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幼稚園にも届いた『保健室からの手紙』

『保健室からの手紙〜養護教諭という生き方〜』という本を出して3ヶ月が経ちました。

noteの世界のみなさんに読んでいただき、その後、少しずつ少しずつ読んでくださる方が増えてきました。

その中に、ある幼稚園の園長先生がいらっしゃって、こんなふうに声をかけてくださいました。

「この本の内容を、PTA研修会で保護者に話をしてほしい。」

えっ?

幼稚園の保護者さんを対象に、私の思い出話を?

エピソードの登場人物は、全て小中学校の保健室で出会った子どもたちなのですが……。

幼稚園ママさんたち、興味あるかしら?

まだまだ先のことだと思うんじゃない?

私なんかの話より、幼児教育を語れる人の方が良いのでは?

……もともと自信のない私は、そんなことばかりグルグル考えながら、でも、これってもしかすると一つの恩送りかもしれないと思い、震えながらお引き受けしました。

とはいえ、やっぱりどう考えても、どう振り絞っても、私には「これまで出会った子どもたち」の話しかないのです。

無理矢理カッコつけて何かを語ろうなんて考えるのは、やめにしました。

そして今日。

ドキドキしながら幼稚園の広い遊戯室で保護者さんの前に立ち、話をしてきました。

タイトルは、やっぱり『保健室からの手紙』

サブタイトルとして、“私を先生にしてくれた子どもたち”

私には、子育てに役立つような幼児教育の理論もHOWTOもないけれど、私がどうしても伝えたいことと、我が子を愛する保護者のみなさんの心が僅かでも響きあえたならありがたいです……と最初におことわりをして。

本に登場するエピソードをいくつか紹介し、最後に保護者さんへの応援メッセージをお伝えして、終わりました。

・当たり前のことを当たり前にする
・土台づくりが、折れない心を作る
・いちばん大事なのは今のまなざし
・心の安心基地があればこそ探索へ
・希望を見出すことこそ大人の役割

75分間、保護者のみなさん全員、恥ずかしくなるほどジッとこちらを見つめたまま聞き入ってくださいました。

話し終わってホッとして椅子に座った私に、PTA副会長様からお礼のご挨拶!?

いやそんな私、もう穴があったら隠れたい気持ちです……と思いながら下を向いていたら……

PTA副会長様、話しながら泣き始められて。

そして最後に

「今日の講話を聞いて、また子育て頑張ろうって思えました。」

と、真っ直ぐな瞳で締めくくられたのです。

びっくりしすぎて、今度は私がウルッとなりました。

研修会後、会場の出口に立っていると、たくさんの方が1列に並んで、次々と声をかけてくださいました。

「本、もう買って読みましたよ!」

「Instagramもnoteも見てます!」

「まちの保健室に申し込みます!」

見つめ合った瞬間、涙を流してくださるお母さんまで……。

え、どうして……思いながら、私までもらい泣き。

もしかしたら、どなたか1人でも2人でも、本を買ってくれるかな、なんて思って並べていた20冊も、全部なくなっていました。

もはや完全にノックアウトされたのは、私の方です。

こんなこと、ある!?

こんなにも、受け入れてくださって……。

ありがとうと言いたいのは、私のほうです。

不思議なご縁で出会った幼稚園の保護者さんたちと、保健室の先生だった私。

繋いでくれたのは、あの本でした。

深い深い愛をお持ちの園長先生でした。

そして、何も出来ない動けないままの私をここまでグイッと引っ張り上げて、次のステージに立たせてくれた、娘。

ありがたい……ありがとう……何度も繰り返しつぶやきながら、帰り道、何度も涙がポロンとこぼれそうになりました。

なかなか恩返しって出来ないけれど、今日の感謝も絶対忘れることなく、せめて自分にできることを重ねて生きていこうと思います。





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