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『おっさんら ~枕元で~』
口が渇いて目が覚めた
デジタル時計の表示は4:39
身長が恐らく百六十もないおっさんがひとり
清潔感のあるいでたち
またそのうしろにもう少しだけ背の高いおっさんがひとり
これまたこざっぱりした身なり
あわせてふたり
ふたりのおっさんらが用もないのにアタシの寝室に侵入してきたようで
あぁ別に驚かないよ
驚かないよアタシは
幽霊じゃないのも知ってる
生きた人間だろどうせ
ただそういうのがいちばんこえぇ
おっさんらこっちに来たいのか
アタシとおっさんら距離にして約一寸
もうね何がいやってね
はにかみ笑顔で直立不動ノーアクション
抱くなら抱け回すなら回せアタシはオンナだいっそそのほうがこわくねぇ
おっさんらは微笑む
アタシは苦虫をかみつぶす
おっさんらは複数
アタシは単数
鍵をかけ忘れたのかしら
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