NewsPicksの記事の感想
今回NewsPicksから水利用に関しての記事が出ていたので紹介します。
【内容の概略】
初めに、日本の年間降水量と、1人あたり水資源賦存量が示されています。
水資源賦存量とは、一人当たり一年でどのくらいの水資源が与えられているかという指標で、降水量・国土面積・人口によって決まります。
水資源賦存量でみると日本は世界平均の半分以下ですが、日本において水を不自由なく利用できるのは日本のインフラがよく整備されているからと述べられています。
次に、対比的に水不足地域の現状が述べられています。水が調達できないことは、教育や労働に割くべき時間を水を得るために利用することに繋がり、経済的な損出をも生み出していることが述べられています。
また、日本でも水問題がひとごとではないことが述べられています。日本の水道管の20%近くが耐用年数を超えていることや、インフラの維持が困難な箇所について水道料金が高額になっていること、気候変動への脆弱性が指摘されていること等が挙げられています。
最後に、将来の水インフラ維持に必要なイノベーションに向けた事例の紹介がされたのちに、水問題解決の課題として国内における温度感の低さについて言及されています。
国内の事例として、脱炭素化と資源回収といった話題や、地域住民との連携の事例について紹介されてます。
【気になった点】
・水不足と脱炭素化の課題が混同されているため切り分けて考えるべき
「水が届かない」ことと「水を届ける(上水)/処理する(下水)段階で二酸化炭素の排出量が多い」ことが混同されて議論されているため、水不足という課題に対して下水道ビストロが解決策になっているのか?というところが気になっています。水不足の問題に注力するのであれば、災害時の水対策等により焦点が挙げられた方が良いのではないでしょうか。
・水インフラ(とその課題)の重要性を伝える教育とは?
このページにはただ水インフラの重要性が伝えれば良いとだけ記載されていますが、具体的には「水インフラのビジネスモデルに対しての理解を深める」ことが足りていないと思います。水インフラは、最初に固定費用を支払って水に対する代金を利用者から徴収するというモデルです。多くの人がインフラを共有すればするほど、一人当たりの負担が小さくなる、逆に言えば人が少ないところは個々の負担が大きくなります。
しかし、水インフラは生活に不可欠なので採算が取れないから撤退ということができないところが難しいところです。まずはこの状況に対しての認知度を上げていくことで、水インフラの課題感がわかりインフラが整備されていることが永続性に続くわけではないことが理解できるかと思います。
以上、ありがとうございました。