが何か言うのもおこがましい。しいて言うなら、こちらのポスターの三浦しおん氏の言葉が、私が思ったことに一番感覚的に近い言葉と思いました。
この小説が「高校生直木賞」も受賞したことは、ここ最近の自分の中でもっとも明るいニュース。
『掃除婦のための手引き書』ルシア・ベルリン氏
読み進めるほどに一人の女性の流転の人生が浮かび上がってくる、不思議な読み味の短編集。
不遇の子供時代、華やかな青春時代、孤独、アルコール中毒、そして愛する人との別れ―― たぶん『わたしを離さないで』が好きな人はきっとハマる、ような気がします。
『オーグメンテッド・スカイ』藤井太洋氏(「WEB別冊文藝春秋」内)
変化し続ける世界で、軽やかにしたたかに、学び、成長するZ世代の若者たちを描いた青春小説。であると同時に、SF小説にして、マネジメント小説でもあると言えるでしょう。主人公たちと同世代の若い世代だけでなく、初めて部下を持った人や指導社員になった人にもお勧めしたいです。
物語のラスト、それぞれの選んだ道へと飛び立っていく若者たちの姿が眩しく、読み終わった後、元気を貰えます。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4-%E8%97%A4%E4%BA%95-%E5%A4%AA%E6%B4%8B/dp/4163917101/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=2Q2TDRKTQ4YBO&keywords=%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4&qid=1686803912&s=books&sprefix=%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4%2Cstripbooks%2C188&sr=1-1
『マイ・リトル・ジェダイ』冲方丁氏
(「WEB別冊文藝春秋」内)
ワクワク感と優しさが詰まった、まさに万人向けのゲーム小説。
反射神経もろもろがゲームに向いていないので、ほとんどゲームをやらない私ですが、物語の中に入り込んで一緒にゲームをプレイしているかのような(しかもめっちゃ強い状態)楽しさを味わうことができ、しかもエロもグロも残酷表現もないので、「これ、子供の頃に親子で一緒に読むことができたていたら、とても良い読書体験になっただろうなぁ」と思いました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4163916725?tag=bunshun_bessatu_note-22
※追記と訂正
『オーグメンテッド・スカイ』と『マイ・リトル・ジェダイ』の販売ページへのリンクを追加。
12/26 読了記念で追記
『星系出雲の兵站』林譲治氏
工学、宇宙物理学、生物学、兵法、組織マネジメント――膨大な知識に裏打ちされたミリタリーSF。情報量が多いので、全9巻のボリューム以上の読み応え。とはいえ、内容はしっかりエンタメで、登場するキャラがみな魅力的で、面白く読み進めることができる。特に後半の調査が進むほどに新たな謎が出てくる展開は、ミステリも好きな自分としてはテンション上がりまくり。
あと、本の造りとして、帯コピのセンスもいいので以下に記しておく。
星系出雲の兵站1~4
「英雄の誕生とは兵站の失敗に過ぎない」
星系出雲の兵站―遠征―1
「艦隊戦は安価だが、膠着戦は社会を食い尽くす」
星系出雲の兵站―遠征―5
「英雄の余地がある文明は、そこそこ幸運かもしれない。」
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